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IBMの3Q決算、前年同期比約0.3%増、Kyndryl分を除くと2%増、コンサルティングとストレージが2ケタ成長 ~各セグメントの業績ハイライトを詳しく紹介

IBM  四半期決算 (2012年1Q~2021年3Q)
IBM 四半期決算 (2012年1Q~2021年3Q)

 

IBMは10月20日(現地時間)、2021年第3四半期決算を発表した。総売上高は176億ドルで前年同期比0.3%増(為替調整後0.2%減)。11月3日に分社するKyndryl分を除くと2%増だった。

今期の結果について会長兼CEOのアービンド・クリシュナ氏は、決算説明会で次のように語った。

「当四半期は、緩やかな増収と堅調なフリー・キャッシュ・フローを達成し、主要な成長分野であるソフトウェアとコンサルティングにおいても具体的な進展がありました。その一方で、ほかの分野では期待を下回る結果となりました。システム分野ではz15のライフサイクルが終了に近づき低調な結果で、グローバル・テクノロジー・サービス分野ではKyndryl社の分離を前に一時的にビジネスにブレーキがかかりました」

セグメント別の業績は、以下のとおり(%は前年同期比)。

 

クラウド&コグニティブ・ソフトウェア:売上高57億ドル(2%増)

個別分野では、クラウド&データプラットフォームの売上が9%増加したのに対し、コグニティブ・アプリケーションは1%減、トランザクション・プロセッシング・プラットフォームは9%減少した。

ハイライト

・当四半期の売上増に貢献したのは、Red Hat、セキュリティ、自動化の3分野。

・Red Hatは、インフラストラクチャ、アプリケーション開発、新技術の各分野で2ケタ成長した。OpenShiftの経常収益は40%以上の増加を達成。

・自動化分野では、Cloud Pak for Integration、Cloud Pak for Business Automationなどに加え、最近買収したInstanaとTurbonomicが好調に推移した。

・データおよびAI関連の収益は小幅に減少した。

・Cloud Pak for Data、Weather、Maximoは好調だったが、オンプレミスのDataOpsとサプライチェーン関連は、昨年(2020年)第3四半期の好調さを受けて減少した。

・セキュリティは、脅威管理ソフトウェアとサービスを中心に引き続き増加した。

分野別業績

・クラウド&データ・プラットフォーム:30億ドル(9%増)
・コグニティブ・アプリケーション:13億ドル(1%減)
・トランザクション・プロセッシング・プラットフォーム:13億ドル(9%減)

 

グローバル・ビジネス・サービス(GBS):売上高44億ドル(11%増)

対前年同期11%増はクラウドが牽引した。コンサルティング、アプリケーションマネジメント、グローバルプロセスサービスのいずれのセグメントも好調だった。

ハイライト

・GBSの収益成長はクラウド製品が牽引した。GBSのクラウド収益は、過去1年間で70億ドル(27%増)。この好業績は、Red Hat、Microsoft(Azure)、AWSへの継続的な投資を反映している。IBM全体のクラウド収益は80億ドルを超え、28%増。

・当四半期に獲得したRed Hatの顧客は180件以上。買収以降のRed Hat関連の契約総額は約35億ドルに達した。

分野別業績

・コンサルティング:23億ドル(16%増)
・アプリケーションマネジメント:18億ドル(5%増)
・グローバルプロセスサービス:3億ドル(19%増)

 

 

システム:売上高11億ドル(12%減)

Z・Powerとも製品ライフサイクルの谷間にあたり、ハードウェアおよび関連OSは大きく減少したが、ストレージの売上増が全体の減少を緩和した。

ハイライト

・IBM Zは対前年同期比33%減。ただし、現行z15は製品リリース以来、前世代z14の業績を継続的に上回っている。

・Powerの収益も減少した。9月にハイエンドのIBM Power E1080が発表され、次世代のPower 10の展開を開始した。いつものように、新しいPowerテクノロジーは時間をかけて導入される見通し。Power10のミッドレンジおよびローエンド機は2022年中に発売される予定。

・ストレージは、テープ製品に対するハイパースケール企業からの需要と、今年初めにリリースしたエントリーレベルのオールフラッシュストレージ製品の成長により、売上が11%増加した。

分野別業績

・システム・ハードウェア:8億ドル(14%減)
 -IBM Z:33%減
 -Power Systems:25%減
 -ストレージ:11%増
・オペレーティング・システム・ソフトウェア:3億ドル(8%減)

 

 

グローバル・テクノロジー・サービス:売上高62億ドル(5%減)

当四半期は、分社化が間近に迫っていたため、顧客が新規プロジェクト活動を一時停止したため、収益が減少した。

分野別業績

・インフラストラクチャー&クラウド・サービス:47億ドル(6%減)
・テクノロジー・サポート・サービス:15億ドル(5%減)

 

地域別

・南北アメリカ:89億ドル(1%増)
・EMEA(欧州・中東・アフリカ):61億ドル(1%増)
・アジア太平洋:38億ドル(1%減)

 

IBM 2021年3Q決算ニュースリリース

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