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高木システムやアイエステクノポートを統合・グループ化し、IBM iに強い組織とソリューションラインナップを武器に ~深井 淳氏 株式会社クレスコ・ジェイキューブ&株式会社アイエステクノポート

深井 淳氏
株式会社クレスコ・ジェイキューブ 代表取締役社長
株式会社アイエステクノポート 代表取締役社長

2025年10月、クレスコ・ジェイキューブはアイエステクノポートの全発行済株式を取得し、子会社化してグループに迎え入れることを発表した。クレスコ・ジェイキューブにとっては、高木システムに続く2社目のM&Aになる。
IBM i市場で確かな足場を築く2社を統合・グループ化することで、クレスコ・ジェイキューブの戦略にはどのような変化が生じるのか。深井淳氏に、その経緯とこれからを聞く。

アイエステクノポートを
グループ傘下に迎え入れる

i Magazine(以下、i Mag) 2025年10月にアイエステクノポートの全発行済株式を取得し、子会社化してグループに迎え入れることになりました。まず、その経緯をお話しください。

深井 当社とアイエステクノポートは2024年4月に包括的協業パートナーシップ「Project Techno-Cube」を締結し、それ以来着実に協力関係を深めてきました。統合については酒の席などで何度も、半ば冗談交じりに話す機会はありましたし、2~3年前には、統合合併により1つの会社として活動できないかという案が浮上して、真剣に検討したこともありました。しかしいずれも具体化することはなく、実現には至りませんでした。

そうした中で今年のゴールデンウィーク明けぐらいに、アイエステクノポートの金澤廣志社長からご連絡をいただき、お会いすることになりました。そしてその席で、金澤社長から、「アイエステクノポートの社長を退任すること」や「クレスコ・ジェイキューブグループへの参画の考え」という、まさに青天の霹靂とも言えるお話しをいただいたのです。その瞬間、身体が震えるほどの驚きと責任の重さを痛感しました。

金澤社長には先輩として、長年にわたり可愛がっていただいたという感謝の気持ちが強くありますから、その思いに応えようと、アイエステクノポートを当社のグループに迎え入れること、私がアイエステクノポートの代表取締役になることをその場で即決しました。それから数カ月、両社の今後について協議を重ねた結果、10月1日の発表に至ったというわけです。

i Mag クレスコ・ジェイキューブにとっては、高木システムに続く2社目のM&Aになりますね。

深井 そうなります。積極的なM&A戦略を掲げていたわけではないのですが、結果的には2社をグループに迎え入れて戦力を強化することになりました。

もともとクレスコ・ジェイキューブは2022年7月に、アルス、エヌシステム、ネクサスの3社が合併して誕生しました。そして2024年10月には、新たにもう1社、高木システムをグループに迎え入れることを発表し、2025年4月に統合して、クレスコ・ジェイキューブという1つの会社として活動することになりました。さらに今回、2025年10月にアイエステクノポートがクレスコ・ジェイキューブグループの一員となりました。これでクレスコ・ジェイキューブグループは5社の会社が一緒になったことになります。いわば多民族国家ですね。1つの企業文化として醸成するには、まだまだやるべきことが多いですが、社員が集まる場や面接などでは、「未完成だからこそ、おもしろい」と伝えています。実際、そのおもしろさを私自身が感じています。

IBM iのソリューションラインナップを
大幅に強化する

i Mag 高木システムの統合やアイエステクノポートのグループ化は、どのような強みになりましたか。

深井 高木システムには、電気・電子部品や電設資材、機械部品に特化したIBM i向けの基幹業務システムである「TREE」というキラーアプリケーションがあります。またアイエステクノポートには、IBM i向けのプリンティングソリューション「UT/400」を筆頭に、アプリケーション開発保守支援ツール「SS/TOOL-ADV」、プロジェクト管理ツール「S/D Manager Project管理」、ソフトウェア資産管理ツール「S/D Manager Object管理」など、IBM i向けの多彩なソリューション製品が揃っています。高木システムやアイエステクノポートが加わったことで、クレスコ・ジェイキューブとして、ソリューションラインナップを大幅に強化できた点が最大の強みです。

i Mag ソリューションラインナップの強化は、もともとの戦略として掲げていたのですか。

深井 そのとおりです。もともとクレスコ・ジェイキューブは、ソリューション志向を強めていくことを戦略に掲げていました。SESや人材派遣ビジネスも展開していますが、私自身には、ソリューション製品をもつことが最大の武器になるとの信念があります。だからオリジナルソリューションのラインナップを充実させていくことは、大きな課題でした。

