IBMは10月10日、米国のAIスタートアップ企業で大規模言語モデル(LLM)「Claude」(クロード)を開発しているAnthropic(アンソロピック)社と戦略的パートナーシップ契約を締結した、と発表した。
Anthropicは、OpenAI社の研究担当副社長ら7名によって2021年に設立されたスタートアップ企業で、2023年に大規模言語モデル(LLM)「Claude1」を発表し、以降、機能拡張を続けている。2023年にAmazon Web Services(AWS)が12億5000万ドル(2024年に40億ドル)を投資したの続いて、Googleが5億ドルを出資した。
この提携により、IBMでは今後エンタープライズ向けAIの開発を加速していくとともに、ClaudeをIBMの一部のソフトウェア製品に統合していく計画。まずは「エンタープライズ向けのソフトウェア開発ライフサイクル(SDLC)向けに、高度なタスク生成機能を備えたAIファーストの開発者ツールシステム(IDE)への実装」を予定しているという。
この「AIファーストの開発者ツールシステム(IDE)」は、IBMが10月7日に発表したコードアシスタント製品「Project Bob」のことで、Claudeは、Project Bobの中軸のLLMとして採用されている。Project Bobが利用するLLMにはこのほか、IBMのGranite、Meta社のLlama、Mistral AI社のMistralがある。
その“AIファーストの開発者ツールシステム”は非公開のプレビュー版として、IBMの一部の顧客に提供中のこと。またIBMの社員6000人以上が初期テストで利用したところ、平均45%の生産性向上が確認できたという。「コード品質とセキュリティ標準を維持しながら、実質的なコスト削減につながっている」と、IBMは評価している。
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