IDCが「Worldwide IT Industry 2022 Predictions」発表 ~「新しいクラウド・ファンダメンタル」「ポートフォリオの再配分」など基盤・枠組みの根底的転換・移行を示すトレンドが多数登場|2022年市場予測❷

IDCが、今後5年間に起こるトレンドを予測する「IDC FutureScape:Worldwide IT Industry 2022 Predictions」を発表している。

毎年恒例の予測で、発表当初は見慣れない項目が多数並び、やや非現実的に思えるが、時間が経つとかなりの確率で現実化またはその方向へ進んでいることが確認できるという予測である。

たとえば2019年11月に発表された「IDC FutureScape: Worldwide IT Industry 2020 Predictions」では、今後5年間のトレンド予測として、下記の項目が挙げられた。

・イノベーションの加速
・コネクテッドクラウド
・エッジ投資
・デジタルイノベーションファクトリー
・産業特化アプリケーションの爆発的増加
・避けられないAI
・信頼の促進
・あらゆる企業にプラットフォーム
・多業種のマッシュアップ
・テクノロジープラットフォーム戦争

発表当時は、どの項目もそれほど普及・進展していなかったが、2年後の現在、多くの項目が「各Predictionの実現時期」(横軸)の年次よりも前倒しで普及・進展していると言えるだろう。

 

IDC FutureScape: Worldwide IT Industry  2020 Predictions 出典:IDC
IDC FutureScape: Worldwide IT Industry 2020 Predictions 出典:IDC

昨年発表の「IDC FutureScape: Worldwide IT Industry 2021 Predictions」では、次のような10項目が選ばれた。

・クラウドセントリックIT
・エッジアクセラレーション
・計画されたハイブリッドワーク
・技術的負債の修正
・デジタルレジリエンシー
・自動化プラットフォーム
・市場拡張の機会を探るAI
・ICTエコシステム
・IT主導の循環型経済
・人の重要性

IDC FutureScape: Worldwide IT Industry  2021 Predictions 出典:IDC
IDC FutureScape: Worldwide IT Industry 2021 Predictions 出典:IDC

 

今年10月に発表された「IDC FutureScape:Worldwide IT Industry 2022 Predictions」は、次の10項目である。過去2年の予測よりも、ビジネス・ITの基盤・枠組みの根底的な転換・移行を示すトレンドが多い。

・デジタルファースト
・新しいクラウド・ファンダメンタル
・ガバナンスへの対応
・ポートフォリオの再配分
・産業全体の変化
・自動化投資よりも従業員・顧客への投資
・デジタル主権
・フィジカルへの回帰
・デジタル・サステナビリティ
・データ・コントロール

IDC FutureScape: Worldwide IT Industry  2022 Predictions 出典:IDC
IDC FutureScape: Worldwide IT Industry 2022 Predictions 出典:IDC

 

以下は、GartnerによるPredictions項目の説明である。

Predictions 1:デジタルファースト

2024年までに、デジタルファースト企業は、技術およびサービスへの支出の70%をas-a-serviceや成果中心のモデルに移行する。これにより共感できる顧客体験と弾力性のある運営モデルを実現する。

Predictions 2:新しいクラウド・ファンダメンタル

2023年までに、グローバル2000企業の40%がクラウドの選択プロセスをリセットし、IT要件ではなくビジネスの成果に焦点を当てる。デバイスからエッジ、データからエコシステムまで、プロバイダーのポートフォリオへのアクセスを重視するようになる。

Predictions 3:ガバナンスへの対応

2023年までに、80%の企業がAI支援のクラウド連動型ガバナンスサービスを利用し、分散したリソース/データの管理、最適化、セキュリティ確保を実施する。ただし、そのうちの70%はITスキルのミスマッチにより価値を完全には実現できない。

Predictions 4:ポートフォリオの再配分

2022年までに、大企業のIT予算の40%が新しいポートフォリオの下で再配分される。これは、セキュリティ、クラウドプラットフォーム、仮想ワークスペース、コネクティビティなどの分野で統合されたas-a-serviceを採用することによる。

Predictions 5:産業全体の変化

2026年までに、今後10年間で組織的な移行に直面している業界リーダーは、新しい環境へ向けてIT支出を3倍にする。ただし、IT運用で必要な6倍の効率化の達成に苦労する。

Predictions 6:自動化投資よりも従業員・顧客への投資

2024年までに、グローバル2000企業の70%が、従業員や顧客の活動を支援・強化する技術投資を行う。これは、個々のプロセスを自動化する技術投資と比べて、意味のあるリターンとしては2倍になる。

Predictions 7:デジタル主権

2025年までに、80%の企業が自律的な基盤に基づくデータガバナンスプロセスの再構築を迫られる。これは、データのプライバシー、セキュリティ、配置・使用・開示に関する義務が地域ごとに異なることに起因している。

Predictions 8:フィジカルへの回帰

2023年までに、グローバル2000企業の50%が、新しいテクノロジー、ハードウェア、コネクティビティへの支出の半分を、顧客・従業員のための対面型エクスペリエンスの再構築のために費やす。

Predictions 9: デジタル・サステナビリティ

2025年までに、グローバル2000企業の60%がデジタル・サステナビリティ・チームを持ち、ICTプロバイダーが提供するビジネスやITのサステナビリティデータや分析プラットフォームの評価、認証、利用の調整を行うようになる。

Predictions 10:データ・コントロール

2025年までに、公共企業による評価は、データ管理に対する信頼性に基づいくようになり、データ中心のソリューションへの支出が増加する。

 

「IDC FutureScape: Worldwide IT Industry Predictions」2020年~2022年 出典:IDC
「IDC FutureScape: Worldwide IT Industry Predictions」2020年~2022年 出典:IDC

 

◎出典
・IDC FutureScape: Worldwide IT Industry 2022 Predictions(英語)
・IDC FutureScape: Worldwide IT Industry 2021 Predictions(日本語)
・IDC FutureScape: Worldwide IT Industry 2020 Predictions(日本語)

 

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