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日本型DXはAI変革と同時進行で起きている ~CDO Club Japanが「日本企業における最高AI責任者の設置状況とAI導入・活用の実態把握」調査の結果を発表

一般社団法人CDO Club Japanは11月27日、「日本企業における最高AI責任者の設置状況とAI導入・活用の実態把握」調査の結果を発表した。

一般社団法人CDO Club Japanは、最高デジタル・データ責任者(CDO)に関する情報交換を行う世界初の経営者コミュニティ「CDO Club」の日本側窓口として2017年5月に活動を開始し、経営陣同士の交流会やCDOサミットの開催などCDOに関する啓蒙活動を行っている団体。

今回の調査は、CDO Club Japan会員と上場企業のDX担当部署を対象に2025年8月~2025年10月に、個別インタビューとアンケート調査票の送付により実施されたもので、有効回答数は167件。

調査レポートによると「欧米では最高AI責任者(CAIO)の設置が拡大している」が、日本では専任のCAIOを設置している企業は4%にとどまり、最高デジタル・データ責任者(CDO)がAIに関する主たる責任をもっていることが明らかになったという。「日本ではDX主導組織の延長でAIを扱っている構造がみられました」と、日本独自の特徴を指摘している。

また、AIをどのように位置づけているかを尋ねた設問では、「DX戦略の一部としてAIを扱う」と66.6%が最も多く、AIは「変革の中核のドライバー」として、その責任体制・統制・投資判断は「DX体制にゆだねられている現状が明らかになりました」という。

今回の調査結果から、日本企業の経営層は「AIの活用を極めて重視している」ことが明らかになった。「非常に重視している」(約41%)と「ある程度重視している」(約49%)を合計すると約90%。そしてAI責任者の約71%が「経営トップ」に直接レポートする体制を取っていることがわかった。

「これは、AIへの取り組みが単なる一部門の技術マターではなく、全社的な経営マターとして位置づけられていることの表れであり、経営変革として成功させるかどうかの成否は『経営トップの本気度』に大きく左右される構図がより鮮明になりました」。

また、AIの責任者に求められる領域は「広範囲に拡大している」という。今回の調査では、図表にような多岐にわたる項目が挙げられた。回答数の多いのは、以下の項目。

・AI戦略策定
・全社のデータ活用とガバナンス
・部門を横断したAI活用の推進
・AI活用のリスク管理

これらは本来、CAIOが統括する領域だが、「日本ではCDOが実質的に代行している状態」であるため、「日本型DXはAI変革と同時進行で起こっている」実態が明らかになった。

今後のAI活用を加速させるための最大ボトルネックは、データ整備(品質・統合・ガバナンス)とAI人材の不足」が大半を占める結果となった。特にデータ基盤の未整備は、「生成AI・AIエージェントの効果を限定し、AI投資のROIを押し下げる構造的要因となっている」と指摘している。

調査レポートでは、まとめとして、以下のように述べている。

「今回の調査で、日本企業では既に“CDO兼CAIO”という独自モデルが広く存在していることがわかりました。(中略)しかし、AIに関する技術の進化は早く、その影響範囲もかなり広範囲になってきているため、AI推進・統制における“空白”が生じやすいことも懸念されます。

また、経営トップの理解とコミットメントがなければAI活用は進まない実態も明らかになっているため、今後は、CDOが正式にCAIO機能を担えるよう、役割・権限・ガバナンスを再設計することとともに、CDOとCEOの連携が鍵となります」

一般社団法人CDO Club Japan
https://cdoclub.jp/

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