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JBCCはPowerVSの移行コンサルテーションサービスを提供 ~IBM Power「国内シェア60%以上」の実績をベースにトータルなIBM iクラウドサービスを提供 |IBM iクラウドベンダーの戦略・サービス

クラウドへの移行によって
コスト削減は実現できる

JBCCは、IBM Powerの国内販売台数で「シェア60%以上」(同社)を誇るトップベンダーである。1983年に日本IBMとパートナー契約を締結して以来、「2万社以上」を支援してきた実績がある。その支援とは、システム企画、設計、構築、運用・保守、リプレース、他プラットフォームからの移行といったオールラウンドな内容である。

最近その中で、「クラウドへの移行が急速に増えています」と、ソリューション事業の豊村洋二氏(ハイブリッドクラウド事業部クラウドDX本部)は話す。「2023年夏以降はとくに目立った動きがあり、IBM iクラウドに対するお客様の変化を実感しています」という。

同社のクラウド事業は2013年にスタートし、2020年10月にPower Virtual Server
(以下、PowerVS)がIBM東京リージョンで開始されたのと同時に検証環境を構築して、PowerVSを中心にIBM iのビジネスを推進してきた。そして2022年4月には早くも、PowerVSの「国内実績No.1」として日本IBMから表彰されている。

豊村氏はPowerVSへの移行が急増している理由について、Power10マシンの高額化、SWMAなどのサービス/ソフトウェア製品の料金改訂、ストレージなど周辺機器のEOSなどを挙げる。

「オンプレミスでPower10へ移行した場合、単純なリプレースでも過去の2倍近くのコストがかかり、そのうえにソフトウェアや保守サービスの値上げもあるため、さらに大きなコスト増となります。一方、PowerVSやIBM Cloudでも料金改定はあるものの値上げ幅が相対的に小幅なため、クラウドを選択しやすい状況になっています」(豊村氏)

豊村氏は、IBM Powerへの移行を検討中のユーザーは「コスト削減を命題にしていることが大半」と指摘する。そして「その重い課題は、クラウドへの移行によって解決できます」と強調する。

「現在、自社データセンターなどで運用中のお客様は、データセンターの維持にかかるファシリティや運用費・人件費などのコストをクラウドへの移行によって削減できます。お客様の例では、月額コストを約45%削減した例もあります。

またオンプレミスで運用する場合、マシンスペックに余裕をもたせて購入するため、通常の運用ではリソースを50%も使用していないケースが少なくありません。クラウドならば最適なリソース量でスタートできその後も増減可能なので、コストを継続的に最適化できます。さらに基盤維持のための要員の省人化なども可能になります」(豊村氏)

パフォーマンスとコストの
バランスを考慮したクラウド移行

JBCCでは無償のアセスメントサービスを含む「PowerVS移行コンサルテーションサービス」を提供している。これは“クラウドへの移行の進め方がわからない”“移行による費用対効果を知りたい”といったユーザー向けのサービスである。

アセスメントサービスは、ツールを使用して約1カ月間、現行システムの情報を収集し、そのデータを基にシステムの特性分析やサイジングなどを行い、クラウドへ移行した場合のシステム構成案などをレポートするもの。ただし評価結果によっては、「オンプレミスの継続をご提案することもあります」と、豊村氏は語る(図表1)。

図表1 PowerVSの移行コンサルテーションサービス

JBCCではこうした調査に基づく「パフォーマンスとコストのバランスを考慮したクラウド移行」を行うことによって、「オンプレ購入に比べてクラウドでのコスト削減を実現しています」(豊村氏)という。

またJBCCは、クラウドの設計・構築・運用をトータルにサポートする運用付きクラウドサービス「EcoOne」をPowerVSでも提供している。「EcoOne」により、死活監視や障害対応、JBCC技術者によるテクニカルサポート(OSより上位の)も提供される(図表2)。

図表2 JBCCのクラウド関連サービス

豊村氏は同社のクラウドサービスの強みとして、「移行前のシステム分析からサイジング、移行、ソリューション構築、運用までをトータルにサポートできる点」を強調する。さらに「PowerVSだけでなくIaaSやSaaSサービスなどを含めてハイブリッド/マルチクラウドでサービスを提供できる点」も挙げる。

2024年のクラウドサービスの目標は、「AIやデータ活用サービスの拡充と、運用をさらに柔軟に行えるサービスの提供」と、豊村氏。

「クラウドは移行して終わりではなく、移行後にクラウド上のさまざまなサービスを利用してシステムを柔軟に拡張していけるのが大きなメリットです。クラウドサービスの選択では、そうした未来を描けるサービスを選択することが重要と考えています」と、豊村氏は述べる。

 

[i Magazine 2024 Spring掲載]

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