以前から、申請・承認ワークフローである「スマートワークソリューション」、旅行会社のあらゆる基幹業務をカバーする「たび助」、旅行事業者・貸切バス事業者向けの業務システムをカバーする「クリアルート」、スマホで出退勤打刻、災害時は安否確認に切り換えて利用できる「お天気勤怠」など、クラウドサービスを含めてオープン系のオリジナルソリューションは強化しつつありました。

そこにTREEやUT/400など、IBM i向けの強力なソリューションが加わったことで、ラインナップをかなり強化できたと考えています。それに高木システム、アイエステクノポート、クレスコ・ジェイキューブの3社を見ると、IBM iについては驚くほどお客様が重なっていないのです。今後はIBM iについての窓口を一本化できますし、サービスメニューも充実してきたので、どのような案件にも対応可能になると考えています。

i Mag 深井社長には、アイエステクノポートはどんな会社に見えていましたか。

深井 開発力と製品力があり、IBM iに特化している。私から見て、理想の会社だと思っていました。今回のグループ化を機に、アイエステクノポートの社員全員と個別にコミュニケーションしましたが、「驚いた」とか「次は誰が社長になるか、ぼんやりと不安に思っていた」などの意見のほかに、「深井さんが社長になると知ってホッとした」「クレスコ・ジェイキューブでよかった」との声も聞かれました。それを聞いたときは正直、うれしかったですね。

アイエステクノポートは、金澤氏が先頭に立って開発力・製品力をリードしてきた会社ですが、引き続き金澤氏の支援を得られることには変わりありませんし、これからは全員で製品を生み出せるように、皆で知恵を絞りながらますます強い会社にしていこうとの意思を伝えました。

i Mag アイエステクノポートは高木システムと同じように統合して、クレスコ・ジェイキューブという1つの会社として活動することになりますか。

深井 アイエステクノポートは、IBM i市場でのブランド力がありますから、当面はこのままでと考えています。ただ社員の気持ちが一番大切ですので、社員の意見を聞きながら、これから決定していこうと思います。

ソリューションセールスの強化が
今後の課題に

i Mag クレスコ・ジェイキューブの戦略は今後、どのように推進していくことになりそうですか。

深井 2024年から3カ年の中期経営計画を推進しています。高木システムの統合などで、数字的に修正した部分はありますが、骨子は変わっていません。2024年を「マーケティング&ブランディングの年」と位置付け、2025年を「ソリューションセールスの年」、2026年を「デジタルソリューションの年」と位置付けています。私には、「お客様のお困りごとをソリューション提案により解決できる」会社に成長させたいとの思いがあります。強力なソリューションラインナップが揃ったので、これからは提案力・営業力をさらに強化していきたいですね。

高木システムとアイエステクノポートが加わったことで、社員数はグループ合計で320名となり、IBM iの技術者だけで100名を超えました。オープン系ビジネスとIBM iビジネスの売上に占める割合は7対3ぐらいでしたが、IBM iビジネスが急激に成長していて、すでに3.5を超えるぐらいかと思います。

もともと技術者時代の私は、直接的にIBM i、AS/400を担当したことがありませんでした。だからIBM iという製品を客観的に見られたのではないかと思いますが、以前から、IBM PowerおよびIBM iのポテンシャルを強く感じていました。まぎれもなく、世界最強のサーバーです。ただ中身は最先端なのに、使い方が最先端ではないという残念な思いもありました。IBM iに強い技術者と充実したソリューションラインナップが揃ったので、当社はこれから、IBM iの最新の使い方をお客様に伝え、提案していける会社に成長していきたいです。

 

株式会社クレスコ・ジェイキューブ
本社:東京都港区
設立:1988年
資本金:4000万円
従業員数:連結 319名、単独 301名(2025年10月1日 現在)
https://www.cresco-jcube.co.jp/

株式会社アイエステクノポート
本社:東京都港区
設立:1990年
資本金:1000万円
https://www.istechnoport.com/

 

[i Magazine 2025 Winter掲載]

 

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