事例|株式会社ビジネス・リンクス~ UT/400とクラウドを採用し 5577を撤廃、帳票基盤を改築

本 社:東京都千代田区
設 立:2000年
資本金:5000万円
売上高:28億円
従業員数:21名
事業内容:事業内容:各種オフィス機器・オフィス用品の販売を行うオフィスソリューション事業、請求書などの編集・印刷・封入・封緘・発送を行うドキュメントソリューション事業、OA機器のリサイクル支援事業など
http://www.bll.co.jp/
 
現在は、オフィスソリューション事業、ドキュメントソリューション事業、OA製品のリサイクル支援事業など、オフィスに関連するビジネスを幅広く展開している。オフィスソリューション事業は、各種OA機器をはじめとして、オフィス家具・内装・移転・セキュリティなどオフィスに関わるあらゆる設備・備品の販売・ソリューション。ドキュメントソリューション事業は、顧客情報などを預かり、編集・加工から印刷・封入・封緘・発送までを一貫して受託するトータルサポートサービスである。
 
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基幹システムのトラブルを機に
帳票基盤の改革へ

 
 ビジネス・リンクスは、1989年に日本オフィス・システムと兼松の合弁により誕生した会社である。日本オフィス・システムの旧サプライ部門が元々の母体で、2000年に同社経営陣が事業内容と人的資源を継承して再スタートを切り、現在に至っている。
 
 合弁当初はIBMタイプライターとそのサプライ用品の販売を中心に行っていたが、2000年以降はプリンタや複合機などのOA製品とサプライ用品の販売に主軸を移した。
 
 現在は、オフィスソリューション事業と、その関連で生まれたドキュメントソリューション事業やOA機器のリサイクル支援事業などを幅広く展開中だが、「2015年以降、サプライ商品販売のビジネス規模が大きく膨らみ、急増する請求書発行などの事務作業をどう効率化するか、喫緊の課題になっていました」と、代表取締役社長の長瀬明氏は振り返る。
 

長瀬 明氏 
株式会社ビジネス・リンクス
代表取締役社長
 
 同社では従来、IBM i上の基幹システムで発行した請求書データをインパクトプリンタ(5577)で4枚綴りの専用用紙に印刷する運用を行っていた。ただし、その基幹システムは、会社設立時の30年前にパッケージ(当初はD-PACK、後にGUI-PA
CK)をカスタマイズして構築したものだったので、請求書一つを取ってみても現状に合わない部分が多々生じていた。また、インパクトプリンタが不具合を起こすことも少なくなく、その解決も課題となっていた。
 
 そうした折、基幹システムで月次更新が行えないというトラブルが発生した。12月の決算期を目前に控えた2017年12月のことである。システムを30年来担当してきた技術者はすでに定年で退職しており、社内には対応できるものがいなかった。仕方なく月次更新を行わないまま12月が過ぎ、本決算も行わないまま次年度に入り、2018年1月の月次更新も行えないままであった。
 
 長瀬氏はそのさなかに、福岡情報ビジネスセンター(FBI)の三角政義氏(マーケティング担当顧問)に自社の窮状を相談している。そして三角氏から、折しもFBIへの入社決めていた橘孝子氏を紹介されたことから、トラブルの解決へ向けて具体的な動きが始まった。橘氏は、ベンダーでフロントSEを長く務め、D-PACKをはじめとするPACKシリーズでのPM経験も豊富にもつベテランのIBM i技術者である。
 
「トラブルの内容を精査したところ、パッケージのカスタマイズ部分が行う月次更新でデータのアップデート処理がうまく行われず、エラーが起きたことが判明しました。システムは度重なるカスタマイズでブラックボックス化し、ドキュメントもなかったので原因をすぐには特定できませんでした。ソースを読み解きながら簡易的なドキュメントを作るところから始め、最後はプログラムを組んでデータのリカバリを行ったうえで年次更新までこぎつけ、トラブルシューティングしました」と、橘氏は語る。
 

