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Power Virtual ServerでハイブリッドクラウドとAIの導入を拡大し、競争優位性を強化する ~米IBMのブログから

米IBMは3月19日、IBM Powerのドリス・コンティ氏(IBM Power、aaS Product Management、Vice President)による、ハイブリッドクラウドとAIの導入を拡大するPower Virtual Serverの優位性に関するブログを公開した。以下に一部を紹介する。

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ここ数年、ハイブリッド環境が業界を問わずITインフラ・アーキテクチャの主流となっている。

IBMの調査「Build a more intentional hybrid cloud: The key to continuous innovation」によると、ITインフラストラクチャに意図的にハイブリッド設計のアプローチを採用しているユーザーは、そうでないユーザーと比較して、DXの取り組みにおいて5年間で最大3倍のROIを実現できると予測している。

このアプローチでは、企業は回復力、パフォーマンス、セキュリティ、コンプライアンスのニーズを最優先し、望ましいビジネス成果を念頭に置いてワークロードの配置を決定する。

ハイブリッドクラウドの設計戦略は、今日のAI導入の速度とペースを考えると、特に重要である。最近のIBM Institute for Business Valueの調査によると、CEOの75%が、最も先進的な生成AIを備える企業が最大の競争優位性を発揮すると考えていることが明らかになった。

AIに関連するデータの処理が、多大なビジネス・イノベーションに貢献することは間違いないが、それにはデータの保管場所、コンピューティング容量、セキュリティとコンプライアンスなどを、戦略的に考慮する必要がある。。

IBM PowerはAIと先進的なワークロードのために設計されており、企業はPower System上の重要データやトランザクションに対してAIアルゴリズムを推論し、展開できる。

より具体的には、IBM Power Virtual Server(以下、PVS)は、AIを含むミッション・クリティカルなワークロードを実行するための柔軟でスケーラブル、かつセキュアなプラットフォームを提供し、オンプレミス環境をクラウドに拡張することで、企業を支援する。

同時に、顧客は高い俊敏性を備えながら、よりシンプルな操作で、より強力なビジネスの成果を得たいと考えている。これには、迅速な立ち上げ、インフラ管理に費やす時間の短縮、利用した分だけ支払う料金体系などが含まれる。

サービスとしての柔軟性を提供することで、オンプレミスからクラウドへのスムーズなワークロード移行とモダナイゼーションを支援している。

これが可能なのは、IBM PowerとIBM Cloudのアーキテクチャが同等であるためで、革新的なAIやハイブリッドクラウド・テクノロジーを採用しながら、ユーザーが成長していけるように支援している。

PVSは、ミッション・クリティカルなアプリケーションを実行するために設計されたPowerアーキテクチャ上の仮想マシンをサービスとして提供している。オンプレミスとクラウドで同じアーキテクチャを採用しているので、ワークロードを他のクラウドに移行するためにプラットフォームを再構築する必要はない。

IBM Cloud 上で提供する PVSは、ユーザー・エクスペリエンスや機能の強化、インフラ自体の拡張など、ユーザーがビジネスの成果に集中できるよう、改善を続けている。

PVSへのスムーズな移行 

PVSに特徴的な容易な操作性やユーザー・エクスペリエンスは、ユーザーが使い勝手を向上させ、コストを削減し、リスクを最小限に抑えることを目的としている。

Backup-aaS

Power AIXおよびLinux上で稼働するOracle、SAP、およびDb2のワークロードに対して、エンタープライズクラスのデータ保護と回復力を提供するインテリジェントな自動化により、反復的で複雑なバックアップ管理を置き換えられる。

Cobalt Iron CompassとIBM Storage Spectrum Protectを搭載したPVSのユーザーは、この完全に管理され、自動化されたサービスを活用して、管理時間を最適化し、データを保護できる。このサービスは、「Secure Automated Backup with Cobalt Iron Compass」と呼ばれ、4月にIBM Cloudで提供される予定である。

災害復旧

事業継続性は、ミッション・クリティカルなシステムを実行する企業にとって最も重要な課題であり、その回復力は、企業が災害からいかに迅速に回復できるか(RTO)、そして災害後にどれだけ多くのデータを回復できるか(RPO)にかかっている。

災害(Disaster)にはハードウェアやソフトウェアの障害から、火災、暴風雨、地震といった壊滅的な自然災害まであり、いずれの場合も信頼性が高く、安全な災害復旧ソリューションが不可欠となる。

PVS は現在、20拠点あるデータセンターのうち16拠点で、グローバル・レプリケーション・サービス(GRS)を利用して、クラウド間ワークロードの事業継続が可能であり、レプリケーション対応ボリュームのセットアップと管理を実行する自動化サービス(GRSを利用して構築)を提供している。

これらが利用可能であれば、いわゆる「ディザスタ・リカバリー・オーケストレーション」(災害復旧に関する一連の操作)は、復旧プロセスの設定に関わる15以上の複雑な手動設定ステップからユーザーを解放し、シンプルでシングルクリックのDIYプロセスとなる。

クラウドのセキュリティとコンプライアンス

IBM Cloud は、組み込みのセキュリティとコンプライアンス・コントロールにより、さまざまな業種の企業・組織がサイバーセキュリティと規制に関する要件に対処できるよう支援することを目的としており、同時に安全な環境でクラウドの利点と柔軟性を提供する。

IBMのエンタープライズ・クラウド・プラットフォームには、革新的で信頼性のあるコンピューティング機能と、「KYOK(Keep Your Own Key)」のコンセプトに沿った暗号化が含まれている。これらの機能により、ユーザーだけがキーにアクセスできる。つまり、データはユーザーだけが参照でき、ほかの誰も(IBMでさえも)アクセスできない。

マイグレーション

IBM AIXおよびIBM i向けに、ステップ・バイ・ステップで自動化されたマイグレーション作業により、ワークロードを迅速に移行できるように設計されている。

最大10TBのような大規模なワークロードの場合、高速ネットワークとIBM Asperaでデータ転送を高速化するか、もしくはデータ転送にアプライアンスベースのモデルを利用できる。このソリューションは、両方のオプションに対応している。

SAPの導入

PVSへの SAP のインストールプロセスを合理化するアーキテクチャを実装しているので、インストール時間を短縮できる。

ネットワーク

ネットワーク構成を簡素化するため、Power Edge Router (PER) を実装し、IBM Cloudと共通化したシームレスなユーザー・エクスペリエンスを提供している。また、Terraform および IBM Cloud Schematics と互換性のある自動化テンプレート群を提供し、PVSワークスペースへの IBM Cloud VPN 接続の導入を簡素化し、工数を削減している。

PVS 上の Red Hat Open Shift でモダナイゼーション

ユーザーは、PVS 上に Red Hat OpenShift をデプロイすることで、モダナイゼーションの旅をさらに先へ進めることができる。Installer Provisioned Infrastructure (IPI) は、Power 上で Red Hat OpenShift 区画をプロビジョニングするための導入作業を簡素化し、自動化するように設計されている。

Red Hat OpenShift 4.14 のリリースに伴い、PVS 向け IPI の技術プレビューがユーザーとビジネスパートナー向けに提供されている。

 

今年初め、PVS は検証済みのレビューと評価を提供することで、テクノロジー・バイヤーが製品について十分な情報に基づいた意思決定を行えるよう支援するサイト「TrustRadius」から、Infrastructure-as-a-Service 部門で「Most Loved Award」を受賞した。

PVSは、パフォーマンスとスケーラビリティを促進し、企業がさらにモダナイズされたIT路線を進めるように支援するというIBMのコミットメントを物語っている。

 

オリジナルの記事はこちらから

 

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