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eSmart Photo Shot ~IBM iのクラウド環境で稼働する写真撮影管理システム

物流業務での写真管理ニーズが
開発の契機に

物流、建設、製造など業種を問わず、現場で撮影した大量の写真データを効率的に管理したいというニーズは高い。それに対応したのが、イ—ルック・ソリューションズの提供する写真撮影管理システム「eSmart Photo Shot」である。

「当社では物流向けシステム開発の実績が豊富で、2021年に10社ほどのお客様を回って、現状の問題・課題に関するヒアリングを実施しました。そこで浮上したのが、写真管理(撮影と仕分け)業務でした。現場で撮影する大量の写真データの管理に、大変に苦労されている現状が明らかになったのです」と語るのは、イールック・ソリューションズの代表取締役である大橋晃治氏である。

物流業務の現場では貨物の梱包作業や配送車への積み込み・積み卸ろし、コンテナへの貨物の出し入れなど、さまざまなタイミングで写真を撮影する。

写真が必要な場合に担当者はデジタルカメラからSDカードを取り出し、PCで管理したり、荷主の問い合わせに応じて該当する写真を探したりする業務に追われる。またシャッターは壊れやすい部品なので、デジタルカメラの買い替えも相当な頻度で発生する。

それらユーザーが抱える問題を解決するために開発したのが、eSmart Photo Shotである。使い慣れたスマートフォンで写真を撮影すると、撮影日時や撮影場所、工程、シリアルナンバーや工事ナンバーなどの管理番号、手書きメモなどの属性情報を付加し、即座にサーバーへ送信。同時に自動仕分けを行う。

サーバーに送信・自動仕分けされた写真データは撮影現場のスマートフォンからも、管理事務所や拠点、取引先など現場とは離れた場所にあるPCからも、即時に共有・検索・参照が可能になる。

また工程ごとに撮影の有無が表示されるので、これを進捗管理のチェックリストや照会機能としても活用できる。

さらにスマートフォンの機能を使って、コンテナに記載された番号を撮影し、OCRを使って読み取ることも可能。同様に手書き文字のスキャンや音声認識によるテキスト化にも対応する。

煩雑な写真管理業務を効率化するとともに、作業や工程の進捗管理、トラッキングやトレーサビリティの実現にも役立つわけだ。

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IBM iベースで
LANSAとaXesにより開発

IBM iでの開発実績が豊富な同社では、eSmart Photo Shotを実現するにあたり、IBM i上で、「LANSA」(ランサ・ジャパン)および5250画面のWeb化ツールである「aXes」「aXes Mobile」(フェアディンカム)を使って開発した。

クラウドサービスでの利用が基本で(ユーザーの要望に応じてオンプレミスでの運用にも対応)、同社が管理するIBM iのクラウドサービスがベースとなる(クラウドサービスでの送受信には256Bit SSL暗号化方式を採用することで、セキュリティ性を担保している)。

現場で写真を撮影すると、データがスマートフォンから即座にクラウド環境にあるIBM i上のIFSに送信され、さらにそこからやはりクラウドベースのWindowsストレージに送り、自動仕分け・保存する。

電波状況の悪い現場で撮影する場合は、サーバーへ送信せずにローカルでいったん保存して、電波状況が改善した場所から一気に送信することも可能である。

同社ではヒアリング後に写真管理の課題を整理し、5カ月程度の開発期間でeSmart Photo Shotを完成させた。すでに4社がトライアル利用を終了し、まもなく本稼働に入る予定だ。

利用に際しては、工程やフロー、管理番号など、ユーザーごとの要件に応じたカスタマイズが必要で、2〜3カ月程度の準備期間を設ける。

クラウドサービスの場合は月額の基本料金3万円に、スマートフォン1台当たりの月額利用料金が5000円となる(スマートフォン機器費用は含まず)。初期費用(カスタマイズ料金を含む)は別途。BOXなどのクラウド型ストレージで写真を管理したいといったニーズにも、カスタマイズで対応していく。

同社では物流業務だけでなく、多種多様な業種・産業分野でeSmart Photo Shotへのニーズがあると考えている。作業工程などの進捗管理・業務変遷に応じた対象物(輸送品、加工品・中間製品、製品・商品など)の写真を、スマートフォンで簡単に撮影し、膨大な写真データを効率的に管理したいと望むユーザーは多いだろう。まずはトライアル版の提供で、そうしたユーザーにアプローチしていくようだ。

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イ—ルック・ソリューションズ株式会社 
http://www.elook.jp/

 

[i Magazine 2022 Summer(2022年7月)掲載