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RPG Code Assistantを「IBM watsonx Code Assistant for i」へ改称、その意味とは ~生成AI活用コーディング支援プラットフォームのメインストリームへ

IBMは5月7日、「IBM watsonx Code Assistant for i」を発表した。これまで「RPG Code Assistant」と呼んできた開発中の生成AI活用のコーディング支援製品を引き継ぐもの。

今回、RPG Code AssistantがIBM watsonx Code Assistant for iに改称されたことは単なる名称変更にとどまらず、IBM watsonx Code Assistantのファミリー入りを果たしたことを意味する。

IBM watsonx Code Assistantは2023年10月に発表された生成AI活用のコーディング支援製品で、IBMが提供する企業向けの生成AIおよび機械学習プラットフォームである「watsonx」がベース。watsonxは、基盤モデルの「watsonx.ai」、データレイクハウス基盤「watsonx.data」、AIの透明性やコンプライアンスを確保するためのガバナンス機能「watsonx.governance」の3つのコンポーネントで構成され、IBM watsonx Code Assistantは、watsonx.aiがサポートする大規模言語モデル「Granite」をベースとするコーディング支援ツールである。

一方、RPG Code Assistantは、IBM watsonx Code Assistant発表の1年後の2024年10月に開発意向が表明されたが、watsonxやIBM watsonx Code Assistantとは別のラインでIBM i開発チームによって独自に開発が進められてきた経緯がある。

今回、RPG Code AssistantがIBM watsonx Code Assistant for iとなったことで、今後、IBM watsonx Code Assistantベースの1つの製品として開発が進められることになる。このことは、IBM watsonx Code Assistantの多様なリソースを利用できることを意味し、IBM watsonx Code Assistant for iが“RPG Code Assistant時代”よりも、より多様な機能を備え、開発がより早く進むことが期待される。

IBM watsonx Code Assistant for iで提供される機能は、以下の4つで、RPG Code Assistantと変化はない。今年7月に提供開始予定のベータ版では「コード説明機能」が搭載されるという。

・古いRPGコードの内容やポイントを解説する「コード説明機能
・開発したいコードをふつうの言葉で指示するだけでコードを生成する「コード生成機能
・ふつうの言葉で指示するだけでテストコードを生成できる「テストコード生成機能
・RPG ⅢコードをFF RPGコードへ変換する「コード変換機能

なお、IBM watsonx Code Assistantのファミリー製品としては、以下がリリース済みである。

・IBM watsonx Code Assistant for Z
 メインフレームCOBOLのJavaへの変換を支援
・IBM watsonx Code Assistant for Enterprise Java Applications
 Javaアプリケーション用のコード生成支援ツール
・IBM watsonx Code Assistant for Red Hat Ansible Lightspeed
 複数のサーバーやマルチクラウドの構成管理を生成AIによって支援

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