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オムニサイエンス、Db2 Web Query for iのクエリー定義移行サービスを開始 ~月額1万円で全機能利用可能な「PHPQUERY LITE」もスタート

オムニサイエンスの「PHPQUERY」は、Db2 for i上の基幹データを活用するためのツールで、近年着実にユーザー数を伸ばしている製品である。

同製品は、IBM iユーザーが抱える以下のような課題への対応を「強み」としてアピールしている。

・Query for i(Query/400)が高機能すぎて使いずらく、エンドユーザーに展開しにくい

・クライアント型データ活用ツールのPC端末への配布・移行、およびOSや製品のバージョンへの対応の手間・煩雑さ

・データ活用ツールをインストールした専用サーバー(IBM i以外)の保守や運用コストの増加

・IBM i上でWebSphereが必要になるなど導入・設定が複雑

・データ活用ツールの料金がユーザー数やプロセッサ・コア単位で、ユーザー数が増えるとコスト増になり、広範な普及の妨げになる

IBM iユーザーが基幹データの活用を積極的に進めていることは、弊誌「IBM iユーザー動向調査2022」でもうかがえる。自社開発ツール、SQL、Query/400(Query for i)、サードベンダーツールなどのすべての項目で前回調査(2019年)よりも「利用中」のポイントが増加した(図表1)。

図表1 データ活用ツールの利用状況 資料:i Magazine
図表1 データ活用ツールの利用状況 資料:i Magazine

この調査結果は、データ活用層の広がりと、より高度なデータ活用が進んでいることを示唆している。とすると、この2つの動向にミートするのは、より簡単で使いやすく、豊富な機能を備えたデータ活用ツールである。PHPQUERYが近年ユーザー数を伸ばしているのは、ユーザーの課題(上記)を解決する豊富な機能と明快な操作性にあると思われる。

そして今回、PHPQUERY関連の新サービスとしてリリースしたのが、「WebQueryからPHPQUERYへの定義移行サービス」(以下、定義移行サービス)である。サービス名の「WebQuery」は、Db2 Web Query for iを指している。

Db2 Web Query for iはQuery/400の後継ツールで、直感的な操作性と洗練された機能を豊富にもつ製品である。ただし、最小エディションの「Express」でも導入時の費用が70万円(1コア、2ユーザー無償、1ユーザー追加10万円)と相対的に高価で、ユーザー数を増やすとコストも増えるという“難点”がある。

オムニサイエンスの藤井星多 代表取締役社長 CEOは、そのDb2 Web Query for iユーザーから「最近、ご相談を受けることが多くなりました」と話す。

「相談されてくるDb2 Web Query for iのお客様は、データ活用を社内全体へ広げるために低コストのIBM i用ツールに移行したいという意向をおもちです。しかしながらお客様が作成したクエリー定義は独自の作り込みをしているものが多いために、移行作業がスムーズに進まないという悩みを抱えています。そこで、お客様のご要望に応えるべくリリースしたのが、定義移行サービスです」と、藤井氏はサービス開始の背景を説明する。

定義移行サービスは、Db2 Web Query for iからPHPQUERYへのクエリー定義の書き換えをオムニサイエンスが受託し、納品するというもの。料金は、定義数10本で(最小数)30万円。そのほかは定義数と定義の難易度によって「都度の見積り」という。

なお同社ではDb2 Web Query for iのほかに、「Web Report」「New Work Friend」で作成したクエリー定義の移行サービスも提供している(図表2)。

図表2 PHPQUERY 定義移行支援サービス
図表2 PHPQUERY 定義移行支援サービス

また同社は7月から、PHPQUERYの全機能を1ユーザー月額1万円で提供する新しい料金プラン「PHPQUERY LITE」をスタートさせた。従来は、ユーザー数無制限で、利用できる機能によって、PREMIUM、ADVANCE、BASIC、FREEの各サービスを設けていた(図表3)。「必要最小限の人数ですべての機能を使いたいというニーズにお応えして、新しい料金プランを設定しました」と、藤井氏は語る。

PHPQUERYのサブスクリプション料金体系
PHPQUERYのサブスクリプション料金体系

 

[i Magazine 2022 Summer(2022年7月)掲載]