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請求書や納品書の仕分け作業を手動から自動へ、電子取引を他社と進める本格的な基盤を整備

本社:愛知県名古屋市
設立:1980年
資本金:3000万円
従業員数:30名
事業内容:複合機の販売および保守サービス、コンピュータ、ソフトウェアなどの販売・保守サービス、ビジネスサポート事業
https://www.konicaminolta-bsai.jp/

仕分けツール「UT/400-SPA」と
ファイル転送ツール「UT/400 Auto File Transfer」導入 

コニカミノルタビジネスサポート愛知は、愛知県名古屋市内と尾張地区を主な商圏とするコニカミノルタ製の複合機の販売・保守サポート事業とビジネスサポート事業を展開する会社である。

弊誌i Magazineでは2012年に同社のシステム化の取り組みをレポートしたが、それから現在までの13年間のビジネス環境の変化について、取締役の齊木信行氏は次のように話す。

「最も大きな変化はテレワークの普及で、紙を不要とするオフィスワークが広く浸透しました。ペーパーレス化の動きはそれ以前からありましたが、新型コロナの蔓延によって拍車がかかり、主軸の複合機の販売と保守サポート事業以外の商材の販売やサポートへの注力を余儀なくされました」

同社は現在「オフィスのことなら何でも」を合言葉に、PC1台の調達からテレワーク支援、システム化・クラウド化支援、空調設備や什器・備品に至るまで顧客のあらゆるニーズに応えるビジネスに力を入れている。複合機ビジネス(販売・サポート)の売上比率は70%から50%へと低下したが、「それ以外のビジネスサポート事業は順調に伸びています」と、齊木氏は語る。

齊木 信行 

取締役
経営企画室長

同社が選択した解決策は、販売管理システム(RPGプログラム)をインボイス対応に改修することのほかに一部の追加改修と、アイエステクノポートのスプール仕分け・運用ツール「UT/400-SPA」とファイル転送ツール「UT/400 Auto File Transfer」を導入して請求書・納品書の発行・仕分け・発送・保管の作業を大幅に効率化することだった。

「従来は、発生した請求書・納品書などをすべて印刷し、それをお客様や取引先ごとに仕分けて、さらに送付が必要なものを選別して送付していました。また、毎月、長期保存用として印刷した請求書をスキャンして閲覧しやすいように専用ソフトを介してデータ(PDF)を保管していました。これらの手作業が結構な負担になっていました」(齊木氏)

スプールデータから
顧客ごとのフォルダを自動生成  

導入した新しいシステムでは、IBM i上のスプールデータをUT/400-SPAを使って「印刷用」「メール用」「保管用」にそれぞれ仕分け、さらにUT/400-iPDCで帳票PDFに変換し、UT/400 Auto File TransferでWindows Server上の各フォルダに転送するという仕組みを構築した。これによって手作業を軽減し、時間、労力を大幅に削減することができた。

「電子保管はスプールデータの取引先コードや取引先名から自動で顧客ごとのフォルダを生成し、PDF(請求書)は日付も加えてリネームをしてそのフォルダに納まる仕組みを作ったので、作業自体がなくなり専用ソフトも不要になりました。また紙の帳票をスキャンして保管するのと比べて、スプールデータから生成する帳票PDFは検索性も高まり、容量が小さくて済み、リソースの削減も実現できました。ほかにも送付不要の帳票をまとめる仕組みを作ったことも含めて、用紙や印刷コストの削減にもつながっています」と齊木氏は評価し、「導入効果は絶大でした」と振り返る。 同社は今回の改修によって、自社のデジタル化と顧客・取引先との電子取引を本格的に進める基盤を整備できたと考えている。

「当社は、お客様に提案・販売するものは自社で使い効果を確かめたうえで自信をもってお勧めできる商材のみを扱うこととしています。今後、自社のDXを進める中で得られる知見や技術は、ビジネスサポート事業を拡大していく大きなヒントになると考えています。2023年9月の導入から1年8カ月が経ちますが、お客様のDXに携わっていける機会を増やしていくことを目指しています」(齊木氏)

[i Magazine 2025 Summer掲載]

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