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日本総研がレポート「生成AIがもたらすロボット技術の進化」を発表 ~生成AI搭載ロボットの概要、活用、研究動向をコンパクトに紹介

日本総研は9月3日、「生成AIがもたらすロボット技術の進化 -フィジカルAIの動向-」と題するレポートを発表した。

日本社会では現在、人手不足や高齢化といった課題が深刻化し、その解決策としてロボットが注目を集めている。そのロボット分野では、生成AIの活用が進んでいる。本レポートは、生成AIを軸にロボット技術の進化について最新の動向と今後の展望を整理したものである。

全3章の構成で、1章は「ロボットにおける生成AIの活用概要」。ロボットにおける生成AIの使われ方、ロボット基盤モデルの登場、フィジカルAIという概念について紹介。

2章は「活用動向、研究開発動向」で、ヒューマノイドロボットや生成AIを活用したロボットの具体的な事例や研究動向の紹介。そして3章は「今後の展望」として、生成AIがロボットなどの物理領域でもブレイクスルーを起こす可能性に触れている。

まず、ロボットへの生成AIの活用状況としては、「生成AIのもつ汎用性を活かし、従来のロボットが抱える課題(適応性の低さなど)を解決するための研究が進展」しているとし、「生成AIを活用することで、ロボットを訓練した環境・タスクのみならず、ロボットが未知の環境・タスクにも対応できることが期待」されているという。

生成AI搭載ロボットの適用例としては、生成AIの対話能力を活かしたコミュニケーション系のロボットや、倉庫内での物の搬送、施設の巡回・警備など、特定の用途に特化したロボットが増えている。

またヒューマノイドロボットの開発も進んでおり、産業ロボットの領域(工場・倉庫など)だけでなく、幅広い領域での自動化・コスト削減・人手不足の解消手段として注目を集めている。

さらに、ロボットに特化した「ロボット基盤モデル(Robotics Foundation Model)」も進んでいる。ロボット基盤モデルとは、1つのモデルでさまざまなタスクに適応可能なロボットを指す。「LLMやVLMなどの基盤モデルがブレイクスルーを起こしているように、ロボット基盤モデルがロボットの世界にブレイクスルーを起こすことが期待される」と、レポートは述べている。

同レポートは、生成AIとロボットの技術動向がコンパクトにまとめられており、自社への適用や今後の可能性について理解を深めるのに役立つと思われる。

日本総研「生成AIがもたらすロボット技術の進化 -フィジカルAIの動向-」
https://www.jri.co.jp/advanced/advanced-technology/detail/16070/

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