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PwCコンサルティングが生成AIに関する実態調査の結果を発表 ~認知層での活用意向は肯定的だが、ビジネスでの取り組みは進まず

PwCコンサルティング合同会社は5月19日、「生成AIに関する実態調査2023~加速する生成AIブームとビジネスシーンの実情:ユースケース創出が急務~」を公開した。

同調査は、急速に世の中の関心を集めている生成AIに関して、日本国内の企業・組織および従業員自身がどのように捉えているのか、その実態把握を目的に実施された。日本国内の企業・組織に所属する人を対象に、生成AIに対する認知や関心、ビジネスへの影響、業務代替の可能性などを中心に質問した。有効回答件数は1081件。

同調査の結果をまとめると、以下のようになる。

❶ 過半数(54%)が生成AIをまだ認知していない

連日、生成AIに関する動きが報じられる中、生成AIに対する認知や関心は日本全体でも高まっていると感じられる一方、今回の調査では、過半数(54%)が生成AIを全く認知していないと回答。実態との乖離が浮き彫りとなりました。

❷ 認知層は生成AI活用に対して肯定的だが、実際の取り組みは進んでいない

認知層に限定した場合、生成AI活用に対する関心があると回答した人は60%、また、生成AIを自社にとっての「ビジネスチャンスと捉える層(47%)」が「脅威と捉える層(9%)」の5倍に達しており、活用に関しては前向き傾向にあることがわかった。ただし、予算化や案件推進など具体的な取り組みを開始していると回答した方は8%にとどまる。

❸ 一従業員の立場からは生成AIによる業務代替を歓迎する一方、代替の度合いは部分的にとどまるという見解が多数派

同様に認知層に限定した場合、一従業員として、業務で生成AIを利用したいと回答した人は53%、また、業務代替をポジティブに捉えている層は59%と、ともに過半数に達した。想定している代替の度合いとしては業務の半分以下と回答した人が多く(59%)、生成AIによる業務代替は部分的なものにとどまるという見解が多数派であった。

❹ 生成AIを知らないグループを除くと、生成AIへの活用意欲に満ちたグループが23%で多いものの、各グループに特徴的にみられる業種・職種における、具体的なユースケースイメージの有無に関しては状況が異なる

質問への回答を変数にクラスタリングを実施し、5つのグループに分類したところ、生成AIに対する認知・関心と、生成AIへのポジネガイメージで傾向が分かれた。生成AIと親和性の高い業種や職種では、生成AIの活用に関心が高いことがわかった。

その一方、生成AIと業務との関連を実感できていなかったり、断片的な知識で生成AIに対して不安が先行している層では、生成AI活用の具体的なイメージや、生成AIが技術的に可能とすることへの正しい理解を促進する必要があると考えられる。

 

❺ 高度事務作業領域への活用イメージが高い一方で、専門知識や経験ノウハウを要する業務への活用イメージが低い

業種・職種ごとに生成AIの具体的ユースケースを創出し、実業務での活用を通じた技術的可能性および人間と生成AIの役割を明確化することが、早期の生成AIの活用促進に効果的と考えられる。

 

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