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特集 IBM i Project ExplorerとBobを使用したRPG開発 <Part6>Gitによるバージョン管理の例

開発者固有の設定を.envファイルへ移動

現在のプロジェクト内の設定ファイルには、データベース・ファイルのコンパイル先ライブラリーとして”SATOHBOBD”、それ以外のオブジェクトのコンパイル先ライブラリーとして”SATOHBOBO”が直接記述されている。

しかし、これらは開発者ごとに異なることが想定されるため、Gitによるバージョン管理を行う前に、これらの値を.envファイルに移動し、Gitで共有されないようにする。

今回は、設定ファイル内のデータベース・ファイルのコンパイル先ライブラリーを&dataLibrary、それ以外のオブジェクトのコンパイル先ライブラリーを&objectLibraryという環境変数に置き換える。

図表1 iproj.json内の値を変数に置換
図表2 QCLSRCディレクトリーの.ibmi.json内の値を変数に置換
図表3 QDDSSRCディレクトリーの.ibmi.json内の値を変数に置換
図表4 QDSPSRCディレクトリーの.ibmi.json内の値を変数に置換
図表5 QPRTSRCディレクトリーの.ibmi.json内の値を変数に置換
図表6 QRPGLESRCディレクトリーの.ibmi.json内の値を変数に置換
図表7 QRPGSRCディレクトリーの.ibmi.json内の値を変数に置換

その後、Project Explorerを確認すると、「Variables」見出しの色が赤に変わり、その右側に2という数字が表示されている。これは、未解決の変数が2つあることを示している。

図表8 プロジェクト・エクスプローラーのVariablesの変化

「Variables」見出しを展開し、まず変数dataLibraryの「Edit Variable」アクションを実行する。

図表9 変数dataLibraryの値の編集アクション

データベース・ライブラリー名である「SATOHBOBD」を入力して、Enterを押下する。

図表10 変数dataLibraryの値の入力

変数dataLibraryの横に設定した値が表示される。「Variables」見出しの未解決の変数の数も1に変わる。

図表11 設定した変数dataLibraryの値が表示される

同様に、変数objectLibraryの値に「SATOHBOBO」を設定する。未解決の変数がなくなったことで、「Variables」見出しの表示も通常の色に戻った。

図表12 すべての変数の値が解決された状態

設定した変数の値は、.envファイルに自動的に追記されている。

図表13 .envファイル内に追記された変数の値

Gitリポジトリの作成 

VSCodeでのGitの操作についてはWeb上に多くの情報があるので、詳細はそれらを参照されたい。ここでは流れを簡単に説明する。プロジェクトにGitリポジトリを追加するには、左アクティビティ・バーで「ソース管理」を選択し、「リポジトリを初期化する」をクリックする。

図表14 Gitリポジトリの追加

サイド・バーの「変更」にプロジェクト内のすべてのディレクトリーとファイル(.gitignoreで除外されているものは除く)がリストアップされる。初回コミットを行うために、「すべての変更をステージ」をクリックする。

図表15 すべての変更をステージ

コミット・メッセージを入力し、コミットをクリックする。

図表16 初回コミット

これで、リポジトリをGitHubやBacklogなどのリモート・リポジトリにプッシュすれば、他の開発者と共有できる。リモート・リポジトリの設定およびプッシュ操作については割愛する。

Gitリポジトリのクローン 

別の開発者が上記リポジトリをクローンした後、Project Explorerでプロジェクトを開くと、次のように表示される。

図表17 クローンした直後のプロジェクト

最初にProject Explorerの「Variables」見出しの「Create .env」アクションを実行し、.envファイルを作成する。

図表18 .envの作成アクション

プロジェクトのルート・ディレクトリーに.envファイルが作成され、「Variables」見出しには未解決の変数がリストアップされるので、適切な値を入力する。

図表19 未解決の変数

以後は、IBM iに接続して開発を行える。

 

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Better Object BuilderもしくはBobは、2025年10月にリリースされたIBM Project Bobとの混同・混乱を避けるため、2025年12月に「TOBi」(The Object Builder for IBM i)へと名称が変更されました。ただしここでの記事は従来どおり、Bobと明記していることをご了承ください。

著者
佐藤 尚氏

ソリューション・ラボ・ジャパン株式会社
第1サービス事業部 第3サービス部 第1グループ

AS/400ユーザーの情報システム部門を経て、2006年にソリューション・ラボ・横浜(現ソリューション・ラボ・ジャパン)に入社。主にIBM iを中心に他のプラットフォームとの連携を行うシステムの設計・開発を行う。近年はシステム開発の傍ら、IBM i技術者向け研修サービスの講師を担当している。

 

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