Home IBM i 30周年 IBM i 30周年[03 of 30]IBM iの価値を伝える永遠のエバンジェリスト 安井 賢克 氏 

IBM i 30周年[03 of 30]IBM iの価値を伝える永遠のエバンジェリスト 安井 賢克 氏 

by kusui

IBM iとともに30年
エバンジェリストとしての新たな出発

安井賢克氏

ベル・データ株式会社 社長室
パワーシステム・エバンジェリスト

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ユーザーが自信をもって
IBM iを使い続けられるように

i Magazine(以下、i Mag) 日本IBMでは、いつからIBM iを担当しましたか。

安井 AS/400が発表されたのは、1988年6月21日です。その10日後の7月1日、私はIBM APTO(当時)という組織で、中小型システム製品企画に配属されました。ここは日本を含むアジア太平洋地域を対象に、AS/400の製品企画を担当する部署であり、それ以来、2017年10月末に退社するまで約30年間ずっとIBM iを担当してきました。ハードウェアやソフトウェアの製品企画、ソリューション、あるいは米ロチェスター研究所での駐在など、仕事の内容は少しずつ変わったものの、一貫してIBM iに携わりました。

i Mag エバンジェリストとして活動を開始したのはいつですか。

安井 2006年です。その年、日本IBMではマーケティング施策の一環として、製品情報発信の中核となる人材を育て、外部に向けて常に同じ人間が情報を発信する、つまり「人」と「製品情報」を合致させたほうが効果的ではないかと考え、エバンジェリスト制度を発足させました。私はIBM iの初代エバンジェリストであり、退社する日まで続けました。日本IBMではさまざまな分野のエバンジェリストが活動していますが、同じ製品を同じエバンジェリストがずっと担当するケースは、珍しいのではないかと思います。

i Mag ベル・データへの入社を決めた理由を教えてください。

安井 日本IBMで定年を迎えるに際し、今までのスキルを活かせる道は何かを考えました。ベル・データはそれなりの規模で体制や人員を整備し、明確な経営ビジョンをもったうえで、IBM i市場の拡大にコミットメントしています。この会社であれば、IBM iに関する自分のスキルをさらによい形で活かせるのではないかと判断して、入社を決めました。

i Mag 安井さんは、エバンジェリストの役割は何だと考えていますか。

安井 私は常日ごろから、エバンジェリストに必要な資質は「技術力」ではなく、「国語力」だと言っています(笑)。IBM iを使う正当性を伝え、今後も使い続ける価値があることを納得していただき、まだ使っておられないお客様であれば、IBM iの優位性に目を向けていただく。またビジネスパートナーの方々には、IBM iビジネスの価値、その潜在力や将来性を実感していただく。つまりお客様が自信をもってIBM iを使い続けられるように伝達し、説得し、共感していただくことがエバンジェリストの仕事だと思っています。

 

ユーザーの要望が
これからのIBM iを育てていく

i Mag ベル・データでもエバンジェリストの肩書きで活動されていますが、日本IBM時代と違いはありますか。

安井 「IBM i市場を拡大する」というミッションは同じです。ただ日本IBM時代は、どのビジネスパートナーの方々とも等距離であることが必要でした。ベル・データに移った現在は、ビジネスパートナーの1社として、IBM i市場の拡大に取り組むわけですから、当然ながらベル・データからの発信情報が多くなります。ただし私は、あまりベル・データ色が強く出ないように心がけています。目的はあくまでIBM i市場の拡大であり、お客様やビジネスパートナーの方々に必要な情報をきちんとお伝えしようと思っています。

i Mag 具体的には、エバンジェリストとしてどのような活動を展開していますか。

安井 セミナーやイベントでお話ししたり、お客様のもとに出向いてご説明するのは以前と変わりません。それに加えて社内への情報発信とスキルトランスファーに注力しています。つまりお客様へ製品情報を正確にお伝えする、ご相談や悩みに的確に応じる、問題解決に向けてメーカーと交渉するといったスキルですね。週1回、IBM iの新しい動きを解説するメールマガジンを社内に向けて発信するなどしています。

i Mag 日本IBM時代と比べて、IBM iの情報量に違いは感じますか。

安井 IBM iを設計・製造・販売する、いわば情報の震源地であるIBMにいたころと比べれば、努力せずに入手できる情報は当然ながら少なくなります。だから積極的かつ能動的に、IBM i情報を得ようと努力しています。米ロチェスター研究所のアーキテクトなど、日本IBM時代に築いた人的ネットワークを最大限に活かしつつ、米国発信のWebinarなどへも積極的に参加しています。またベル・データでは、日本IBMにいたころに比べるとお客様と直に接する機会が増え、現場に近い声が聞けるようになったので、IBM i情報をどう活かしていくかを考えるうえで大きな力になっています。

i Mag IBM i市場はかねてから、情報不足が指摘されています。

安井 確かにIBM iは、よさを理解するのに時間のかかる製品です。オープン系のように、情報が満ち溢れているわけではありませんからね。またテクノロジーは説明できても、お客様目線でその情報をかみ砕き、価値を伝えるのは難しい仕事です。だからこそエバンジェリストだけでなく、誰もがそうした情報を発信できるようになることが、市場の拡大につながると考えています。

i Mag IBM iは、今後も変わらず提供され続けていくのでしょうか。

安井 そうですね、IBMは製品の提供を続けると思います。でも今は、メーカーが一方的に企画・設計した製品を販売していく時代ではありません。製品はユーザーによって育てられます。米IBMでもIBM iユーザーからの意見や要望、リクエストを収集し、製品設計や機能拡張に反映しています。リクワイヤメントを受け付ける窓口は日本にも開かれており、Webから米IBMへダイレクトに伝えることが可能です。日本のIBM iユーザーの方々からIBMへ積極的にリクエストを発信していくことが、今後の30年に向けて、IBM iを育てていく力になると信じています。

 

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