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2029年までに100万量子ビット、グーグルが開発タイムラインを公表 ~製造設備もある研究・開発センター「Google Quantum AI Campus」も公開

グーグルは5月11日に開催した年次イベント「Google I/O」で、開発中の量子ハードウェアのタイムラインと、新しい研究センター「Google Quantum AI Campus」を公開した。

基調講演に立ったサンダール・ピチャイCEOは、「私たちは数年に及ぶ(量子コンピューティングの大きな目標へ向けた)旅の始まりにいるのにすぎません」と述べたうえで、次のマイルストーンは「エラー訂正機能をもつ物理量子ビットの開発」と語った。

そして量子情報を長期間保持できるエラー訂正機能をもつ物理的な量子ビットを開発したその次は、「物理量子ビットを1000個集めて1つの論理的量子ビットを開発し、それを1000個集めた論理的な量子ビットへとスケールアップします」と、構想を披露した。

その100万量子ビット(1000個×1000個、10の6乗個=下図)の実現時期について、同社の量子AI部門を統括するヘルトムート・ネベン氏は、「2029年までに大規模なビジネスおよび科学的計算をエラーなく実行できる商用量子コンピュータを開発します」と、米ウォール・ストリート・ジャーナル紙(5月18日付電子版)のインタビューに答えている。グーグルの量子ハードウェアは現在100量子ビット未満で100万量子ビットとは大きな開きがあるが、「10年以内に実現可能」という。

グーグルの量子コンピューティング開発のタイムライン。ピチャイ氏が基調講演で紹介

公開されたGoogle Quantum AI Campusは、量子ハードウェア/ソフトウェアの研究・開発のほかに、量子ハードウェアの製造まで一貫して行える設備をそろえているのが大きな特徴である。すでに数十名の研究者・エンジニアが働いており、今後数百名規模になる予定という。同センターはカリフォルニア州サンタバーバラにある。

・オンラインイベント「Google I/O」(登録後、オンデマンドで視聴可能)

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