IBM Cloud Pak for Automation V20.0.3は、RPA・プロセスマイニング・文書処理機能を新規追加

 

 

 

日本IBMは10月16日、IBM Cloud Pak for Automation V20.0.3を発表した。同時にIBM Cloud Pak for Data V3.5も発表されている(記事はこちら)。

IBM Cloud Pak for Automationは、業務処理の自動化を多面的かつ統合的にサポートするプラットフォーム。単一または複数のクラウド上に配置する自動化アプリケーションの設計・構築・実行・管理を、統一的なインターフェースの下で実現する。本稿の末尾にIBM Cloud Pak for Automationを構成するツールをまとめたので、ご参照いただきたい。

今回のV20.0.3に追加された主な機能は、Automation Document Processing、myInvenioベースのプロセスマイニング機能、WDG AutomationベースのRPA機能の3つ。以下、1つずつ整理してみたい。

Automation Document Processingは、手作業による文書処理の削減を目的とするツールである。文書の配置場所やアプリケーション、フォーマットなどの違いにかかわらず目的の文書を探し出し、分類・抽出・配布するためのプログラムを、簡単かつスピーディに設計・開発できる機能を提供する。ツールは、ディープラーニングとローコード開発ツールの組み合わせで構成されているという。説明動画(英語)はこちら。2020年12月から利用可能になる。

myInvenioはイタリアのCognitive Technology社(サイト)の製品で、業務プロセスを可視化するプロセスマイニング機能を提供する。この機能により、業務のボトルネックやRPA化に適したプロセスを発見できたり、シミュレーションやビジネスルールの作成が可能になる。こちらも12月から利用可能になる。

3番目のWDG Automationは、IBMが2020年7月に買収したブラジル企業のRPAツールである。9月末に買収手続きが完了し、同社のRPAツールがIBM Cloud Pak for Automationに組み込まれた。

WDG Automation社を買収した当時のIBM担当者のブログを見ると(こちら)、「この買収は、IBM Cloud Pakへの組み込みが目的で、その取り組みは、IBM Cloud Pak for AutomationとIBM Cloud Pak for Multicloud Managementからスタートする」と明記されている。

WDG Automation(RPAツール)の詳細は現時点では不明だが、一般的なRPAツールと同等の機能を備えているとすれば、IBM Cloud Pakシリーズに組み込まれる意味は非常に大きい。各Cloud Pakシリーズには設計や構築、設定などを自動化するツール/サービスが提供されているものの、手作業に負っている部分が少なくない。その部分をRPAツールによって自動化できれば、ツール/サービス間の連携性がより高まるだろう。

RPA分野では、RPAツールと異なるツール/サービス(たとえばBPMツール)を組み合わせて自動化の拡張する「ハイパーオートメーション」というコンセプトが登場し、実現へ向けて進みつつある。RPAツールとCloud Pakシリーズとの連携・融合により、Cloud Pakのハイパーオートメーション化も進みそうである。WDG Automationの実装がIBM Cloud Pak for Automationの中でどのように行われているのか、IBMからの詳しい紹介が待たれるところだ。

 

以下は、IBM Cloud Pak for Automationを構成するツール/サービスである。なお、V20.0.2以前のツール/サービスのうち、V20.0.3のRPAツールの搭載により整理されるものが出てくる可能性もあることをお断りしておく。

V20.0.2以前のツール

IBM Automation Decision Services
意思決定モデル化機能

IBM Business Automation Workflow
ワークフローの自動作成

IBM Enterprise Records
ドキュメントやオブジェクトのレコード作成・ライフサイクル管理

IBM Automation Digital Worker
AI活用による業務処理の自動化

IBM Business Automation Application
業務アプリケーションの作成・実行

IBM Automation Workstream Services
日常業務を合理化・自動化・高速化するソリューション

IBM Business Automation Content Analyzer
データを抽出・分類するためのAI ベースの REST API Webサービス

IBM FileNet Content Platform
コンテンツのデジタル化・ライフサイクル管理

IBM Operational Decision Manager
ビジネス・ルールの管理・変更管理

IBM Business Automation Insights
ビジネス・データの表示・分析によるインサイトの提供

Platform Foundation(コア機能)
 ・Cloud Platform Common Services
 ・IBM Business Automation Studio
 ・ユーザー管理サービス
 ・IBM Business Automation Navigator

V20.0.3で追加されたツール/サービス

Automation Document Processing
文書分類・抽出・配布プログラム作成

myInvenio
プロセスマイニング

WDG Automation
RPAツール

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