三和コムテックは、2025年7月より、IBM i向けのSaaSソリューション「Merlin as a Service」の日本国内での提供をスタートした。
Merlin as a Serviceは、IBM i向けの開発製品である「IBM i Modernization Engine for Lifecycle Integration」(以下、IBM i Merlin)をIBM CloudのIaaSであるIBM Power Virtual Server(以下、PowerVS)に構築し、提供するサービスである。
IBM i Merlinは、Webブラウザで稼働するIBM iの統合開発環境で、開発と運用を連携したDevOpsや、継続的インテグレーションと継続的デリバリー(デプロイメント)を組み合わせて開発の各ステージを自動化するCI/CDツールなど、IBM iのアプリケーション開発をモダナイズするために必要なツールが内包されたソフトウェア群である。
しかし、IBM i MerlinはIBM iユーザー企業にとって、IBM iとは異なるプラットフォームであるRed Hat OpenShift(以下、OpenShift)上に構築するコンテナ・アプリケーションであり、導入の難しさがあった。
たとえばOpenShiftやコンテナに関する知識や環境設定、IBM i Merlinの操作方法など、覚えるべきスキルやノウハウの多さが、導入の壁になっていたのである。
そこで三和コムテックは、IBM iユーザー企業がOpenShiftを活用したモダナイゼーションに迅速に取り組めるよう、IBM i MerlinのSaaS型サービス「Merlin as a Service」の提供を開始した。
同サービスには、クラウド環境でIBM i Merlinを利用するための料金、およびOpenShift を含めたIBM i Merlinの環境構築、運用サポート(IBM i MerlinおよびOpenShiftの定期的なバージョンアップを含む)、IBM i Merlinの操作教育(ハンズオントレーニング)、問い合わせサポートなどが含まれている。
これにより、OpenShift環境の運用と維持管理におけるユーザー企業の手間を代替することで、ユーザーはアプリケーションの開発やビジネスに集中できるようになる。
Merlin as a Serviceでは、三和コムテックの所有するPowerVS上にOpenShift環境およびIBM i Merlinを新規構築する。ユーザー企業はPowerVS上にIBM iの開発環境を用意し、三和コムテック側のIBM i Merlinと接続することになる。OpenShiftの画面操作は不要で、IBM i Merlinの画面にのみアクセスできる。
上記のトレーニングや問い合わせサポートは、三和コムテックが長年取り扱い、IBM i Merlinにも組み込まれているIBM i アプリケーションのモダナイゼーションに向けたソフトウェア群であるARCAD製品のDevOpsソリューションをベースにしている。
こうしたワンストップサービスの提供により、IBM i アプリケーションの新たな業務要件や利用モデル、最新テクノロジーに対応するアプリケーションへのモダナイゼーションを実現するとともに、ユーザー企業に迅速に、効率的な開発環境を提供することが可能になるとしている。
[i Magazine・IS magazine]