100年存続する企業を目指し 新たな戦略・体制・施策を展開|小野寺 洋氏◎ベル・データ

ハイブリッドクラウド、ネットワーク&セキュリティ、

開発&SIを、戦略の3本柱に据える

 

小野寺 洋氏
ベル・データ株式会社 代表取締役社長

強力な営業力を核に、IBM iからインフラ系、ソリューション系、クラウドサービス、そして開発&SIへ、幅広い領域に進出し続けるベル・データ。この10年、代表取締役社長としてその成長を牽引してきた小野寺洋氏が、今後に向けた同社の戦略を語る。

 

 

新規領域の拡大と深掘りで
事業を大きく拡大

i Magazine(以下、i Mag) 2007年4月に代表取締役社長に就任されて丸10年が過ぎました。この間、ベル・データの事業は大きく成長しましたね。

小野寺 社長に就任してすぐに、中古ビジネス主体の事業方針を大きく転換しました。IBM iの新規システム販売を積極的に展開し、日本IBMとは保守協業を締結しています。さらに販売戦略として、「新規領域の拡大と深掘り」を徹底しました。それまでのIBM iのお客様に対して、ネットワークやストレージ、オープン系サーバーなどのインフラ系を中心に、IBM i以外のニーズにも広くお応えできるように販売体制や商品ラインナップを拡充したのです。さらにその後、ミドルウェアやソリューション領域にも進出し、現在は開発やSIサービスも手掛けています。

こうした事業戦略が奏功し、社長就任時に約25億円であった売上高は現在約68億円へ(2017年9月末)、社員数は85名から223名に成長しました。IBM iの中古マシンが中心であった約900社のお客様数は、現在新規のIBM iからインフラ系やソリューション系などを含め3000社に拡大しています。今年度からは、5カ年の新たな中期経営計画がスタートしました。これは取締役と本部長クラスを中心に策定したものですが、5年後には売上100億円を目指します。スローガンは、「100年存続する企業」になることです。

i Mag 100年存続する企業とは、どのような企業だと思いますか。

小野寺 私はモットーとして、「仕事に対して、そして社会に対して、常に誠実であれ」と社員に伝えていますが、最も重要なのはほかの誰でもなく、社員のための会社であること、満足して働ける、楽しく仕事のできる会社であることです。社長に就任したとき社員1人1人に面接し、「ベル・データをどのような会社にしたいか」と問いかけました。するとある社員が、「自分の子供たちが働きたいと思える会社に」と答えたのです。その言葉がとても印象的でした。100年存続するには、それが何より重要だと思っています。

i Mag  5年後に売上100億円を実現するための事業戦略を、どうお考えですか。

小野寺 事業戦略の柱は、大きく3つあります。ハイブリッドクラウド、ネット&セキュリティ、それに開発&SIです。当社ではクラウドセンターに設置したPower SystemsとIBM iのリソースをネットワーク経由でご利用いただく「Power Cloud for i」というサービスを展開しており、IBM iのオンプレミス環境とクラウドサービスをお客様にとって最適な形で連携・運用させられるよう、今後も多彩なサービスを提供していく予定です。

こうしたサービスの中核となる新しいデータセンターを10月10日、NTT東日本様との協業により、さいたま新都心でサービスインしました。当社では北海道から沖縄まで全国十数カ所にデータセンターを展開していますが、首都機能の一翼を担う業務拠点として防災整備が進むさいたま新都心に新たなセンターを開設し、そこに運用監視センターを併設しました。データセンターにはCEを24時間常駐させることで、対応力やサービス品質をさらに向上させることができました。

i Mag ネット&セキュリティ、そして開発&SIについても教えてください。

小野寺 ネットワーク&セキュリティは今までご提供してきたインフラ系のサービスに、とくにセキュリティ性を高めてレベルアップさせていきます。またIoTやコグニティブなど新たなアプリケーション領域を見据えながら、開発力とSI力を強化して、お客様のニーズに全方位でお応えしていきます。SIについては、当社がお客様からダイレクトに開発を受託し、プロジェクトマネージャー(PM)を派遣しつつ、実際の開発業務ではSIベンダーとの協業が不可欠だと考えています。当社でもPMの育成には力を入れていきますが、SIerの方々と競合する気は毛頭なく、パートナーとしての協業体制を築いていくつもりです。

 

パートナリングで
IBM iの市場活性化へ

i Mag パートナー施策は、経営戦略で重要な役割を果たすことになりそうですね。

小野寺 そのとおりです。「営業力」という観点で見たとき、強化すべき施策は3つあります。まず直販の営業力。これは当社が従来から強みとしてきた領域であり、今後も変わらず注力していくつもりです。次に、パートナー協業です。自社だけでお客様を見つけ、自社だけでお客様の要望に応えていくのは限界があります。そこでパートナーの方々と協力しながら、お客様の隠れたニーズを発見していきたいと考えています。すでに当社では320社のベンダーとパートナー網を構築し、販売の拡大に尽力しています。

i Mag 3つ目は何でしょうか。

小野寺 メーカー的ビジネス展開です。「メーカー的」というのは独自のオリジナル製品を提供できるという意味であり、オリジナリティやブランド力という点で、当社が今後開拓すべき領域です。インフラ系に比べると、当社のアプリケーション分野のスキルはまだ十分ではなく、営業担当者も技術者もあらゆる学習の機会を捉えてノウハウの獲得に取り組んできました。しかしこの領域に関しても、自社単独ではなく、M&Aまで視野に入れつつ、開発力やブランド力をもつベンダーと協業しながら、実績を築いていきたいと考えています。

1社だけの努力では、お客様の多様なニーズに対応できません。ベンダー同士が助け合い、ともに考え、お客様を支援する「パートナリング」こそが重要です。

i Mag IBM i市場については、どう考えていますか。

小野寺 IBM iは今後も変わらず、当社の中核ビジネスであり続けます。またIBM iこそ、パートナリングによる市場活性が最も求められていると考えています。今年11月には、日本IBMでIBM iのエバンジェリストとして活躍した安井賢克を当社に迎え、IBM iのプロモーションをこれまで以上に強力に展開していくつもりです。

また我々のお客様である中堅・中小企業の方々が何を求めておられるか、それに必要なインフラ環境やアプリケーションをどうご提供していくかを考える社長直轄の組織として、新規事業開発室を設置しました。IBM iを核に、コグニティブやIoTなどの最新ソリューションまで、お客様の多様なニーズにお応えできる最高のITソリューション・インテグレーターを目指していくつもりです。

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i Magazine 2017 Winter(11月)掲載