Home IBMユーザー・シンポジウム Interview|知念 吉和 第57回 IBMユーザー・シンポジウム沖縄大会  実行委員長  ~自然・歴史・ゲノム・文化・産業・IT、美ら島で研鑽と交流、体験を深める

Interview|知念 吉和 第57回 IBMユーザー・シンポジウム沖縄大会  実行委員長  ~自然・歴史・ゲノム・文化・産業・IT、美ら島で研鑽と交流、体験を深める

by kusui

知念 吉和氏

第57回IBMユーザー・シンポジウム 沖縄大会 実行委員長

大同火災海上保険株式会社
情報システム部 システム管理課 主管

5月23日(木)・24日(金)の2日間、第57回 IBMユーザー・シンポジウム沖縄大会が開催される。
沖縄での開催は4回目で10年ぶり。今回の大会では、豊かな自然と奥深い歴史・文化をもち、
近年では学術の拠点ともなりつつある沖縄の多面的な魅力を、
基調講演、特別講演、地域セッション、地域見学会などを通して体験できるプログラムが組まれている。
知念吉和 実行委員長に大会の狙いと抱負をうかがった。

 

 

 

春先の風に吹かれて
つながり合う

IS magazine(以下、IS) 沖縄でのIBMユーザー・シンポジウムは10年ぶりだそうですね。

知念 そうです。前回は2009年の開催です(第47回)。興味深いことに、その前も10年前で(第37回大会)、1989年の第27回大会から10年ごとに開催されてきています。こうしたことは他の地区研にはないようですね。

IS やはり沖縄の魅力が大会を引き寄せるのですね。大会テーマの「美ら島Mixつながる世界 ~新風(みぃ~かじ)とともに~」にはどのような思いを込めているのですか。 

知念 「美ら」は沖縄の方言で「美しい」とか「綺麗な」「清らかな」という意味で、美ら島は沖縄を指しています。沖縄は、歴史をさかのぼると東アジア諸国との仲介貿易で栄えた島国ですから、人を迎えること、歓迎することを非常に大切にする伝統があります。その沖縄で全国の皆さんをお迎えして、人と人とがつながり合う、楽しい交流の会をいたしましょう、という思いを込めています。「Mix」は「交わる」「親しくする」の意味ですが、沖縄方言に直すと「チャンプルー」になります。あのゴーヤチャンプルー、豆腐チャンプルーのチャンプルーですね。そして「新風(みぃ?かじ)」は、春先に吹く気持ちのいい風を指しています。

IS 大会プログラムのほうも着々と固まっているようですね。

知念 プログラムの構成は例年と大きく変わりません。IBMユーザー論文・JGS研究プロジェクト論文の発表と日本IBMの講演があり、基調講演、特別講演、交流会、地域セッション、地域見学会という内容です。

 

世界初、サンゴのゲノム解析
佐藤矩行教授が基調講演

IS 基調講演と特別講演の内容をご紹介いただけますか。

知念 基調講演には、サンゴのゲノム解析で世界的に有名な沖縄科学技術大学院大学(OIST:オイスト)の佐藤矩行教授が登壇されます。サンゴは、共生している「褐虫藻」と呼ばれる微細藻類から養分を得てサンゴ礁を作るそうですが、そのサンゴ礁は地球上の全海域の1%にも満たない面積であるにもかかわらず、全海洋生物の25%の生命を育む非常に重要な場所だそうです。それゆえサンゴ礁の死滅は生態系の危機でもあり、なぜサンゴが死を迎えるか、海水・海洋の変化をどう受けるか、遺伝子レベルの解明が待たれていたそうです。そこへ先生が率いるOISTの研究チームが世界初となるサンゴの全ゲノムの解読に成功し、一躍、世界的に知られるようになったわけです。

 実はこの研究成果に大きく貢献したのが、地元の恩納村漁業協同組合であったことを、皆さんにぜひ、お伝えしたいと思います。佐藤先生も「長年にわたる漁協の皆さんの研究とそれに基づく知見はものすごい」と称賛されています。OISTは沖縄県や地元企業とのコラボレーションを積極的に行っていますが、佐藤先生はその先駆者と言える方です。そしてそのOISTは、学生の半数と教授の6割が外国人で、理事のなかには4人のノーベル賞受賞者がいるという大変ユニークな大学院大学です。

 ご講演では、サンゴのゲノムという分子の世界を覗くことが沖縄の自然を見ることになり、地球の生命全体の動きにも連なるようなお話が聞けるのではないかと期待しています。

 

