IBM iストレージ・サポート
IBM iではさまざまなストレージとの接続をサポートしている。ここでは主にディスク関連のストレージ接続について説明する。
IBM iからストレージへ接続する形態としては2つの形態に分けられる。1つはIBM iから直接ストレージへ接続するケース(ネイティブ接続ともいう)で、これはさらに内蔵ストレージと外部ストレージ構成の2つに分けられる。
さらにIBM iへのストレージ接続の方法として、VIOS(仮想I/Oサーバー)経由の仮想SCSIやNPIVによる接続がある。これらの接続形態をまとめると図表1のようになる。

IBM iディスク・フォーマット
IBM iは、独自のアーキテクチャの1つである補助記憶域プール(ASP)を実現するために520バイトセクターでフォーマットされたディスクを使用する。この520バイトセクターの内容は、ページ内データを識別するための8バイトのヘッダー部と512バイトのデータ部分で構成されている。これらのディスク・フォーマットはIBM iに直接接続された内蔵ストレージやDS8000シリーズなどのストレージでサポートされる。
現在ではIBM FlashSystemなどのIBMストレージもIBM iでサポートされているが、これらのオープン・ストレージ・システムは512バイトセクターを基本としてフォーマットされている。このようなストレージをIBM iでサポートするために512バイトセクターを9つ使用することで1ページを構成し、520バイトセクターをエミュレーションしている。この場合、IBM iで認識できる各LUNのサイズは8/9になるため、ストレージ容量の約11%はIBM iでは使用できないこととなる(図表2)。

近年では4Kフォーマットのディスクが主流になってきているが、その場合のレイアウトは図表3の通りである。

特徴としてはオープン・ストレージ・システムの場合は、4096バイトセクターに納めるためにデータ部分を圧縮していることである。
NVMe
NVMeは、フラッシュメモリ利用が可能な読み取り/書き込み速度で動作できるようにするために開発されたオープン規格である。基本的には、フラッシュ・メモリがSATAを経由せず、PCIeインターフェイスを介して直接SSDとして動作し、より遅いSATAの速度に制約を受けることがない。Power10サーバーの内蔵ストレージはNVMeのみによる構成になっており、内蔵ストレージのパフォーマンス向上と構成の柔軟性に貢献している(図表4)。

IBM iでのNVMeサポート
IBM iでは7.4 TR1から直接接続のNVMeデバイスをサポートしている(Power10サーバーではIBM i 7.3でも構成可能)。またPower10サーバーでは
IBM iには少なくとも1つの同一容量のNVMeデバイスのペアが必要である。NVMeデバイスのデータ保護にはオペレーティング・システムのミラーリングが必要で、ハードウェアRAIDはサポートされていない。
NVMe Namespace(名前空間)
Namespaceとは、NVMeを論理的に分割したブロックであり、IBM iではこれを1台のディスク・ドライブとして扱う。
図表5は、IBM iから見たNVMeデバイスを表している。

WRKHDWRSCコマンドでNVMeデバイスを表示するとNVMeデバイスは、ディスク制御装置とその制御装置に接続するディスク装置(=Namespace) として認識される。
先ほどデータ保護のためにオペレーティング・システムでのミラーリングが必要と述べたが、Namespace単位でのミラーリングを構成する。ミラーリングを構成する場合には、1つのASPに複数のNVMeデバイスを構成する必要があり、異なるNVMeデバイスに構成されたNamespace間でミラーリングを行う。
ミラーリングのレベルに関しては、1台のNVMeデバイスは、IBM iからはディスク制御装置とディスク装置として扱われるため、NVMeデバイス間のミラーリングはIOAレベルと同等とみなされる。またNVMeデバイスが構成されるPCIバスの論理アドレス情報が異なるシステム・バスとして扱われるため、ミラーリングの開始時やディスク構成保護の表示画面ではバスレベルとして表示される(図表6)。

NVMeに関しては、i Magazineの記事「IBM Powerの内蔵ディスクとして高速処理が可能なNVMeをサポート ~IBM iでNVMeデバイスを使用するのに必要な基礎知識と管理手法 |IBM iの新常識 ❸」で詳細に解説されているので、ぜひ参照してほしい。
著者
茂木 映典氏
日本アイ・ビー・エム株式会社
テクノロジー事業本部
IBM Power テクニカルセールス
[i Magazine 2025 Spring号掲載]







