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IBM iユーザーのクラウド化をトータルに支援する「イグアス 総合クラウドサービス for IBM i」 ~移行準備からミドルウェア/アプリケーションの提供、運用支援も

「イグアス 総合クラウドサービス for IBM i」

 

イグアスが5月12日にリリースしたIBM iユーザー向けのクラウドサービス「イグアス 総合クラウドサービス for IBM i」への引き合いが相次いでいるという。

このサービスは、IBM Cloudの「IBM Power Systems Virtual Server(以下、Power Virtual Server)」への移行準備から移行作業、ミドルウェア/アプリケーションの提供、運用支援までをトータルにカバーするもので、クラウドへの移行に難題を抱えるIBM iユーザーの現状を打開するサービスとして注目される。同社に取材したのでレポートしてみたい。

「i Magazineのユーザー調査やiEVO 2020で当社が行ったアンケート結果などを見ると、IBM iのお客様のクラウドへの移行は、まだこれからという段階にあります。この背景には、移行へ向けた準備のための要員の不足や、クラウドに関する知識・スキルの不足、クラウド移行後の運用に対する不安などがあり、大きな壁となっています。Power Virtual Serverはそのような状況に登場した画期的なIaaSサービスですが、要員不足やスキルギャップの課題を抱えるお客様がスムーズな移行を実現するには、私どものようなベンダーによるさまざまなご支援が必要だと考えています」と、イグアスの結城敬宜氏(ソリューション事業部 ソリューション本部 本部長)はサービス提供の背景を話す。

「イグアス 総合クラウドサービス for IBM i」の特徴は、クラウドへの移行準備から移行作業、ミドルウェア/アプリケーションの提供、運用サポートまでをトータルにカバーし、一括でサービスを提供している点である。

移行準備は、IBM i資産の棚卸しからスタートし、調査を基にクラウドへ移行させてよいものと変更・改善後に移行させるべきものを分けて優先順位を付け、現実的な移行計画を策定(=Phase-1)。Phase-2では、Phase-1の移行計画を基にPower Virtual Server上でシステム構成した場合のコストを算出。さらに机上の計算通りにパフォーマンスが出るかを、Power Virtual Server上でテスト環境を組んで検証を実施。そしてPhase-3で実際の移行、運用へと進んでいく流れである。

イグアスの宗山英一郎氏(ソリューション事業部ソリューション本部ソリューション営業部部長)は、「クラウドに取り組もうとしても何から手を付けてよいのかわからないというお客様が非常に多くおられます。そこでクラウド移行のために必要な事項を整理し、お客様にとってわかりやすく段階を追って進んでいけるようにしたのが、Phase-1~Phase-3のサービス構成です」と説明する。

「イグアス 総合クラウドサービス for IBM i」
「イグアス 総合クラウドサービス for IBM i」のPhase-1~Phase-3

「イグアス 総合クラウドサービス for IBM i」は、約20種のミドルウェア/アプリケーションをメニューで用意し、月額課金で提供する点も大きな特徴である。ユーザーは必要なミドルウェア/アプリケーションを選択して利用でき、支払い先をイグアスに一元化できる。サポートの一次的な窓口もイグアスになる。

サポート窓口の一元化はPower Virtual Serverに関しても同様で、Power Virtual Serverをユーザーが個別に契約する場合は英語でチケットを切ってサポートを依頼する必要があるが、「イグアス 総合クラウドサービス for IBM i」ではイグアス宛てに日本語で済ませることができる。

メニューにリストされているミドルウェアやアプリケーションは、IBM iの各分野でトップクラスの実績をもつ製品ばかりである。オンプレミスで利用中の場合は「ライセンスをPower Virtual Serverに持ち込める」(結城氏)ので、よりスムーズに移行できそうだ。

「イグアス 総合クラウドサービス for IBM i」
「イグアス 総合クラウドサービス for IBM i」で提供するミドルウェア/アプリケーション

そのほかの特筆事項としては、1次言語の設定を「日本語2962」で提供している点が挙げられる。Power Virtual Serverの1次言語は「英語2924 SBCS」なので、IBM iユーザーが日本語でPower Virtual Serverを利用するには言語コードの置き換えが必要になるが、「イグアス 総合クラウドサービス for IBM i」では日本語コードが初期設定なので、「非常に煩雑」と言われる置き換え作業が不要になる。

「Power Virtual Serverでは2次言語として「日本語2930」を設定済みで、「日本語2962」を使うには新規の導入が必要になりますが、日本のお客様の大半は日本語2962を使っておられるので、そちらを1次言語にしました」と、イグアスの須藤正夫氏(ソリューション事業部ソリューション本部ソリューション営業部)は話す。

Power Virtual Serverは、東京リージョンに加えて大阪リージョンでも利用可能になり、IaaS基盤が充実しつつある。ただし、IBM iユーザーがPower Virtual Serverを本格的に利用していくにはIaaS基盤の充実だけでは不十分で、「イグアス 総合クラウドサービス for IBM i」のようなベンダーによるサポート/サービスが必要になるものと思われる。

 

・「イグアス 総合クラウドサービス for IBM i」リリース 

[i Magazine・IS magazine]

 

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