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メタバースは「インターネットの次のバージョン」、2026年までに25%の人が1日1時間以上をメタバースで過ごす ~Gartnerがメタバース動向を予測

 

 

Gartnerは2月7日(現地時間)、「2026年までに25%の人が1日1時間以上メタバースで過ごす」との予測を発表した。「25%の人が、仕事、ショッピング、教育、ソーシャル、エンターテイメントなどの目的で、1日に少なくとも1時間をメタバースで過ごす」という。また「2026年までに、世界の企業/組織の30%がメタバースに対応した製品やサービスを利用する」との予測も公表した。

この予測の根拠や理由は発表文では示されていないが、1月28日に「メタバースとは何か」と題する記事を公開しているので、そちらも参照しながらGartnerの主張を見てみよう。

まず、メタバースの定義。Gartnerは、「仮想的に強化された物理的現実とデジタル・リアリティが融合することで生まれる、集合的な仮想共有空間」とし、「物理的に持続し、没入感の高い体験を提供するもの」と定義している。

技術的には、「デバイスに依存せず、タブレットやヘッドマウントディスプレイなど、あらゆる種類のデバイスからアクセスできるもの」で、「拡張現実(AR)やARクラウド、IoT、5G、AI、空間技術など複数の技術要素で構成される」という。

そして、「メタバースの概念を理解するためには、“インターネットの次のバージョン”と考えるとよい。インターネットは掲示板やオンラインから始まったが、それはやがて仮想的な共有空間となり、今後はメタバースへと発展していくからである」という説明も加えている。

 

メタバースの要素 Source:Gartner、2022
メタバースの要素 Source:Gartner、2022

 

Gartnerは、「メタバースは、人々が日々接しているあらゆるビジネスに影響を与える」と指摘する。たとえば仕事の進め方では、「臨場感あふれるバーチャルなスペースで仕事をすることによって、従業員のエンゲージメントやコラボレーション、コネクションが向上し、ビジネスモデルは強化・拡大される方向へ向かう」と述べる。また多様な業種でビジネスチャンスが生まれ、高等教育や医療、軍事などの業種では、「より没入感のある学習体験を提供できる」という。

ただし、企業/組織はメタバースのこうしたメリットを享受・提供するために独自のインフラを構築する必要はない。メタバースに対応する多様なインフラ/サービスがベンダーから提供されるからで、Gartnerは「2026年までに、世界の企業/組織の30%がメタバースに対応した製品やサービスを保有するようになる」と予測している。

その一方、メタバースはまだ初期段階なので、「企業/組織は投資を抑制すべき」と提言している。とはいえ、メタバースはビジネス・イノベーションを推進する画期的なテクノロジーの1つである。「企業/組織は、メタバース関連の技術を特定し、検討し、追跡する必要がある」とも述べている。

 

・「Gartner Predicts 25% of People Will Spend At Least One Hour Per Day in the Metaverse by 2026」(英語)
・「What Is a Metaverse?」(英語)

[i Magazine・IS magazine]

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