Home ハイパーコンバージド-システム基盤改革 課題●保守サービス終了となるBladeCenterやFlexSystemの次をどうするか→解決◎IBM iとHCIに分け、バックアップはData Domainで統合する|知っておきたい8つの課題・解決

課題●保守サービス終了となるBladeCenterやFlexSystemの次をどうするか→解決◎IBM iとHCIに分け、バックアップはData Domainで統合する|知っておきたい8つの課題・解決

by kusui

 

保守サービス終了だが
後継モデルがない

 2010年前後に発売されたPOWERプロセッサ(IBM i)搭載可能なIBM BladeCenter(ブレードサーバー)とFlexSystemが、保守サービスの終了時期を迎えている。

 これらのシステムは、IAサーバーとIBM i の統合的な運用・管理や、電源・ファン・スイッチなどの共用による高密度・省スペース・高性能などが特徴で、発表当初は大きな話題になるとともに幅広い層で導入が進んだ。

 しかしその後、IBMがSystem x事業をレノボに売却し、さらにソフトウェアによる仮想化技術が急速に進展するなど環境が画然と変化したために、保守サービス終了を間近に控えたユーザーは大きな選択と決断を迫られているのである。

  たとえば、BladeCenter Sで複数のブレードサーバーとIBM iサーバー(Blade Center JS12)を運用してきた場合、ハードウェアの保守サービスは2019年3月に終了になる。さらにOSをIBM i 6.1のまま使い続けてきた場合は、今年9月30日に3年間延長の保守サービス(バックレベル・プログラム支援サービス)も終了となり、完全にサポートが終了する(図表1)。しかも、後継となるブレードサーバーをIBM/レノボのどちらも提供していないので、ユーザーは別の移行先を検討する必要がある。

 

 

 同様のことはFlexSystemでも起きている。2012年発売のFlexSystem p260のハードウェア保守サービスは2019年9月に終了となり、しかもレノボが現在提供中のFlexSystemはPOWERノードをサポートしていないので、ユーザーは別の移行先を検討せざるを得ないのだ。

単純な移行では
運用負荷が高まる

 では、BladeCenterとFlexSystemからの移行をどのように考えるべきか。JBCCの村岡達也氏(PFS事業部 ソリューション技術部 次世代仮想化グループ)は次のように指摘する。

「サーバーは稼働年数が6年目を超えると、急激に障害発生率が高まります。このことを念頭におくと移行しか選択肢がありませんが、両システムとも後継モデルがないので、IBM iとIAサーバーとを別システムにするしかありません。ただし、単純に移行すると運用負荷が高まりコスト高になるので、入念な検討が必要です」

 

村岡 達也氏 JBCC株式会社 ソリューション事業 PFS事業部 ソリューション技術部 次世代仮想化グループ

 

 

 JBCCが提案するのは、BladeCenter上またはFlexSystem上のIBM iを単体のIBM iシステムへ移行し、複数のIAサーバーはハイパーコンバージド・システム(HCI)に集約するというものだ(図表2)

 

 村岡氏は、「BladeCenterやFlexSystem上には、それなりの台数のIAサーバーがあるので、移行先の基盤を何にするかがポイントです。複数のIAサーバーを複数台のIAサーバーへ移行するのは管理が複雑になるだけなので、集約率と拡張性、耐障害性に優れるハイパーコンバージドへの統合が最適です」と言い、「移行後のIBM iを長く使う予定なら、最新のPOWER9モデルを選択すべきです。保守サービスの停止が前倒しで発表されたPOWER7モデルの次のPOWER7+やPOWER8モデルを選択するのは得策とは言えません」と説明する。

 また、本番用およびバックアップ用のストレージとしては、EMCのData Domainを採用する。Data Domainは、IBM iとIAサーバーのデータを統合的に格納/バックアップできるので、ストレージをおのおの用意するよりも効率的に運用管理が行える。IBM iのデータは仮想テープライブラリーとしてファイバーチャネル接続で、IAサーバーのデータは仮想マシン用バックアップツール(Veeam)を使ってNAS接続でData Domainとつなぐ形態となる。

 また、Data Domainはデータの圧縮率がきわめて高いので(「1TBのデータを13GBに圧縮した実例があります」とPFS事業部 ソリューション技術部 次世代仮想化グループの徳田幸一氏)、遠隔地にもう1台、Data Domainを配置してレプリケーションすることで災害対策用システムを構築できる。

 

徳田 幸一氏 JBCC株式会社 ソリューション事業 PFS事業部 ソリューション技術部 次世代仮想化グループ

 

 運用管理は、BladeCenterではIBM Systems Director、FlexSystemではFSM(Flex System Manager)を使って統合的に行えていたが、IBM iとIAサーバーを別システムにする移行後は、IBM iはHMC、ハイパーコンバージドに集約したIAサーバーはvCenterなどによる管理となる。旧来の運用形態に戻る形である。

 このほかJBCCでは、セキュリティ対策も移行のポイントとして挙げる。「セキュリティ環境は、BladeCenterやFlexSystemが導入されたころとは大きく変わり、悪意のある巧妙な攻撃への対策が不可欠になっています。IBM iをリプレースするタイミングで厳密な権限設定やセキュリティレベルの向上策を講じ、さらに端末やサーバーを標的型攻撃から守る対策が必要です」と、徳田氏、村岡氏は指摘する。Blade CenterやFlexSystemからの移行は、システム基盤を見直す格好の機会となるようだ。

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