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IBM i 30周年 次の30年へ向けたIBMの新たな施策 パートナーはIBM iビジネスをさらに推進 ~「IBM i事業戦略説明会」を開催

AS/400の発表から30年目を迎えるIBM iの事業戦略説明会が、3月15日開催された。

IBM i(OS)が搭載されるPower Systemsはこの1年「絶好調」で、グローバルの2017年度売上高は対前年比15%増、日本でも同様の業績を上げたと推定され、ここ数年のフラットなビジネスからの反転と復調の兆しさえ見える。

この背景には、国内に限れば、国産メインフレーマーの事業戦略縮小に伴うユーザーのIBM iへの移行や、AI・IoTなど戦略的システムと連携する重要プラットフォームとしてのIBM iの再評価・活用といったフォローのトレンドがある。

IBM i事業戦略説明会は、こうした状況のなかでの開催で、日本IBMと有力パートナー2社の戦略および取り組みをうかがう格好の機会となった
 
出席は、写真左から武藤和博氏(日本IBM)、東上征司氏(JBCC)、小野寺 洋氏(ベル・データ)、久野 朗氏(日本IBM)の4氏。なお、各氏への個別インタビューは6月11日に掲載します。

 

垂直統合と水平統合を実現する
IBMの戦略的プラットフォーム

最初に説明に立った武藤和博氏(日本IBM 専務執行役員 IBMシステムズ・ハードウェア事業本部長)は、まずBM iの特徴について触れた。

「1988年のAS/400から数えて30年。IBM iがこの間、一貫して守り続けてきたのは、過去からのアプリケーション資産を保護する継承性で、それとともに、1980年代はクライアント/サーバー、90年代にはe-ビジネス、そして近年はモバイル、クラウド、AIなどの最新トレンドにいち早く対応してきました。この継承性と最新技術への対応の両方を備えるのはIBM iしかなく、稀有なプラットフォームと言えます」

そして、それを支える技術として、POWERプロセッサの活用による飛躍的な性能向上(30年間に13万7000倍)と、IBMメインフレームで培ってきた仮想化技術や信頼性技術の適用を挙げ、さらにその強みとして、ハードウェアからOS、DB、アプリケーションまでの垂直統合による安定性と高セキュリティ、水平統合を可能にするAPIによるWatsonやクラウド上の先進サービスとのリアルタイムな連携を指摘した。

「これからはオンプレミスとクラウドの融合がトレンドで、アーキテクチャの核心。この分野で強みを発揮できるのは、垂直統合と水平統合を同時に実現可能なIBM iだけです。IBMでは、IBM iを戦略プラットフォームとして位置づけています」と、武藤氏は“IBM i時代の到来”を強調した。

今後は、ビジネスパートナーやアプリケーション開発企業、人材サービス会社とのエコシステムをさらに強化していく方針。「他社のメインフレームやオフコン、Windowsをご利用中のお客様にもIBM iを使っていただけるよう取り組みを強化していきます」と、“Winback”の抱負を語った。

 

人材サービス会社と協業し
日本IBMがRPG技術者育成に乗り出す

武藤氏に続いて立った日本IBMの久野朗氏(IBMシステムズ・ハードウェア事業部 コグニティブ事業開発 IBM i統括部 部長)は、武藤氏の説明の各論というべき取り組みや状況について、次の3点を柱に話を続けた。

● IBM i(OS)とPOWER(プロセッサ)のロードマップ
● IBM iと新しいテクノロジーとの連携
● 開発・運用を支えるエコシステムの強化

このなかで久野氏がとくに強調したのは、IBM iは、AIやクラウド、モバイル、他システムなどと連携する戦略的なアプリケーションを、短期間かつ低額の投資で構築可能という点。

「それは、IBM iが他のシステムや先進テノクロジーと連携する強力な機能を備え、その活用により、IBM i上にある豊富なアプリケーション資産をそのまま使えるからにほかなりません。IBMでは、お客様が最小の投資で、かつ短期間に戦略的アプリケーションを開発できるようテクノロジーの実装を進めています」と語り、その実例として、IPカメラやオープンソース技術を使い「おもてなしのイノベーション」(久野氏)を実現した九州三菱自動車販売の取り組みを紹介した。

また、「開発・運用を支えるエコシステムの強化」に関しては、次の3つの取り組みを発表した。

● 日本IBMによるRPGアプリケーションの開発・運用・保守の支援(3月7日より案内)
● パーソナルテクノロジースタッフとマンパワーグループの人材サービス会社2社との協業によるRPG技術者の育成(3月15日より案内)
● 共通のサービスレベル標準に基づく、パートナーによるRPGアプリケーションのリモート開発・運用サービスの推進 (2017年7月より。協賛企業は11社)

 

JBCCとベル・データからの
重要なメッセージ

続いてマイクを握った有力パートナー2社が重要なコメントを残しているので紹介しておきたい。

最初は、IBM i分野で長年シェアトップを続けるJBCCの東上征司 代表取締役社長。同社はこの30年間に、のべ5200社のI万4000台以上のIBM iシステムをサポートしてきた実績をもつ。

「当社では今、新しいテクノロジーをどうIBM iと連携させていくかに注力しています。IBM iのポイントは、そこに重要なデータが蓄積されていること。それを活用する新しい業務システムを、最新のテクノロジーを使って構築していくことこそ重要と考えています。IBM iのアプリケーションは全部を作り替える必要はなく、段階的な移行が可能です。当社はIBM iを安心して長く使っていただけるシステムの開発を目指しています」

2人目は、ベル・データの小野寺洋 代表取締役社長。同社は「IBM iカンパニー」を標榜し、IBM iへの取り組みと業績を急拡大させている。

「IBM iのように堅牢で、かつオープン性を備え、メインフレームの処理性能を超えるマシンはほかにありません。IBM iを普及させることこそ、お客様の数々の問題を解決し、システム利用の満足度を向上させる最善の方法です。当社はすでに320のベンダー・SIerなどとパートナリングを組みエンド・ツー・エンドのサービスを提供していますが、今、切実に思うのは、各社が単独でIBM iビジネスを進めるのではなく、ユーザーを含めて各社共同のコンソーシアム的な会を作り、助け合いながらIBM iを普及させていくことです。その時期に来ていると、痛感しています」

*4氏への個別インタビューは6月11日に掲載します。

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IBM i30周年イベント情報

IBM i World 2018

7月3日(火)
14:00~17:30
場所:東京 秋葉原コンベンションホール
(東京都千代田区外神田1-18-13 秋葉原ダイビル2F)

7月6日(金)
14:00~17:30
場所:大阪 フェスティバルスイート
(大阪市北区中之島2-3番-18 中之島フェスティバルタワー37階

主催:日本IBM
申込:ここをクリック

 

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