橘 孝子氏
株式会社 福岡情報ビジネスセンター 
IBM i事業部   東京オフィス マネージャー
 
 
 修復作業は2018年2月にスタートして4月に完了。同社では4月に懸案の本決算締め処理をシステム上で行うことができたが、もう1つの懸案事項である業務の効率化へ向けて、引き続き、基幹システムの改築をFBIへ依頼することにした。
 
「当社では請求書発行で使用している4枚綴りの専用用紙をA4用紙に変更したいと考えていましたが、FBIが5577からオフィスプリンタへの改築経験をもっているとのことだったので依頼することにしました」と語るのは、管理本部の橋本礼司氏である。
 

橋本 礼司氏
株式会社ビジネス・リンクス 
管理本部

 

基幹プログラムの改修と
UT/400の採用で一新

 
 FBIの提案は、アイエステクノポートのUT/400を導入し、基幹システムで発行した請求書などのデータ(SCSスプールデータ)にUT/400で作成したオーバーレイをかけてPDF化し、複合機やオフィスプリンタにダイレクトに出力する、というものだ(図表1)。
 
 
 4枚綴り専用用紙の「請求書(控)」「請求書」「納品書」「送金案内」という内容は、A4サイズの上下に「請求書」と「納品書」を配置し、「送金案内」の銀行口座情報は「請求書」のなかにレイアウト、「請求書(控)」はUT/400の基本機能の1つであるPDF化を利用してIBM i上のIFSに保存する形とした。
 
 また「合算請求書」は明細行を大幅に増やし、Excelなどで別途作成していた“かがみ部分”も「請求書」のなかに配置。さらに「Z納品書」と呼ぶ顧客への納品報告書は、「納品書」のみをA5サイズで印刷する形に変更した(図表2)。
 
 
 橘氏はこれを実現するために、基幹システム(GUI-PACK)の改修と、UT/400とIBM iとの連携の作り込みを行った。
「UT/400は、スプールデータの順番に従ってオーバーレイをかける仕組みなので、4ページ目にある情報を1ページ目のオーバーレイに反映させるには、基幹システム側でプログラムの改修が必要になります。今回は、新しい帳票ニーズに対応するために、さまざまな部分でかなり細かい改修を実施しました」(橘氏)
 
 また橋本氏は新しい請求書・納品書のレイアウトイメージをExcelで作成。アイエステクノポートはそのイメージを基にオーバーレイを開発し、IBM iとUT/400との連携に関する技術アドバイスも担当した。
 
 橋本氏の感想は、「レイアウトイメージどおりの帳票ができあがってきたので非常に驚き、感動しました」というもの。橘氏は、「今回のプロジェクトがスムーズに運んだのは、ビジネス・リンクスとアイエステクノポートと当社の3社がうまく連携できたからだと考えています」と話す。
 
 今後は、顧客の求めに応じて都度作成している「顧客別納品書」なども(現在はPC上で加工してオフィスプリンタで印刷)、段階を経てUT/400化を進める予定である。
 
 

「Powerクラウドサービス」により
運用工数削減とリスクヘッジを実現

 
 完成させた新しいシステムを含む基幹システム上のアプリケーションはすべて、FBIの「Powerクラウドサービス」を利用してPowerクラウドセンター(FBI)に移植した。Powerクラウドサービスでは、24時間365日のシステムサポートが受けられるので、ユーザー側の運用工数を大幅に削減できる。
 
「クラウドへの移行は、リスクヘッジも大きな目的でしたが、今回は基幹システムのトラブルシューティングから基盤改築、業務の効率化、クラウドへの移行まで、従来からの課題を一挙に解決できました。業務の効率化では、まだ取り組むべき課題が山ほどあるので、今回の基盤整備を弾みとして、継続的にシステムの高度化を進めていく考えです」と、長瀬氏は抱負を語る。
 
 
[i Magazine 2019 Summer掲載]