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日本IBMが「IBM Bob リリース記念:IBM i新時代を切り開く “IBM Bob”お披露目ウェビナー」を開催 ~クラウド版の利用料金を発表

IBM Bobが3月24日(米国時間)に全世界で出荷された。日本IBMはこれに併せて、3月25日(水)16:00~17:00に「IBM Bob リリース記念:IBM i新時代を切り開く “IBM Bob”お披露目ウェビナー」と題したWebセミナーを開催した。

IBM Bobは、コード生成などシステム開発業務に特化している。Plan(計画と設計)、Code(コードの作成と変更)、Ask(情報と説明の入手)、Advanced(複雑な開発タスク)、Orchestrator(複雑なタスクを適切にモード調整しタスクを実行する)の各モードを装備し、ソースリポジトリーや仕様書の理解、要件確認、設計、仕様書生成、コード生成・修正、コードレビュー、最適化、テスト、本番化などを幅広く支援する(図表1図表2)。

図表1 ソフトウェア開発ライフサイクル全体のAIパートナー(出典:日本IBM)
図表2 IBM Bobの特徴:マルチモーダル動作(出典:日本IBM)

IBM iの世界でよく利用されるRPG、COBOL、CL、SQL、DDSなどをはじめ、JavaやPython、JavaScript、TypeScript、Node.js、Bash、PHPなど多彩な言語に対応している。

コード生成AIはあらゆる開発領域で注目されているが、とくにIBM iの世界では、モダナイゼーションの必要性やひっ迫する人材不足などの課題に向けた救世主として注目度が高い。

3月25日に開催された「IBM Bob リリース記念:IBM i新時代を切り開く “IBM Bob” お披露目ウェビナー」は完全オンラインセミナーであったが、参加者はピーク時で650名を超える(日本IBMの関係者を含む)など、その注目度の高さが伺える。

内容はIBM Bobの概要に始まり、多数のデモで構成されていた。実施されたデモは、以下のとおりである。

<ターゲットユーザー別のデモ>
◎経営層を支援する(IBM iで稼働している販売管理システムのソースファイルを分析して、経営者向けのモダナイゼーション計画を提案する)
◎ベテラン技術者を支援する(新人の開発者向けにIBM iシステム上で稼働している販売管理システムの概要の説明資料を作成する)
◎若手技術者を支援する(これからILE RPGを学習するに際して、簡単な対話式プログラムを作成できるようになるまでの学習プランを作成する)

<開発シーン別のデモ>
◎改修開発(ファイルカラムの桁数拡張に関する影響度分析と修正後のソース作成、元のソースメンバーとは異なる名前で保存する、など)
◎新規開発(受注明細ファイルを更新するバッチプログラムをRPG Ⅲで作成する)
◎モダナイゼーション開発(RPG ⅢのソースコードをフリーフォーマットRPGへ変換する)
◎リファクタリング(RPGの複数プログラムに存在する共通記述をサービスプログラム化する)
◎運用の自動化(MCPサーバー経由でシステム情報を取得しシステムレポートを作成する)
◎IBM iとAIの連携(AIが基幹システムのDBと製品マニュアルの情報を組み合わせて回答する。この場合はAIエージェントが、顧客が購入した製品と購入日をDb2 for iから、パーツ交換の手順をPDFの製品マニュアルからそれぞれ照会して回答する。AIエージェントとしてはwatsonx Orchestrareを使用)

上記ではいずれも、我々が日常的に使用する言葉でIBM Bobに指示を与え、短時間で実行し、結果を出す様子がデモで紹介された。

またこのセミナーでは初めて、クラウド版である「IBM Bob Enterprise SaaS」の価格も発表された(図表3)。

図表3 IBM Bob Enterprise SaaSの価格例(出典:日本IBM)

それによれば、ユーザー数を5名とした場合、5名分のユーザー料金の1年間の合計は19万1220円(3187円×5ユーザー分×12カ月)。年間のプール型利用枠の数量は1000 Bobcoinで年額7万9692円。両者の合計は27万912円となる(基本サポートのみの場合。手厚いサポートを求める場合は約15%に相当する額を追加する)。1年間、5名で使用した場合のIBM Bobの最低利用料金は27万912円となる。

ちなみに生成AIは、トークン単位で課金する。トークンはいわば、生成AIの使用料に相当する。1ユーザーあたりの年間のBobcoin換算では、200Bobcoinは40万トークンに相当する(Bobcoinは追加購入が可能)。

使用するトークンの消費を最小化するには、あらかじめ「X-Analysis」や「Trinity」のような見える化ツールを利用して全体を把握し、対象プログラムを最適化した状態にして(使用していないプログラムを除外する、など)IBM Bobを使用するよう、日本IBMでは推奨している。

ただし上記の価格には、「IBM iプレミアムパッケージ」の料金は含まれていない。IBM iプレミアムパッケージとは、2026年4~6月期に発売が予定されている「IBM i開発エクスペリエンス」のこと。IBM BobからIBM iへの直接接続、Copy句やモジュールの関連性、プログラム間の関係性の自動把握、単一の統合インターフェースからの読み取り、書き込み、コンパイル、テストなどが可能になる。

IBM Bob+IBM iで、いわば1つのツール、1つの統合されたエクスペリエンスとして利用できる。IBM iプレミアムパッケージがなくてもIBM Bobは利用できるが、IBM iプレミアムパッケージを使用したほうが開発の生産性・効率性は格段に向上できるという。

なお今回の発表はクラウド版であるが、IBMでは今年9月をめどにオンプレミス版の提供も開始するとしている。

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