IBM i 7.4、SQL対応を大幅に拡大 ~Db2 for i 関連の機能拡張 |特集|IBM i 7.4 PART 5

有益なサンプルを多数もつ最新のDb2 Web Query for iをサポート

 

児玉 尚子氏

日本アイ・ビー・エム株式会社 
システム事業本部
Power Systemsテクニカル・セールス
アドバイザリーITスペシャリスト

 

システム情報にも
SQLでアクセス可能に

 企業がDXの実現へ向けて新しいサービスを始めるとき、基幹システム上のデータを活用するケースは多いだろう。リアルタイムな在庫情報や企業間取引における会計情報、顧客情報などさまざまなデータにアクセスする必要がでてくると考えられる。

 基幹システムとして利用されているDb2 for iのデータへアクセスする方法は、RPGプログラムやQuery/400などによるネイティブ・アクセスだけでなく、ほかのリレーショナル・データベース製品で使われているSQLを使ったアク セスもサポートされている。

 外部アプリケーションからSQLを使ってDb2 for iにアクセスする方法は、ODBCやJDBC以外にもRESTful APIなどさまざまな方法が提供されており、新しいサービス用のアプリケーション開発でも役に立つだろう。

 IBM i 7.4では、データベースの情報だけでなく、今までシステムAPIやCLコマンドで照会していたユーザー・プロファイル の状況やジョブ情報、ネットワーク接続情報といったシステム情報にSQLでアクセスするための機能拡張がなされている。これらは、「IBM iサービス」と呼ばれている。

 IBM iサービスは、2013年にPTF情報を表示するDSPPTFコマンドに変わるQSYS2.PTF_INFOが提供されて以来、拡張を続けてい る(図表1)。5250画面でログインしなくても、システム状況を把握できるサービスである。

 

 IBM i 7.4で拡張された権限収集機能を使って収集したデータにもSQLでアクセス可能となっている。最新バージョンのIBM i Access Client Solutionsの「SQLスクリプトの実行」画面では、IBM i サービスのSQLスクリプトのサンプルが用意されているため、ぜひ活用してみてほしい(図表2)

図表2 権限収集のデータへのSQLのアクセス

 

 このようにIBM i のシステム情報にSQLでアクセスできることで、新しいサービスとの連携の幅が広がる。

 たとえば、社内ヘルプデスク業務において、チャットボットの活用が増えている。そのような用途では、IBM i サービスのユーザー・プロファイルの情報を操作するSQLスクリプトを活用することによって(図表3)、IBM iへの接続時のアクセス資格情報やパスワード関連の問題に対する問い合わせを自動的に処理するチャットボットを開発することも可能である。

図表3 ユーザー・プロファイルの状況の照会

 

Web Queryのインストールを
簡単にするEZ-Install

 Db2 Web Query for iは、IBM i上で稼働し、WebブラウザからリアルタイムにDb2 for iや他データベースのデータを照会・ 分析できるデータ活用ツールである(図表4)。Db2 Web Query for iはIBM i OSとは別に独自でバージョンをもっており、最新バージョンは2.2.1である。

 IBM i 7.4では、最新のDb2 Web Query for i 2.2.1がサポートされている(図表5)

 そしてバージョン2.2.0以降では、Db2 Web Queryを簡単にインストールできるパッケージEZ-Installが提供されている。

 このパッケージを使うと、コマンド1つでDb2 Web Queryの導入、PTFの適用、ユーザー登録から開始までを実行できる。データの見える化などのために、Db2 Web Queryの活用を検討いただいている方はぜひ、このインストール・パッケージを使用して導入し、検証していただきたい。70日間はライセンス・キーなしで試用が可能となっている。

 また、このパッケージには、システム管理者やDb2 Web Query for iのレポート開発者がすぐに使える有益なサンプル・レポートなども含まれている(図表6~8)。システム管理者用のサンプル・レポートはそのまま活用可能である。

図表6 システム管理者用のサンプル・レポート(PTF情報の参照)

 

図表7 販売データのサンプル・レポート(フィルタ付きレポート)

 

図表8 販売データのサンプル・レポート(ダッシュボード)

 

 また、販売データのサンプル・レポートではドリルダウンやグラフ化などデータを見える化する、さまざまな機能が活用されている。これらをヒントに自社のデータを用いて、新たな見せ方でのレポート開発に役立てていただきたい。

 なお、EZ-Installパッケージは、QU2@us.ibm.comに下記の情報を含め申請すると、入手できる。

・Name(名前)

・Company Name(会社名)

・Serial Number of system where this will be installed(DB2 Web Queryを導入するシステムのシリアル番号)

 

 

児玉 尚子氏

2009年の入社以来、主に中小企業のお客様向けにPower Systems/IBM iに関する提案活動を実施している。

 

[i Magazine 2019 Autumn(2019年8月)掲載]

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PART 1 オールインワンの軸は曲げずにDXを支える技術の幅を拡大 

三ヶ尻 裕貴子氏
日本アイ・ビー・エム株式会社
システム事業本部Power Systemsテクニカル・セールス 部長

PART 2 DXを見据えたメジャーリリース IBM i 7.4の到達点

PART 3 アプリケーション開発機能の拡張・変更点

PART 4 超高可用性を実現するIBM Db2 Mirror for i

PART 5 SQL対応を大幅に拡大 Db2 for i関連の機能拡張

PART 6 SQLが簡単に使える機能を満載 ACS V1.1.8の強化ポイント

PART 7 Db2 for iのREST接続とオープンソース対応を拡充

PART 8 データのセキュリティを強化オブジェクトごとに権限設定が可能に