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事例|株式会社サンヨーコーヒー ~基幹データを分析しさまざまに可視化、気づきと着想をCloud解析から得る

NewWorkFriend-FXで
基幹データをExcelへ展開

 株式会社サンヨーコーヒーは、大分県別府市を拠点に、自家焙煎コーヒー店の経営から飲食店向けの食品・用品卸、食料品の自社開発・販売へと、事業と商圏を大きく拡大させてきた企業である。

 地方に拠点を置く飲食・食料品ビジネスについて、取締役 総務部長の阿部祐二氏は、「景気や流行などに左右されやすい変化の激しい業界ですが、それでも商品の動きを細かく見ると、安定して着実に売れ続けているものも少なくありません。売上を伸ばし在庫を適正にもつには、売れ行きや入出庫の状況などをいち早く把握し、早期に手を打つことが不可欠なビジネスです」と話す。

 

阿部祐二氏 取締役 総務部長

 

 その売上や在庫数の把握のために、同社の営業や仕入れ担当者はこれまで、IBM i上の基幹システムから日次・週次・月次単位で出力される帳票を参照してきた。ただし、それらは全体の数値でしかなく、得意先に単価いくらで、どれくらいの数量を販売したのかを示す詳細データではなかったので、価格の変更などがあると、担当者から阿部氏へ取引データ照会の依頼が寄せられていた。

 阿部氏のほうでは、そうした依頼をさばくためにBIツールの「NewWorkFriend-FX」を導入し、利用してきた。NewWork Friend-FXは、画面上に表示されるDB2 for iのデータ項目をドラッグ&ドロップするだけで、任意のデータを抽出できるツールである。

 ただし、同社の商品アイテム数は約1万点、卸先数は約1500社、顧客数は全国に約3万人もあるため、NewWorkFriend-FXで抽出したデータを整形し、加工して可視化するのに大きな手間がかかっていた。阿部氏は、「分析の切り口を新たに着想しても、データの加工から可視化までをタイムリーに行えず、長年の課題となっていました」と振り返る。

 

思いつくままに
自由に可視化・分析可能

 そうした折、従来からシステム構築の支援を受けているJBCCから、クラウド型のデータ活用サービスである「Cloud解析」の紹介があった。Cloud解析は、直感的な操作感とデータの多彩な可視化を“売り”にしているサービスである。

「デモで、売上グラフと地図情報を紐づけてビジュアルに表示する機能を紹介され、スタッフ全員が魅了されました。また、抽出したデータの整形や多様な分析を簡単に行える点も大いに気に入り、これなら長年の課題も解決できると考え、ほどなく導入を決めました」と、阿部氏は言う。

 2017年7月から利用を開始し、約半年間に多様なデータを対象に、さまざまな角度から分析を行ってきた。

 同社が実施している可視化の手順は、NewWorkFriend-FXを使ってIBM i上の基幹データをExcelファイルへ抽出し、そのExcelファイルをCloud解析に取り込み(Cloud解析のメイン画面でファイル名を指定する)、さらに可視化したいデータの項目をドラッグ&ドロップでセットする、という流れである。これで分析対象の定義は終わるので、あとは「年度」「曜日」「地域」などを選択すれば可視化できる。また、一度グラフ化しても、分析の切り口を変えていけば、さまざまなグラフを次々に表示可能である(図表)。

 阿部氏は、「この簡便性によって、対象となるデータを思いつくままに、いろいろな切り口で可視化・分析可能です。Cloud解析は、気づきや着想を得るのにも非常に優れたツールです」と、感想を述べる。

 

将来は顧客ニーズの
発掘にも活用

 同社では全国の営業エリアを15の地区に分けているが、その15地区ごとの過去3年間の商品別売上を分析したところ、経営層から「非常に助かる」との評価を得た。

「売上高といったマクロの数字だけを見ていても、市場のダイナミックな動きはつかめません。地区別の売れ行きや粗利の変化、得意先ごとの売上の増減などを、角度を変えて視覚化することによって、市場の本当の動きが見えてきます。過去3年間の売上分析は、データがあまりにも膨大なため、従来は簡略的にしか行っていませんでしたが、Cloud解析を使って半日ほどで作業を終えることができました」(阿部氏)

 Cloud解析の導入効果として阿部氏は、「情報共有の容易さ」と「意思疎通・伝達の速さ」の2つを挙げる。「個々の商品や得意先、市場で何が起きているのかを、グラフ化したデータをもとに会話できるので、情報の共有と意思疎通がよりスムーズに運ぶようになりました。分析した結果をどのように見るべきか、どう使うかを、現場担当者に提案しているところです」(阿部氏)

 今後は、Cloud解析の適用範囲をさらに広げ、現状分析だけでなく、顧客の将来的なニーズの発掘にも活用する考え。「お客様の潜在的なニーズは、現在の動向のなかに予兆として表れているはずです。それをどう捉え、どのように掘り下げていくか。Cloud解析をどう活用するかが、非常に重要だと感じています」と、阿部氏は抱負を述べる。

[i Magazine 2018 Spring(2018年2月)掲載]

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サンヨーコーヒーは、大分県を中心に、自家焙煎のコーヒー店「KIHEI CAFE」の運営や、大分県産の自然の食材を活かした食品の製造・販売、飲食店向けの食品・用品の卸などを幅広く手がける企業である。地の利を活かして、九州・沖縄に商圏を広げつつある一方、近年はコーヒー豆や産地直送ギフトのネット販売にも力を入れ、全国にファンを拡大している。自社開発のドレッシング・調味料シリーズ「湯布院長寿畑」や低カロリーで濃厚な味わいの「豆腐アイス」、20種類の穀物をブレンドした「二十穀米」などは、お取り寄せ商品の定番。昨年(2017年)創業70年を迎え、「お客様の業績向上とブランド力向上への寄与」をスローガンに、積極的な経営を続けている。

低カロリーで濃厚な味わいの「豆腐アイス」
大分県産の自然の食材を活かしたドレッシング・調味料シリーズ「湯布院長寿畑」

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Company Profile

株式会社サンヨーコーヒー

本 社:大分県別府市
創 立:1948年
資本金:1000万円
売上高:8億円
従業員数:80名(パート・アルバイトを含む)
事業内容:コーヒー豆の輸入・焙煎・販売
コーヒー店舗の経営、各種
スイーツ・食材の製造・卸・
OEM・小売販売など
http://www.sanyocoffee.com/
http://www.net-hanbai.net/(ネット販売)