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LF Researchが「日本のオープンソースの現状 2025」を公開 ~戦略的なオープンソース活用によるビジネス価値の加速

LF Researchは、LF JapanやCanonicalの協力のもと、毎年恒例のWorld of Open Source(オープンソースの世界)アンケートを実行し、2025年における日本のオープンソースの優先事項、課題、機会など日本の現状に関する分析を発表した。

調査結果によれば、日本の組織は、重要なインフラの基盤にオープンソース ソフトウェアを使用しており、拡張現実(AR)や3Dシミュレーション、ブロックチェーン、製造業といった特殊なアプリケーションにおいて顕著である。しかし企業には、投資を適切にサポート・維持するために必要な適切なガバナンスやセキュリティのメカニズムが欠如しているしている。

日本のOSS 成熟度における進歩とギャップ

日本は戦略的セグメントではリードしているものの、基盤インフラにおけるOSS導入は遅れている。

図表1に示すように、DXを実現する基盤インフラにおけるOSSの採用率は、日本が世界平均を下回っている。オペレーティングシステムの採用率は27%(世界平均61%)で、38ポイントの差があり、これは観測された中でも最も大きな差の一つである。

図表1

採用率に大きな差があるその他の基盤技術としては、Webおよびアプリケーション開発(16% vs.52%)、DevOps/GitOps/DevSecOps(24% vs. 47%)、データベースおよびデータ管理(28% vs. 49%)、ストレージ技術(13% vs. 28%)、サイバーセキュリティ(24% vs. 35%)などが挙げられる。

この傾向は、世界的に採用されている最新のOSS技術に基づくインフラの近代化には、制度的な障壁があることを示唆している。

日本の組織は、リスク回避的な意思決定文化、実績のある独自システムやメインフレーム技術への偏愛、あるいはクラウド環境におけるデータ主権や規制遵守への懸念などに根ざした組織的な抵抗に直面する可能性がある。

その結果、日本の組織は、これらの基盤技術による生産性の向上、ベンダーロックインの軽減、所有コストの削減といったメリットを逃している可能性がある。

一方、図表1は日本が専門的なアプリケーション分野におけるOSSの採用において優れていることを示している。具体的には、視覚技術(拡張現実/仮想現実、3Dシミュレーション、グラフィックス)では40% vs. 10%、ブロックチェーンでは24% vs. 8%、製造技術(製造、3Dプリンティング、CAD/CAM)では14% vs. 7%となっている。

図表2が示すように、日本の答者はこれらの技術をオープンソース化の恩恵を最も受けている技術だと考えている。

図表2

世界的に見ると、人工知能/機械学習(AI/ML)はオープンソース化の恩恵を最も受けている技術であり、日本企業では2位にランクされている。Linux Foundationの最近の調査では、オープンソースAIから大きなメリットが得られることが確認されている。

しかし、日本のAI/ML導入率は33%で、世界全体の41%(図表1)を下回っており、この戦略的領域においても日本は後れを取っていることを示している。

Linux Foundation の以前の調査では、オープンソースAIツールは透明性とコスト効率に優れていることが示されている。さらに、オープンソースは柔軟な導入、相互運用性、そして規制遵守を可能にしている。

日本はOSSビジネス価値の成長において
世界をリードしている

基盤インフラの導入が遅れているにもかかわらず、日本企業はオープンソースから得られるビジネス価値の認識において、世界の他の企業よりも高い伸びを示している。

図表3が示すように、日本企業の69%が、過去1年間でオープンソースから得られるビジネス価値が増加したと回答している。これは、世界全体では54%である。この15ポイントの差は、日本におけるオープンソースの戦略的重要性の認識が加速していることを示唆している。

図表3

この傾向は、オープンソースにコミットした日本企業が、特定のアプリケーションにおけるコスト削減や、特定のユースケースにおける効率性の向上などを通じて、投資に対する大きなリターンを得ていることを示唆している。

 

[i Magazine・IS magazine]

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