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IBM、Power7・Power8サーバーからPower9・Power10への「移行ガイド」を公開 ~ワークロードの移行計画から留意事項、移行ステップを解説

IBMは10月7日(米国時間)、Power7・Power8サーバーからPower9・Power10サーバーへ移行する際の参考情報や推奨事項をまとめた17ページの『IBM Power9およびPower10プロセッサ・ベースのシステムにワークロードを移行するためのHint&Tips』第2版(英文版)を公開した。

Power上で稼働するIBM i、AIX、Linuxベースのシステムが対象で、移行計画から移行時の留意事項、移行ステップなどについてまとめている。

主な章立ては以下のとおり。

1. 序文
2. はじめに
3. ワークロードの移行計画
4. ソフトウェアの要件
5. プロセッサーの互換性モード
6. 仮想プロセッサとエンタイトルメントに関する考察
7. I/Oに関する考察
8. クラウドの検討
9. ラボサービス契約および/またはベンチマークの検討
10. 移行用チェックリスト


「5. プロセッサーの互換性モード」では、Power9およびPower10サーバーに搭載されているPMU(パフォーマンス・モニター・ユニット)や外部割込み仮想化エンジン(XIVE)、NX GZip、MMAの対応表を掲示している。

Power9/Power10 システムの互換モードでサポートされる機能
Power9/Power10 システムの互換モードでサポートされる機能

各機構について、以下の説明がある。

P9 PMU(パフォーマンス・モニター・ユニット)
PMUはチップ上のマイクロプロセッサコアのプログラマブルなコンポーネントで、さまざまなハードウェア・パフォーマンス・イベントカウンターを監視および収集するためのプログラマブルなインターフェイスを提供する。Power9プラットフォームのパーティションは、Power9 PMUにフルアクセスするには、Power9互換モードで実行する必要がある。

P10 PMU(パフォーマンス・モニター・ユニット)
Power10プラットフォーム上のパーティションでPower10 PMUにフルアクセスするには、Power9互換モードまたはPower10ネイティブ・モードで実行する必要がある。

XIVE(eXternal Interrupt Virtualization Engine:外部割込み仮想化エンジン)。
Power9とPower10では、より多くの割り込みソースをサポートし、ハイパーバイザーを介さずに直接仮想プロセッサに割り込みを供給する。

NX GZip
Power9およびPower10プロセッサベースのサーバーは、データの圧縮や解凍などを実行可能なオンチップ・アクセラレータをサポートしている。Power10モードでは、NX GZipはユーザーレベルの直接アクセスが可能。

P10 MMA
Power10 プロセッサベースのサーバーは、エンタープライズAIの推論を高速化できる「Matrix Math Accelerator(MMA)」をサポートしている。


「10. 移行用チェックリスト」では、次のステップを推奨している。

– 移行を計画する。
– 必要な最新ソフトウェアをインストールし、利用可能な修正プログラムを適用する。
– 移行前後の論理パーティションに、適切なプロセッサ互換性モードを設定する。
– 論理パーティションの仮想プロセッサとエンタイトルメントを、運用と性能要件に最適になるように計画する。
– I/O検討ガイドに従って対応を決める。
– IBMのラボサービスとの連携を検討する。


『IBM Power9およびPower10プロセッサ・ベースのシステムにワークロードを移行するためのHint&Tips』第2版(『Hints and Tips for Migrating Workload to IBM Power9 and Power10 Processor-Based Systems』)
https://www.ibm.com/downloads/cas/DQQWPWYB


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