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ILE RPGの研修を外部に委託して若い世代の教育・育成を目指す ~ソリューション・ラボ・ジャパンの研修サービスを利用し、独自カリキュラムを作成 |コーユーレンティア株式会社

コーユーレンティア株式会社
本社:東京都港区
設立:1970年
資本金:9億6390万円
売上高:192億5412万円 (2024年12月期、単独)、318億6116万円(2024年12月期、連結)
従業員数:412名(2024年12月末、単独)、893名(2024年12月末、連結)
概要:Furniture, Fixtures and Equipment(家具、什器、備品)のレンタル業。建設業界・不動産業界・イベント業界をはじめ、企業向けにFF&Eをレンタル。
https://www.koyou.co.jp/

ILE RPGの研修を
2年連続で外部に委託

9社で構成されるレンティアグループは、「顧客を創造し 社業発展 進歩を図り 社会に貢献する」をグループの共通理念に掲げ、レンタル関連事業を軸にスペースデザイン事業から物販事業、ICT事業などを幅広く展開している。

その中核事業会社であるコーユーレンティアでは、レンタルを起点に、オフィスプランニングやデザイン、ICTソリューションまで、顧客ニーズを幅広くサポートしている。

同社は2003年に国産オフコンからIBM iへ移行し、基幹システムを全面再構築した。販売管理・物流・在庫管理を軸に、ILE RPGによる独自開発型のシステムとして完成させている。

現在、情報システム部には設計・開発グループと企画・運用グループの2つの部署があり、総勢11名の人員を擁している。IBM i上で稼働する基幹システムの開発・運用・管理は、内製を目指し、設計・開発グループが担当している。

同社はこれまで2023年、2024年と合計2回、ソリューション・ラボ・ジャパンが提供するILE RPGの研修サービスを受講した。

2023年に初めてこの研修サービスを受講したのは、情報システム部 設計・開発グループの今瀬愛美氏である。入社は2023年で、その年の6~9月にかけて、1日7時間の研修を約1週間に1回の頻度で、全10回受講した。受講場所は同社のオフィスで、ソリューション・ラボ・ジャパンからは2名の講師が派遣された。研修は部内に告知され、興味があれば誰でも参加が可能であったが、1人で受講したという。

今瀬 愛美氏

2度目は2024年で、このときに受講したのは小橋怜央氏(情報システム部 設計・開発グループ)。新卒入社したこの年の夏から秋にかけて、やはり同じ時間数の研修を受けている。

小橋 怜央氏

「それまでは研修も外部に委託したことはなく、社内で進めていました。ただRPG習得に向けた体系的なカリキュラムや教材があったわけではなく、そのたびに資料を用意したり、作成したりしていました。しかし今瀬が入社した2023年から、クラウドへの移行プロジェクトが開始される予定で、全員が業務に忙殺されていました。社内人員では研修に割く時間を作れなかったこと、より体系的なカリキュラムが必要であったなどの理由で、ソリューション・ラボ・ジャパンへ研修を依頼することになりました」と語るのは、情報システム部 設計・開発グループの西村武課長である。

西村 武氏

ちなみにこのクラウド移行プロジェクトはIBM Powerおよびオープン系サーバーをすべて完全クラウド化するもので、2023年6月にキックオフし、2024年5月末に完了している。

企業や受講者の個性に応じた
独自のカリキュラムを作成

この種の研修サービスを提供している会社は複数あったが、ソリューション・ラボ・ジャパンへ依頼したのは、企業や受講者の特性に応じて、カスタマイズしたカリキュラムの提供が可能であったからだ。

今瀬氏は中途採用で、以前にITベンダーからユーザー企業に常駐し、COBOLによるプログラム開発を経験していた。RPGは初めてであったが、言語を使用したプログラム開発がどういうものかについては相応の知識と経験があった。今瀬氏は「いろいろなCOBOLを使ってきたので、RPGを初めて見たときも、それほど違和感はなく、すぐに溶け込めました」と語っている。

一方の小橋氏は新卒入社。大学は理系で、授業でPythonやVBAを学習したことはあるものの、本格的な開発経験はない。小橋氏は、「初めてIBM iの黒画面やRPGを知ったときは、自分がこれまで学んできた内容とまったく違うので、正直驚きました」と当時を振り返る。

ソリューション・ラボ・ジャパンでは、こうした受講者の経験の違いを考慮してカリキュラムを作成した。

「今瀬の受講時には、RPGとCOBOLの違いを明確に説明してほしいなどのリクエストを出しました。2人とも、受講したのはどちらも基礎編で、研修の内容がそれほど大きく違うわけではなかったですが、経験者と未経験者のそれぞれに対し、説明の仕方を変えていて、受講者の個性を意識してくれていると感じました」(西村氏)

またソリューション・ラボ・ジャパンでは、同社のシステム環境に沿ったカリキュラムを作成し、開発ソースを分析して実際のライブラリーを研修用に用意した。より実践的な内容で、受講を終了したあとすぐに即戦力として活躍できるような考慮がなされたようだ。

受講した2人とも、「わからないときはその場ですぐに質問すると、丁寧かつ的確に回答を返してもらえるので、壁にぶつかることなく進んでいけました」と口を揃える。

西村氏もその点に触れて、「我々のようなベテランは独学で学んできたことが多いので、質問されても自分の感覚や経験で答えてしまって、新人が理解しやすいように答えるのは意外に難しいです。そこも研修を外部に委託してよかったと思う点です」

同社ではソリューション・ラボ・ジャパンに、3回目の研修を依頼している。次は2人を対象に、応用編を用意してもらう。サブファイルの制御の方法、デバッグの手法、動的SQLの理解など、具体的なリクエストも出している。双方のスケジュールを調整中であるが、実施は2026年初頭ぐらいになりそうだ。

同社は2024~2026年度までを飛躍の年とし、3カ年の中期経営計画「Next Evolution 26」が進行中である。前中期経営計画から注力してきたESG経営をさらに推進し、ICTやDXを活用した「新規事業の創出」と「経営基盤の強化」に取り組むとともに、将来に向けた「人的資本の充実」を柱に据えている。

人的資本の充実、すなわち人材の育成・教育は全社的なテーマである。同社の情報システム部も他のIBM iユーザーと同様の悩みを持っており、人員の若返りと次世代の育成を目指し、若い世代の人材を採用していく方針だ。その人材教育のリソースとして、外部研修を積極的に取り入れていくようである。西村 武氏

図表1 カリキュラム内容(2024年実施分)

 

[i Magazine 2025 Autumn号掲載]

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