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「ISE Technical Conference 2023」開催、実行委員長の中条真璃子氏に聞く ~今年はリアルとオンラインのハイブリッド開催、史上最大規模のセッションと展示が集結

「ISE Technical Conference 2023」が5月18日(木)・19日(金)と2日間にわたって開催される。コロナ禍も収まりつつある今年は4年ぶりに、リアル開催を実施。リアルとオンラインのハイブリッド型で、史上最大規模のセッションと展示会を実現する。実行委員長である日本アイ・ビー・エム システムズ・エンジニアリング株式会社(以下、ISE)の中条真璃子氏に、開催のコンセプトと今年の見所を聞く。

中条真璃子氏


30以上のセッション、50以上の展示
過去最大規模で開催

i Magazine以下、i Mag) 「ISE Technical Conference 2023」が5月18日・19日と2日間にわたって開催されますね。

中条 はい、コロナ禍への対応で2020年に完全オンライン開催に移行して以来、今年は4年ぶりにリアルとオンラインのハイブリッドで開催することになりました。セッションと展示会であるISE Showroomともに東京・箱崎事業所にリアル会場を設けている一方、どちらもオンラインで参加していただけます。

i Mag  ISE Technical Conferenceには長い歴史がありますね。

中条 ISEが設立された翌年の1993年から、セミナー、Developer Conference、Tech Interchangeなど名称を変えながら、ISE主催あるいは日本IBM主催と異なる形式で毎年開催していました。「ISE Technical Conference」という名称が登場したのは、2001年の「IBM e-business solutions ISE Technical Conference 2001」からです。

単体名称になるのは2003年の「ISE Technical Conference 2003」からで、それ以降は毎年この名称で実施しています。充実した内容をお客様やビジネスパートナーの方々とも共有したいとの要望が高まり、ここ数年で社外の方々も参加できる形に変わりました。

i Mag 今年のテーマを教えてください。

中条 今年は「All Aboard! ~共に漕ぎ出そうDigital Sustainabilityがもたらす未来へ~」をテーマに掲げています。キーワードは「デジタルサステナビリティ」ですね。

サステナビリティという言葉自体は昨今、よく聞くようになりましたが、カーボン・ニュートラルやグリーン・エコノミーといった環境保全に目が向きがちです。でもそれだけではなく事業や従業員、社会的信頼まで幅を広げて持続性を追求していく必要が生じています。

そうしたサステナビリティの実現にはIT、すなわちデジタルの力が不可欠です。社会・国際情報への変化への対応力、働きやすい環境の整備、自動化・省力化の推進、コンプライアンスやセキュリティ対策の徹底など、社会・企業に求められるサステナブルなあり方をともに考え、作り上げていこうという意味を込めてこのテーマを設定しました。

i Mag カンファレンスの柱はセッションとISE Showroomになりますね。

中条 そうですね。実現のヒントや必要な技術領域、お客様のビジネスの今後をデジタルサステナビリティに関連付けて理解できるように、30以上のセッション、50以上の展示をご用意しています。とくにISE Showroomの展示は箱崎事業所7階の全フロアを使って展開します。これは箱崎での展示会として、過去最大規模だと自負しています。

i Mag セッション、ISE Showroomに加えて、今年は3つ目の新しい取り組みもスタートしますね。

中条 「Voyagers」(ボイジャーズ)です。これは正式には「ISE Great Voyages」、つまりISEの大航海と呼んでいる取り組みの、活動チームを指す名称ですが、社会やビジネスのリアル課題をISEの技術者が年間の活動を通して研究・解決するプログラムです。

ISE Technical Conferenceは例年2日間ほどの開催ですが、セッションにしろISE Showroomにしろ、「この2日間だけで終わらせるのはもったいない」という声が以前から寄せられていました。私たちは2日間の発表や展示を目標に内容をまとめていくのですが、なかにはチャレンジングなテクノロジーテーマも多く、お客様やビジネスパートナーの方々など、IBMグループ外のメンバーと共創しながら時間をかけて答えを出していく必要があるのではないかとの意見も出ていました。

そこで通年の活動として、Voyagersをスタートさせることになりました。これにはARガイダンスのビジネスユースケースや、森林産業・郷土教育などの課題解決、量子計算入門向けのコンテンツなど、20の研究テーマを設定しています。テーマに応じて、お客様をご訪問したり、自治体と協力したりと、ISEに閉じない幅広い共創体制を目指していきます。今回のカンファレンスではセッションやISE Showroomの形で研究内容を発表し、約半年をかけて活動を展開して、今年11月に成果発表を行う予定です。

セッションやISE Showroom
リアルに見る、聞く、体験する楽しさ

i Mag カンファレンスの見所を教えてください。

中条 まずスペシャルセッションからご紹介しましょう。日本IBMの山口明夫代表取締役社長のオープニング・メッセージのあと、スペシャルセッションとして、1日目は「社会の変化とDigital Sustainability」というテーマで、当社の代表取締役である中島聡、日本IBMの鈴村敏央シニア・パートナー(IBMコンサルティング BTS FSCT SCM・サステナビリティー担当)と、日本IBMの執行役員で東京基礎研究所の福田剛志所長が対談します。

