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IBM Bobで50%の工数削減、AI活用について発見と教訓 ~IBM Bobベータテストユーザーが“体験”を語る。米国の「IBM Bob お披露目ウェビナー」で

3月24日のIBM Bobの出荷にあわせて、米国ではIBM Bobのベータテスト・プログラムに参加したIBM iユーザーをゲストに迎えて、IBM Bobを利用した理由や経験、成果、教訓などの話を聞くWebセミナーが開催された。

登場したのは、米国の医療ソフトウェアを開発・販売するプロバイダー「MEDHOST」社のテクノロジー担当シニア・バイスプレジデント、マイケル・ボーエン氏。聞き手は、IBMでIBM i CTO/チーフアーキテクトを務めるスティーブ・ウィル氏。

セミナー名:IBM iを確信をもってモダナイズ:MEDHOST社はIBM Bobを活用してどのようにアプリケーション開発を加速したか
開催:日本時間3月25日 22:00~23:00

MEDHOST社は、米国の医療機関向けにEHR(電子健康記録)ソリューションを提供するプロバイダー。40年以上の歴史をもつ企業で、IBM iを積極的に活用する企業としても知られているという。マイケル・ボーエン氏はそのテクノロジー担当のシニア・バイスプレジデントで、組織の将来の技術および製品戦略を策定する責任者である。

対話形式で行われたセミナーの概要は、以下のとおり。

ウィル MEDHOST社では、IBMIアプリケーションのモダナイゼーションに関してどのような課題に直面していたのですか。

ボーエン 私たちは長年にわたり、RPGを使って重要かつ価値のあるビジネスロジックを開発し蓄積してきました。そして、そのプログラムの近代化や重要な機能強化については、古いRPGの制約により、次第に時間がかかるようになっていました。その結果、ソリューションを迅速に提供できる能力に影響が出始め、さらに、以前のバージョンのRPGについては、それを扱えるエンジニアが限られるという問題が生じ始めていました。

ウィル そうした中で、なぜIBM Bobを検討することになったのでしょうか。

ボーエン 私たちはIBMのコーディング面でイノベーションをさらに強化する必要に迫られていました。そして2025年はさまざまなAI技術を試し検討する時期としたのです。実際に数多くのAI技術をテストし、多くの学びも得ていました。

その学びの1つは、IBM iおよびRPGの領域において、十分な知能を備えた優れたAIツールを見つけるのはとても大変ということでした。

そうした中でIBM Bobに出会ったのですが、その検証では、主に2つの目標を掲げていました。1つは、IBM i Bobが私たちにとって適切なツールであるか、つまり当社のシステム環境にとって有効なソリューションとなり得るAI技術であるか。そしてもう1つは、有効なソリューションであれば、正式版のリリースに備えて可能な限り準備を整えることでした。

ウィル 実際、IBM Bobはどうでしたか。御社はAI技術を活用するポイントとして、既存のRPGアプリケーションの把握を挙げていましたね。

ボーエン はい。ソフトウェア開発において、最も時間を要する作業の1つは、エンジニアが特定のプログラムが何をしているかを理解すること、特に大規模な統合ソリューション全体でどこで使用され、どのように使用されているかを把握することです。その点で、IBM Bobは大きな成果を上げています。ベータテスト中の実験段階において、この作業ははるかに効率的になりました。

私たちが注目したのは、IBM Bobと、手元にある相互参照データや相互参照インテリジェンスを組み合わせることによって、影響分析を本当に迅速に行えるようになったことです。つまり、どのプログラムが何を呼び出し、データがどこへ流れるか、プログラム変更によるあらゆる影響を迅速に理解できたのです。

ウィル IBM Bobは、開発者の生産性や効率性にどのような影響を与えていますか。

ボーエン  IBM Bobによるコード支援がまったくない場合とある場合を比較すると、特定のプロジェクトでは最大50%の削減効果が確認できました。これは非常に大きな効果です。

ウィル 多くのIBM iユーザーと共有できるようなユースケースはありますか。

ボーエン たとえばデータベースのフィールドを拡張する場合、IBM BobのようなAIツールを使わずに手動で作業を行うと、非常に手間がかかります。そこで私たちが行ったのは、古いバージョンのRPGをフリーフォームに変換し、さらにデータアクセスをSQLやデータアクセスオブジェクトに変換することでした。 そうすると、その段階ではデータベーステーブルを変換するだけで済むため、手作業の負担は大幅に軽減されます。これは、IBM Bobを活用するよい例だろうと思います。

もう1つは、私がAIの信者となるきっかけでしたが、分析を通じてプログラムを最適化できたことでした。

特に複雑なSQL文の場合、それまでは十分に最適化できないことがありました。そこで、私たちはIBM Bobに「ここはどうすればいい?」と尋ねたのです。すると、IBM Bobはそれらの複雑なSQL文を、はるかに効率的な単一の文に最適化できたのです。

そして、この件で特に重要だったのは、結果セットが同じになるという点でした。複雑なSQL文を扱う際、パフォーマンスと同様に、結果セットが同一であることが鍵となります。IBM Bobはこのことでも非常に説得力がありました。

ウィル IBM Bobを使用して、どのような教訓を得ましたか。

ボーエン 1つは、明確な指示やドキュメントの重要性です。たとえば、データベーステーブルを適切に文書化しておくことによって、AIが構造やフィールド定義、その用途を正しく理解できるようになります。 これまでの私たちの取り組みや実験から、AIは明確に定義されたデータモデルや、適切なコメントが付けられたコードと組み合わせて使用した際に最も効果的であることがわかっています。

もう1つの重要な学びは、反復的なアプローチです。これは目新しい観点ではないでしょうが、タスクを小さな単位に分割し、段階的に近代化を図ることが、大きな範囲を一度に処理するよりもはるかに効果的ということです。そのことを、私たちはIBM Bobの検証で確信しました。

そしてさらに私たちが発見したのは、AIツールと社内のリソースに関する熟練者や専門家との連携こそが大きな成果を生むということです。つまり、IBM Bobと私たちのリソースとのコラボレーションが重要なことに気づきました。

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