「島唄」の宮沢和史氏が
特別講演に登壇

IS 特別講演の宮沢和史さんは、あの「島唄」の宮沢さんですか。

知念 そうです。宮沢さんは今、沖縄に住んでおられて、アーティスト活動と並行して沖縄にゆかりの深いプロジェクトをいろいろと推進しています。演題の副題にある「くるちの杜 100年プロジェクト in 読谷」は、宮沢さんの「100年後の沖縄をくるちの杜でいっぱいにしたい」という思いに賛同した方々によって始められたプロジェクトです。「くるち」とは、沖縄文化の象徴である三線の棹の原料となる「黒木」(沖縄黒檀)で、それを100年かけて育てていこうという取り組みが沖縄中部の読谷村から始まっています。

 もう1つの副題の「沖縄・宮古・八重山民謡大全集?うたかた」は、宮沢さんが「沖縄民謡を次世代に伝えたい」との思いで制作した17枚組みCDボックスのタイトルです。これは非売品ですが、宮沢さんは商業ベースにのせることなどを考えずに、2012年から4年をかけて沖縄・宮古・八重山の唄い手約250名を訪ね歩き、245曲を録音・収録したそうです。沖縄では宮沢さんの思いに共感した人々によって「唄方プロジェクト」が発足し、その活動は継続しています。どんな講演を聴くことができるか楽しみにしています。

 

ビジネス、歴史、食
3つの地域セッション

IS 沖縄色の濃い基調講演・特別講演ですね。地域セッションはいかがですか。

知念 地域セッションは、ビジネス、歴史、食の3つをテーマにそれぞれの分野のエキスパートにご講演いただく予定です。

 株式会社スペースチャイナの佐藤未雲みくもさんは中国黒龍江省の生まれで、1990年代初めに沖縄へ移り、1995年に日本に帰化。現在は学法法人の許認可を取得して専門学校を設立・開校しているほか、観光庁「通訳案内士試験ガイドラインに関する検討会」、沖縄県経営者協会観光振興委員、沖縄県事業認定審議会委員にも就任しマルチな活躍をされています。沖縄のビジネス界では非常に注目されている方です。

 2人目の賀数かかず仁然ひとささんもマルチな活躍をされている方で、沖縄歴史研究家の傍ら、放送作家、ラジオパーソナリティ、エッセイスト、ツアーガイドという顔ももっておられます。琉球・沖縄の歴史文化とエンターテイメントの融合がテーマという賀数さんがどのような講演をしてくださるか、わくわくしています。

 3人目の玉城美香さんは、沖縄では知らない人はいないだろうという有名人です。沖縄ローカル・ラジオの人気パーソナリティで、野菜ソムリエ、糸満市教育委員会委員という肩書ももっています。ご講演では野菜ソムリエのお立場で、沖縄の食文化についてお話いただく予定です。きっと会場が爆笑の渦に包まれることになると思います。

IS このほか地域見学会もあるのですね。

知念 これはまだ検討中ですが、沖縄を代表する企業や名所・旧跡、観光スポットを訪問する3つのコースを予定しています。そのなかには、先ほどのOISTの見学も入っています。

 今回の大会は、実行委員のメンバー一同、沖縄と沖縄研を知っていただく絶好の機会と考えています。全国のU研の皆さんが、まだご存じないだろう沖縄の魅力をたっぷりと体験していただきたく、趣向を凝らした準備を進めています。5月23・24日はどうぞ沖縄に来られて、交流と研鑽、そして体験を楽しんでください。お待ちしています。

第57回 IBMユーザー・シンポジウム 沖縄大会  開催概要

2019年5月23日(木)・24日(金)

開催地:沖縄県宜野湾市
会場 :沖縄コンベンションセンター/ラグナガーデンホテル
主催 :全国IBMユーザー研究会連合会
協賛 :日本アイ・ビー・エム株式会社
開催地区研:沖縄IBMユーザー研究会
申込開始:2019年3月15日(金)予定

[大会テーマ] 美ら島Mixつながる世界 ~新風(みぃ~かじ)とともに~

[大会ホームページ]http://www.uken.or.jp/symp/symp57/

[オープニング:基調講演]

世界ではじめてサンゴのゲノム解読に成功
~サンゴのゲノム解読と沖縄の観光産業について 

佐藤 矩行 氏 
沖縄科学技術大学院大学 教授

[クロージング:特別講演] 

ウチナーの心を未来へ継ぐ
~「くるちの杜 100年プロジェクト in 読谷」「沖縄・宮古・八重山民謡大全集?うたかた」について

宮沢 和史氏  アーティスト 沖縄県立芸術大学非常勤講師

[地域セッション]

佐藤 未雲氏 スペースチャイナ 代表取締役
賀数 仁然氏 沖縄歴史研究家
玉城 美香氏 ラジオパーソナリティ・野菜ソムリエ

[IS magazine No.22(2019年1月)掲載]

related posts