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基幹システムとECサイトをGoAnywhereで連携 ~ECサイトの強化には多彩なシステムとの連携が不可欠 |株式会社システムファイブ

株式会社システムファイブ
本社:東京都千代田区、愛知県名古屋市(ニ本社制)
設立:1989年
資本金:3000万円
売上高:62億3200万円(2021年6月期)
従業員数:59名
事業内容:放送業務用映像音響システムの設計・施工・保守、販売、レンタル、保守。CATVシステムの設計・施工・保守、計測機器の販売・保守など。
https://www.system5.co.jp/

システムファイブオンラインショップ 
https://www.system5.jp/

基幹システムとECサイト
データ連携にタイムラグが発生

システムファイブは業務用映像・音響機器の専門店として、1989年に名古屋市で創業した。その後、2002年に東京支店を開設(現在は東京と名古屋の二本社制)。

現在では映像制作業務や放送業務に携わるプロフェッショナル仕様の製品をはじめ、コンシューマー向けハイエンドの撮影機材やオーディオ製品、ドローン、輸入商材の拡充、さらには中古品売買と、取り扱う商品の幅を増やしている。
 
1998年には、業界に先駆けてインターネット通販サイトを開設し、今や業界最大級のオンラインショップに成長した。

東京都半蔵門駅近くにある映像機材のショールーム「PROGEAR半蔵門」(完全予約制)では、ECでの注文品の受け渡しはもちろん、ショールームでの購入にECで使えるポイントが付くなど、オムニチャネルを実現。SNSの発信にも力を入れ、たとえば注目の新製品レビューで注文を集め、実機に触れたければ来店して対面での説明を受けたり、必要なアクセサリ等をその場で買って持ち帰ることもできるといった態勢を整えている。

業務用機材の専門店でありながら、利用者の利便・ニーズを汲み取ったきめ細かい対応が、映像業界のみならず、一般企業・自治体・学校、そして個人にまで顧客の裾野を広げる原動力となっている。

こうした仕組みを支えているのが、同社の基幹システムとECを中心としたデータ連携だ。基幹システムとのデータ授受では中間サーバーを設け、ECサイト(shopify)のほか、ショールームの電子値札(イシダ)やレジ決済(スマレジ)、物流倉庫内で使うハンディターミナル(キーエンス)などと連携している。
 
単品売りからシステム一式での受注、修理やメンテナンス、中古品売買、保険加入管理など、営業活動が多岐に渡り、かつ新しい業務が次々と立ち上がる同社では、業務の実態に即して基幹システムの細かな設定変更も日常茶飯事。

これに合わせてデータ連携の修正も迫られる一方、中間サーバーの運用は外部のベンダーに委託していたため、基幹システムの変更にタイムリーに対応できない問題が生じていた。
 
基幹システム側で修正・追加が発生すると、それをECサイトや電子値札に反映するために、中間サーバー上にあるプログラムも修正する必要が生じる。

手組みのPHPプログラムやシェルスクリプトを動かしていたのだが、この修正作業を外部に委託していたため、頻繁に発生する変更に即応できずにいたのだ(図表1)。

図表1  GoAnywhere導入前のシステム概要

 
「基幹側の改修は社内で実施していましたが、中間サーバー上の連携プログラムは属人化、ブラックボックス化が進んでおり、内製に移すのも難しい状況でした。そこで何らかのツールや手法を採用して、連携方法を変更する必要がありました」と語るのは、志水健部長(営業サポート部)である。

志水 健氏 営業サポート部 部長

同社では2018年ごろから、移行の検討を開始した。基幹システムの保守を委託していたソルパックに相談したところ、提案されたのが、ファイル転送管理ソリューション「GoAnywhere MFT」(以下、GoAnywhere)である。

GoAnywhereの導入で
連携のための作業を内製化する

「ノンプログラミング、かつシンプルな操作で連携のための定義を作成できる点を評価しました。GoAnywhereであれば、基幹システムを含めた多様なシステム間を連携でき、かつその作業を内製化できます。それに加えて、基幹システムを含めて保守やサポートをソルパックへ一元化できる点も採用の理由になりました。委託先の外部ベンダーを集約したほうが、管理上の観点から好ましいと考えたわけです」(志水氏)

GoAnywhereの採用を決定したのは2019年。中間サーバー上では、顧客・受注、在庫、電子値札、ポイントの各連携にそれぞれ2~3本のプログラムが動いていた。

まずそのプログラム分析をソルパックに依頼し、連携のための定義作業を両社の間で進めていった。2~3カ月の準備作業を経て、2020年10月からGoAnywhereによる連携がスタートした(図表2)。

図表2 GoAnywhere導入後のシステム概要

ただセキュリティ上の問題に対応するため、連携開始後すぐにECサイトを移行することが決定したため、いったんこの連携は停止することになった。

ECサイトを現在の「shopify」へリプレースし、基幹システムとの連携要件を見直して、2021年2月のECサイトの再オープンとともに、GoAnywhereによる連携が再スタートした。
 
現在は以前にも増して、多くのユーザー部門から変更依頼が寄せられ、基幹システムにも細かい手を加える頻度が増えている。これをECサイトへ反映するためのGoAnywhereでの変更作業も、今では営業サポート部の村田広佑リーダーなど2名で担当。データ連携が内製化できたことで、業務改善のスピードは格段に上がったという。

「業務改善は試行錯誤の連続です。新しい仕組みがうまくいかないこともあるし、ブラッシュアップも欠かせません。一方で、少人数だからこそ柔軟に運用変更もできます。各部署での取り組みや工夫をシステム側で叶えることで、現場の改善意識に弾みが付く好循環も生まれます。これは中小企業ならではの強みだと思います」(志水氏)

さらに、既存のデータ連携に留まらないGoAnywhereの使い方も模索している。

「4年前からRPA(WinActor)を導入しており、現在では5台の実行機で100本以上のシナリオが動いています。ただし最近は、ロボットが実行している作業の一部をGoAnywhereへ移行する動きも始めています」(志水氏)

基幹システムの情報を取り出して加工したり、メールでのやり取りを基幹システムに取り込んだりする動きは、GoAnywhereを使うことで、より安定して動かすことが出来るという。

「特にクラウドサービスを利用する場合、ロボットだとログインに時間がかかったり、画面が切り替わらないためにシナリオが停止してしまうことがあります。しかしGoAnywhereであれば、そうしたRPA特有の弱点をカバーして、スムーズに連携できます。ロボットもGoAnywhereも内製できるので、より効果的な使い方を試しています」(村田氏)

村田 広佑氏 営業サポート部 リーダー

またECサイトを強みとする同社では、2022年度も、サイト内検索エンジンの機能向上や、中古品の買取におけるWeb上での本人認証システムの構築など、ECの強化は続く。ここでも、GoAnywhereを使ったデータ連携が活躍しそうだ。
 
「日々のメンテナンスを可能な限り軽減しつつ、きめ細かく配慮したECサイトをどう運営するかが、当面の最大の課題です。ECサイトを強化するには、多種多様な外部システムと連携していくことが不可欠であり、最も効率的なアプローチであると考えています。GoAnywhereを使用すれば、そうした外部システムとの連携の敷居を下げられるので、今後はさらに利用場面が増えることになりそうです」(村田氏)

 

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