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U研という非日常の「場」でひらめきを得る ~地区研探訪|中国研◎会長インタビュー 立川 忠行氏

U研という非日常の「場」で
新しいビジネスやイノベーションのひらめきを得る

 

立川 忠行氏
中国IBMユーザー研究会 平成29年度会長
株式会社エネルギア・コミュニケーションズ 専務取締役 情報システム本部長

 

岡山研との統合で
中国地区全域に活動の場を広げる

i Magazine(以下、i Mag) まずU研との関わりから教えてください。

立川 2005〜2006年に、中国電力の情報システム部専任部長として、中国研の副会長を務めたのがU研との最初の関わりです。その後、2007〜2010年に(株)中電工の情報システム部長として、中国研会長に就任しました。それからいったん退き、2016年から再び中国研会長を務めることになりました。

i Mag 中国研の今年度のテーマは何ですか。

立川 昨年は岡山研と統合し、今年はIBMユーザー・シンポジウム広島大会が開催されますから、新春例会では、「今、中国研はひとつに! 心に残るシンポジウム広島大会を!」というテーマでお話ししました。中国研はこれまで広島・山口・島根の3県がベースでしたが、昨年に岡山研と統合し、岡山地区の会員の皆さんと一緒に活動することになりました。イベントや研究会は今まで広島で開催することが多かったのに対し、統合後は岡山・広島のどちらの例会にも参加いただけるようになりました。とくに福山地区の会員の方々からは、広島・岡山の両方の例会に参加しやすくなったと喜びの声が寄せられています。統合により、中国地区全域に活動の幅が広がりましたし、シンポジウム広島大会に向けて、中国研が一丸となって取り組んでいく基盤づくりになったと思います。

i Mag 中国研では、主にどんなコンセプトで活動を展開しているのですか。

立川 ヒト・モノ・カネは、情報の発信場所に集中します。そのため東京への一極集中が進んでおり、それ以外のあらゆる地域が、「地方創生」と「産業の活性化」を掲げて、さまざまな努力を重ねています。中国地方も例外ではありません。そこで、ITの利活用に携わるユーザーやベンダーが集まる中国研では、ITを使って中国地方の産業活性化を図ろうと、セミナーや勉強会、IT研究会など、さまざまな活動を展開してきました。ユーザーやベンダー、ビギナーからベテラン、若手からマネジメント層、そして性別や年齢、キャリアを問わず、多様性に富んだ会員に向けて、さまざまなベクトルで情報を発信しています。なかでも若い世代の会員たちが学び合い、啓発し合える「場」を創造していこうと努力してきました。その成果が、少しずつ形になっているように感じています。

i Mag 具体的には、どのような成果として表れていますか。

立川 たとえば2017年12月に開催された「2017年U研ハッカソン」の決勝戦では、全国の地区研から20チーム・94名が参加するなか、中国研からは「ルールを守って・楽しく・簡単・ゴミ出し。Pa!trashと捨てよう!」(こざくらすいっち)が全国研会長賞を、「地産地消サポート レシピBOT 広島ver.」(ぼうけんのしょ1)が審査員特別賞を受賞しました。どちらも若手が中心で、地方創生をテーマにした取り組みです。

それに今年のIBMユーザー論文には中国研から16編が提出され、銀賞1編、銅賞8編に輝きました。上位30編のうち、中国研が9編と3分の1近くを占めるわけですから、これは大きな成果だと喜んでいます。

イノベーションの実現に向けて
日常と異なる「場」に身を置く

i Mag このところ少しずつ会員数が減少傾向を見せており、各地区研の課題となっているようですが、中国研はいかがですか。

立川 それは中国研も同じです。私自身は、これほど素晴らしい活動にどうして参加していただけないのだろうと、とても不思議に思っています。U研、そして中国研の活動の価値をIBMユーザーの方々に十分に伝えきれていないのだとしたら、とても残念です。

i Mag U研活動の価値は、どこにあるとお考えですか

立川 新しいビジネスやイノベーションの創造に向けて、一部の天才を除くほとんどの人たちは仮説検証を繰り返しながら実現の道を探っていきます。なにか仮説を立て、検証し、間違っていれば修正し、あるいは別の仮説を組み立てて、また検証するというプロセスを重ねていく努力が、やがてビジネスやイノベーションに結実します。そのプロセスでは小さなひらめきやインスピレーションの積み重ねが必要ですが、それはデスクに座っているだけでは得られません。「動く」ことが、何より重要です。日常とは違う場に身を置いたり、自分と違う考えをもつ人たちと交流したりすることで、イノベーションに必要なひらめきやアイデア、インスピレーションが得られます。U研はIT研究会やJGS、シンポジウム、iSUC、論文などさまざまな活動を通じて、こうした「場」を提供します。その価値をきちんと伝えられれば、多くの方々が活動に参加されると思います。

i Mag 今年は5社の企業が、IBMユーザー論文に継続的に貢献した会員に送られる「IBMユーザー論文活動貢献賞」を受賞しました。その1社がエネルギア・コミュニケーションズですね。

立川 私は当社の人材育成の一環として、U研を積極的に活用しています。今までの経験から、論文を書くことは人を育てると確信しています。またIT研究会などいろいろな活動に参加するよう、社員に伝えています。ベンダー企業に身を置く立場で思うのは、我々はお客様に対して、常に新しい「価値」を提案していく必要があり、価値を創造できる能力が求められていることです。お客様にとっての価値を考え、創造し、きちんと伝える。それにはやはり、いろいろな方々とお話しし、多種多様な業種・業界の現状や課題を知ることが重要です。そうした能力を鍛えていくのに、U研はとても適した「場」であると考えています。

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