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量子コンピューティング史上初の大型合併、Honeywell Quantum SolutionsとCambridge Quantum Computingが統合へ ~量子システム実用化への動きが加速

量子コンピューティング 合併

量子コンピュータメーカーの「Honeywell Quantum Solutions」と量子ソフトウェアベンチャーの「Cambridge Quantum Computing」は6月8日、統合の正式契約を締結した、と発表した。量子コンピューティング史上、初めての大型合併で、量子システムの実用化へ向けての動きが加速しそうである。

Honeywell Quantum Solutionsは、米ハネウェルの量子コンピューティング事業部門で(2018年に設置)、ハネウェルは航空宇宙や電子制御、安全・生産性ソリューションなどの事業を多面的に展開する多国籍企業。

一方のCambridge Quantum Computingは、2014年に英ケンブリッジ大学の関係者らで設立された量子ソフトウェアと量子アルゴリズムの開発に特化したベンチャー企業で、その技術力は世界的に広く知られる。この5月にも、データから期待値を求めるモンテカルロ積分を高速化する量子アルゴリズムを開発し、大きな話題となった。拠点としては、英国内の数カ所のほか、米ワシントンDC、サンフランシスコ、東京にオフィスがある。26]

Honeywell Quantum Solutionsが開発を進める量子コンピュータは「イオントラップ」と呼ばれる方式。IBMやGoogleなどが推進する量子ゲート方式とは異なるが、同社の一般向け10量子ビット・システム「System Model H1」は今年3月に512量子ボリュームを達成している。

新会社は、株式の過半数をハネウェルが所有し、ガバナンス権をもつ。CEOにはHoneywell Quantum SolutionsのCEO兼創業者のイリアス・カーン(Ilyas Khan)氏、社長にはHoneywell Quantum Solutions社長のトニー・ウットリー(Tony Uttley)氏が就く予定。従業員数は300人以上で、そのうち100人以上が博士号をもち、200人以上が「世界有数の量子コンピュータの専門家を含む科学者」という。

Honeywell Quantum Solutionsのニュースリリース 
Cambridge Quantum Computingのニュースリリース 

[i Magazine・IS magazine]