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HA・DR・バックアップソリューション | LaserVault Backup V4、LaserVault ViTL、MIMIX9 

 

 

災害対策・データ保全
ソリューションをアピール

 日本で約300社が利用するIBM i向けHAツール「MIMIX」の日本市場への導入企業として知られ、その後、DR、バックアップツールへとソリューションの幅を広げてきた三和コムテックが、主要ツールのバージョンアップに合わせて、マーケティング/プロモーションに力を入れている。

 その理由について執行役員の東條聡氏は、「最近、地震や台風による自然災害が増えているのを受けて、IBM iの災害対策やデータ保全に関するお問い合わせが増えています。その一方で、一部のお客様の間に“自然災害慣れ”とでも言うべき風潮が広がりつつあるのも感じています。そうしたお客様へ向けて、あらためてIBM iのHA、DR、バックアップソリューションについて理解を深めていただきたく、活動の機会を増やしています」と話す。

 以下、同社が注力するデータ・バックアップ、HA・DR製品の新機能を紹介しよう。

 

システム・バックアップと
ブートDVD作成に対応

 IBM i向けのD2D(Disk to Disk)バックアップ・ソリューションであるLaserVault Backupシリーズでは、TCP/IPでディスク接続するタイプとファイバーチャネル接続タイプの両製品で機能拡張が行われた。

 TCP/IP接続タイプの新バージョン「LaserVault Backup V4」では、新たにシステム・バックアップが可能となり、ブートDVDの作成にも対応した。クラウド&サーバー事業部の福井理雄技術部長は、「ブートDVDにはIBM i(OS)のほかLaserVault Backupもセットされるので、有事の際にはそれを使ってIBM iを立ち上げ、バックアップされたデータをリストアできます。V4は、これまでのD2Dの概念を大きく広げる、システムの復旧にも貢献するソリューションです」と説明する。

 一方、現行のLaserVault UBDの後継バージョンとなる「LaserVault ViTL」では、仮想テープ・ライブラリソリューションへの対応が行われた。前バージョンのUBDは単体のテープ装置のみのサポートだったので、対象にできるテープ装置を格段に増やすことができる。

 また、IBMのBRMS(Backup Recovery and Media Services)やRobot/SAVEのコマンドでバックアップ/リストアでき、ファイバーチャネル接続のほかに、新たにSAS接続も可能なった。

 

レプリケーションの機構を
全面改訂したMIMIX9

 三和コムテックでは1993年からMIMIXを販売している(当時のバージョンは3.2)。以来、2?3年ごとに新バージョンをリリースし、この11月に新たに「MIMIX 9」を投入する予定である。福井氏は、「新バージョンのMIMIX 9ではレプリケーションの方式が根本的に変更され、従来より最大で10倍程度、高速処理が可能になりました」と、次のように語る。

「前バージョンの8.1までは、本番機のデータをバックアップ機にアプライする際、そのジョブ数は最大6でしたが、バージョン9では新しいエンジンの搭載によりその制約がなくなり、インテリジェントなマルチスレッド化機能を実装しました。これにより、複製データの数やボリュームの急増にもダイナミックに対応でき、高速処理を実現します」

 また、ダッシュボードも再設計され、PC、タブレット、スマートフォンのそれぞれに最適なグラフィカルなインターフェースが提供された。色分けされたダッシュボード上で、レプリケーションの状況やスループットなどが一目でモニター可能である。

 このほか、本番機がダウンした場合の、その時点のRPO(Recovery Point Objective:データ復旧の目標値)とRTO(Recovery Time Objective:データ復旧の目標時間)を分析・可視化する機能や、非同期データを検出するHA監査機能、さらにDb2テンポラルテーブルやRCAC(行および列のアクセス制御)のサポートなどが追加された。

 

ライセンス体系を一新した
Carboniteシリーズ

 Carboniteは、従来のDouble-Takeを改称した製品である。改称に合わせてライセンス体系が大幅に変更され、Double-Takeが多数のファミリー製品で構成されていたのに対し、仮想環境向けの「Carbonite Availabirity Virtual」と物理環境向けの「Carbonite Availabirity Physical」の2製品に集約された。ユーザーは、Double-Takeで提供されていたWindows用、Linux用などすべての機能を1つの製品で利用できる。

 

 

[i Magazine 2018 Winter(2018年11月)掲載]