
IBMは7月23日(米国時間)、2025年度第2四半期の決算を発表した。
総売上高170億ドル(約2兆5100億円)で、前年同期比5%増(為替変動の影響を除いた場合)。粗利益102億ドル(12%増)、経費70億ドル(11%減)、営業税引前利益32億ドル(15%増)で、純利益は27億ドルとなり前年同期比17%増だった。1株あたりの営業利益は2.80ドル。フリー・キャッシュ・フローは48億ドル増となり、年初よりの合計で135億ドルとなった。
アービンド・クリシュナ CEOは記者発表会の席上で、「第2四半期において、当社は収益、利益、キャッシュのいずれにおいても堅調な成果を上げ、期待を上回る結果となりました」と胸を張り、その中でも「当社の生成AI関連のビジネスが急速に拡大しており、すでに75億ドル(約1兆1000億円)超に達しています」と述べた。
事業部別の業績では、ソフトウェア事業は為替変動の影響を除いた場合の前年同期比は8%増で、売上高74億ドル。コンサルティング事業は横ばいの53億ドル。インフラストラクチャ事業は11%増の41億ドルだった。
第2四半期の部門別の業績は以下のとおり(増減率は、為替変動の影響を除いた場合)。
ソフトウェア事業
◎全体:74億ドル、9.7%増
◎分野別
・ハイブリッド・クラウド(Red Hat):14%増
・オートメーション:14%増
・データ:7%増
・トランザクション・プロセッシング:2%減
◎ハイライト
・「引き続き勢いがあり」(クリシュナ氏)、年間経常収益(ARR)は前年比10%増となり、227億ドルを達成
・Red Hatは14%増、OpenShiftの年間経常収益(ARR)は17億ドル
・HashiCorpが好調なすべり出し。AnsibleとTerraformによる製品シナジーの成功例も
・AI関連製品全体で力強い業績

コンサルティング事業
◎全体
売上高:53億ドル、横ばい
◎分野別
・インテリジェント・オペレーション:2%増
・ストラテジー&テクノロジー:2%減
◎ハイライト
・収益の安定化と堅調な受注残高の推移
・生成AI関連の受注で継続的な勢い
・政府の裁量的支出の影響で契約締結に影響
・売上総利益率および営業利益率の大幅な拡大

インフラストラクチャ事業
◎全体
売上高:41億ドル、11%増
◎分野別
・ハイブリッド・インフラストラクチャ: 19%増
・IBM Z:67%増
・分散インフラストラクチャ(Power、ストレージなど):17%減
・インフラストラクチャ・サポート:3%減
◎ハイライト
・z17の好調な立ち上がり
・AIとハイブリッドクラウドの導入を加速するため、製品ポートフォリオ全体でイノベーションを推進
・分散型インフラは製品サイクルの影響を受ける
・IBM Zの成長による製品構成の恩恵が、利益率の強さを反映

地域別
・南北アメリカ:7%増(85億ドル)
・EMEA(欧州・中東・アフリカ):8%増(54億ドル)
・アジア太平洋:3%減(31億ドル)
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