Home モダナイゼーション/システム移行 課題●APIを使用せずに、IBM iの基幹システムをクラウドサービスへ連携したい→解決◎ツールの新機能を使い、クラウド連携の開発工数やコストを最小化|知っておきたい8つの課題・解決

課題●APIを使用せずに、IBM iの基幹システムをクラウドサービスへ連携したい→解決◎ツールの新機能を使い、クラウド連携の開発工数やコストを最小化|知っておきたい8つの課題・解決

by kusui

クロスプラットフォームとマルチDB
多彩な周辺システムと連携

 IBM iでは、RPGなどの言語を使って手組みで開発した基幹システムを長年にわたり利用しているユーザーが多い。これまでのプログラム資産を大切に守りつつ、今後もIBM iを前提に基幹システムの運用を続けようとするユーザーに向けて、「Delphi/400」は最新バージョンで明確なメッセージを発信している。

「IBM i上の基幹システムを中心に据えつつ、クラウドサービス、IoT、モバイル、Webクライアントなど多様な周辺システムやデバイスと連携・統合することで、IBM iの世界を広げ、その価値を高めていく。それがIBM iのモダナイゼーションである、というメッセージです」と語るのは、ミガロ.の上甲將隆代表取締役社長である。

 

上甲 將隆 氏 株式会社ミガロ. 代表取締役社長

 

 2017年10月にリリースされた最新バージョン「Delphi/400 10.2 Tokyo」(以下、10.2 Tokyo)では、そのためのコンポーネントやオプション製品、そして拡張機能を数多くサポートしている。

 Delphi/400は、オープン系の開発で高い実績を誇る「Delphi」をIBM iに完全対応させたネイティブアプリケーション開発ツールである。開発言語としてObject Pascalを採用し、画面設計からコーディング、コンパイル、デバッグまでを統合開発環境で実行する。Delphiは世界中で多くのユーザーが利用しているので、関連する多数のコンポーネントやオープンソースソフトウェアが公開されている。Delphi/400はそれらに加え、IBM iを対象にしたコンポーネントを充実させているのが特徴だ。

 たとえばグラフィカル画面を備えるサーバー/クライアントアプリケーションやWebアプリケーションからRPGやCOBOL、CLを呼び出すためのコンポーネント。そしてQTEMPやMSGQ、DTAARA、SPOOLなどのIBM i資産を活用する多彩なコンポーネントが提供されている。

 また最新データベースエンジンである「FireDAC」では、Db2 for iはもちろん、Oracle、SQL Server、MySQL、PostgreSQL、MariaDBなど15種類以上の主要なオープン系DBに対応する。

 さらにWindows、Mac OS、iOS、Androidなど、モバイルを含む主要プラットフォーム環境へのネイティブ開発をサポートしている。10.2 Tokyoからは、ワンソースで複数のOSやデバイスに対応できるので、マルチデバイス開発のレベルを今まで以上に向上させている。

クラウド連携をターゲットに
新たなコンポーネントを提供

 このようにクロスプラットフォーム&マルチDBを掲げ、IBM iの基幹システムと、オープン系システムの統合を強力に推進してきたDelphi/400であるが、10.2 Tokyoではクラウドサービスをターゲットにした新たな連携手法を提供している。

 新オプションである「Enterprise Connectors」を使用すれば、SalesforceやAWS、SAP、Office 365、Googleドキュメント、ソーシャルサービス、会計システムなど、80種類以上のクラウドサービスに対して、「FireDAC」を核に容易なアクセスが可能になる。

 各クラウドサービスから提供されるAPIを使用するのではなく、「Enterprise Connectors」によるドラッグ&ドロップ操作だけで実現できるので、各種サービスとIBM iの連携に要する開発工数やコストを大幅に削減できるのが特徴である。

「Enterprise Connectors」を利用したクラウドと基幹システムの連携については、すでに海外で多数の事例が登場している。 

 たとえば、CRMとIBM i の取引先マスタや商品マスタを自動的に同期して、二重入力を削減する。CRMに登録した見積情報をIBM i に自動転送し、受注入力処理を自動化する。IBM iから過剰在庫になっている商品を抽出し、キャンペーン情報としてソーシャルメディアに自動配信する。基幹システムの帳票PDFデータをGoogleドライブに自動転送して参照可能にする。基幹システムの売上・仕入データをクラウド会計システムに転送して自動仕訳する、などの事例である。

 国内でもすでに、基幹システムのDb2 for iと、Amazon のDynamoDBを「Enterprise Connectors」で接続した事例も登場しているという。

 このほか10.2 Tokyoでは、IoTデータを取得・利用するためのコンポーネントをサポートし、IoT対応アプリケーションの迅速な開発にも対応している。たとえば機器が発するBeacon信号により位置情報を把握して活用したり、IoTデバイスからの生体情報を受信して医療システムに活かすなど、今後はいろいろな応用が考えられるだろう。

 ちなみにDelphiを開発・販売する米エンバカデロ・テクノロジーズ社の親会社である米アイデラ社は2017年8月、米Sencha社の買収を発表した。SenchaはHTML5を活用するJavaおよびJavaScriptのフレームワークで、Webアプリケーションの設計・開発・管理を支援する。Senchaはエンバカデロに統合され、Delphiを軸とする開発ツールビジネスの強化を図る予定。

 ミガロ.ではすでに、SenchaをベースにしたIBM iのWebアプリケーション開発・運用ツールとして「Valence」を提供しているが、今後はDelphi/400でもSenchaによりWebアプリケーションの開発を強化していく方針である。

 コンポーネントによる「連携」を軸にしたDelphi/400のモダナイゼーションは今後、クラウドやIoT、モバイルなどに向けてさらに前進することになる。

 

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