2日目は、同じく中島を進行役に、ともに日本IBMのOBである山下克司氏(山下技術開発事務所 代表)と山本宏氏(日本電気 マネージングエグゼクティブチーフアーキテクト/ローランド株式会社 社外取締役)が、「Digital Sustainabilityの『今』と『これから』」について対談します。1日目はIBMコンサルティングと東京基礎研究所の取り組み事例を交えながら、2日はIBMの元Distinguished Engineerならではの技術的な鋭い視点からデジタルサステナビリティを語るので、ぜひお聞きいただきたいですね。

i Mag セッションについてはいかがですか。

中条 セッションはデジタルサステナビリティと関連する9つのカテゴリに沿って、30以上が用意されています。

どれも興味深い内容ですが、たとえば「【A-6】Sustainability Accelerator 宮古島プロジェクト~IBM Garageによる離島のエネルギー課題への挑戦~」というセッションでは、IBMの社会貢献プログラム「Sustainability Accelerator」の活動として、沖縄県宮古島市で取り組んでいるエネルギー課題解決のプロジェクトについてご紹介します。IBM Garage の手法を活用して地方の自治体や住民との共創を進めてきた経験から得られた知見についてお話するのですが、社会貢献プログラムの特性上情報発信に制約があり、あまり外部で詳細を語られることが少ないので、これは貴重な機会かと思います。

それから、「【D-4】メタバースを開発してわかったこと ~IBMのメタバース・プラットフォームの勘所~」というセッションでは、ビジネス分野に浸透するメタバース活用について解説します。今回のISE Showroomではオンラインで参加できるメタバース空間の生成にも、日本IBMのメタバースソリューションである「IBM Spatial Platform」を利用しています。その経験に基づく仕組みやノウハウ、適用ポイントなどを解説する予定です。

また「【B-1】z/OSにおけるGitの活用~Gitでつなぐ若手人材とメインフレームの未来~」も興味深いセッションだと思います。メインフレームやIBM iの市場では技術者確保が重要な課題ですが、ここでは若手人材の確保、スキルの流用などを狙いに、OSSを活用したモダナイゼーション手法の1つとして「Gitによる管理」に着目し、z/OS上の各種リソースを具体的にGitでどのように管理できるのかをご紹介します。

i Mag それでは展示会であるISE Showroomでの見所を教えてください。

中条 ISE Showroomでは、デモの実際の開発者が解説しているので、細かなご質問にも的確にお答えできるのが特徴です。今年は4年ぶりにリアルな会場をご用意していますから、ぜひ実際に見る、音を聞く、動きを体験する楽しさを味わっていただきたいですね。

たとえば「【MI-03】ロボットとAIによる巡視点検業務の自動化」では、4脚歩行のロボットであるSpotがIBMの設備保全ソリューションであるMaximoと連携し、人の代わりにメーターを読み取るなど、さまざまな巡視点検業務を実施するデモをお見せします。

また、「【DA-06】空間における人物の位置・姿勢・行動のリアルタイム認識技術」という展示では、高性能な特殊カメラではなく、通常のカメラ映像から3次元空間における人物の位置・姿勢・行動をリアルタイムに認識する技術をご紹介します。セキュリティから医療・介護、マーケティングまで応用分野は多岐に渡ると思います。

それに最近はChatGTPが大きな関心を集めており、ご要望も多いので、急きょChatGTPに関するデモ「【DA-13】GPT活用で変革するAIアプリ」も準備を進めています。

また、ChatGTPは人と同じ自然な言葉で、集合知の平均値を回答としてアウトプットしますが、その信頼性や正確性を疑う指摘も見られます。そこでIBMのWatson Discoveryの機能である「Answer Finding」を活用した「【DA-05】AnswerFindingで調べ物をサクッと終えて人員不足問題解決!~Foundation Modelの業務適用~」も併せてご覧いただき、ChatGPTと連携すれば信頼性・正確性の高い回答を担保しうるかなど、技術者と会話しながらイメージを膨らませていただくのもよいか思っています。

最先端の技術を学ぶ場、触れ合う場として、ぜひカンファレンスにリアルに足を運んでいただければと思いますし、もちろんオンライン参加でも結構ですので、ご来場を心からお待ちしています。

中条 真璃子氏

日本アイ・ビー・エム システムズ・エンジニアリング株式会社
DXセンター
シニアITスペシャリスト

「ISE Technical Conference 2023」実行委員長


日本アイ・ビー・エム システムズ・エンジニアリングに入社後、AI・IoTを活用したクラウド・アプリケーション開発に従事。日本IBMに出向後、Garage Methodを活用した開発プロジェクトやユーザー向けのDX推進、DX人材育成、ユーザー中心設計でのビジネス推進支援をリード。その後、IoT・サステナビリティ製品をはじめとする先進技術を核に、新規価値創出、ビジネス推進支援活動をリード。モビリティを中心とする都市OSの構想設定や5G-Edge領域など、先進ソリューションの構想・実装・ビジネス推進に携わっている。

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