IBMは4月2日(米国時間)、Arm社との戦略的協業を発表した。将来のAIおよびデータ集約型ワークロードを、より高い柔軟性、信頼性、セキュリティのもとで実行可能とする新たなデュアル・アーキテクチャ・ハードウェアの開発を目指すとしている。
Arm社は、RISC型プロセッサの設計などを行う英国企業で(2016年以降はソフトバンクグループの傘下にある)、2026年3月には同社初の独自CPUである「AGI CPU」を発表した。AGIはAgentic General Infrastructure(エージェント型汎用インフラ)の略で、このCPUは自律的に動くAIエージェントの計算処理に特化し、AIデータセンター市場をターゲットにしている。
一方のIBMは、AIを実験段階から日常的なエンタープライズ利用へと進化させることを目的に設計されたTelum IIプロセッサやSpyreアクセラレーターなどのハードウェア・プラットフォームへの投資を継続している。
今回の協業を通じて、IBMとArm社は、信頼性、セキュリティ、拡張性におけるIBMのエンタープライズ・システムのリーダーシップと、電力効率に優れたアーキテクチャ、ワークロード有効化に関する専門知識、そして広範なソフトウェア・エコシステムにおけるArm社の強みを融合させる。これにより、ArmベースのソフトウェアをIBMのメインフレーム「IBM Z」や「LinuxONE」で実行させることが可能になるとしている。
今回の協業は、主に3つの重点分野に焦点を当てている。
1つ目は、Armベースのソフトウェア環境をIBMのエンタープライズ・コンピューティング・プラットフォーム上で動作できるようにする仮想化技術の拡張について検討していること。この取り組みは、ソフトウェア互換性を拡大するとともに、開発者や企業がArmアプリケーションをミッション・クリティカルな環境に導入するプロセスをさらに簡素化することを目的としている。
2つ目は、AIやデータ集約型アプリケーションを含む最新のワークロードが求める性能および効率性に対応するための新たな手法を検討していること。この取り組みには、エンタープライズ・システムがArmアプリケーションを認識・実行できるようにすることも含まれており、Armベースの環境が企業に求められる信頼性、セキュリティ、運用要件と整合することを目指している。
3つ目は、この協業が長期的なエコシステムの成長を重視していること。IBMとArm社は、プラットフォーム間で共通技術基盤を構築することで、より広範なソフトウェア・エコシステムへの道を開き、アプリケーションの展開および管理における柔軟性を高めることを目指す。このアプローチにより、企業は既存の投資を継続的に活用しながら、新たなアプリケーションやアーキテクチャを採用するための選択肢を広げることが可能になる。
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