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パナソニックHD、「AI倫理原則」を発表 ~「AI倫理委員会」を設置し、開発現場でAI倫理リスクチェックや全従業員を対象にAI倫理教育を推進

パナソニック ホールディングスは8月29日、「パナソニックグループのAI倫理原則」を策定した、と発表した。傘下のパナソニック、パナソニックコネクトなど7つの事業会社がAIの開発・運用・利活用を行う際に遵守すべき倫理原則を定めたもの。

AIの不適切な使用による差別の助長やプライバシーの侵害、安全性の欠損・棄損については2010年代から世界的に社会問題となり、OECDやEU、米国防総省などが最近数年間に相次いでAIの利用方針・原則を発表している。そして日本でも、内閣府が2018年に「人間中心のAI社会原則」を、経済産業省が2021年に「AI原則実践のためのガバナンス・ガイドライン」を発表済みである。

*OECD:「人工知能に関するOECD原則」2019年
*EU :「AI倫理ガイドライン」2019年
*米国防総省:「責任あるAIの指針」2021年


パナソニックグループの「AI倫理原則」はこうした社会動向を踏まえたもので、このAI倫理原則をグループ全体で実践していくために、「AI倫理委員会を設置し、開発現場でのAI倫理リスクチェックや、グループ全従業員を対象としたAI倫理教育を推進」していくとしている。


「パナソニックグループのAI倫理原則」(全文)は、以下のとおり。

1.「より良いくらしとより良い社会」を実現すること

私たちは、AI製品やサービスがお客様個人や社会や環境に与える影響を事前に考慮し、お客様のくらし、および社会・環境がより良くなると見込まれる場合にそれらをお客様のもとにお届けします。AI製品やサービスをお届けした後も、お客様のくらし、および社会・環境に与える影響を評価し続け、その結果を製品とサービスに反映させます。

2. 安全のための設計、開発、検証を行うこと

私たちは、AI製品とサービスの安全を第一に考えます。安全確保のための技術開発を行い、技術的知見を吸収し、それらを設計に反映させます。お客様にお届けした後も、安全確保のための必要な対応を行います。

3. 人権と公平性を尊重すること

私たちは、AI製品やサービスをお届けするにあたり、人々の多様性を尊重し、差別をはじめとする不公正な影響が生じないよう努めます。
このためにパナソニックグループ社員に対して必要な教育を実施してまいります。

4. 透明性と説明責任を重視すること

私たちは、お客様や関係する皆様に対してAIの動作に関して透明性を重視しAIの技術開発と設計を行います。またAI製品やサービスがもたらすと思われる影響について、お客様の求めに応じて情報提供いたします。

5. お客様のプライバシーを保護すること

私たちは、関連法規およびパナソニックにおける関連社内規程に従い、お客様のプライバシーを尊重し、お預かりした情報について適切かつ安全に管理します。

 

パナソニックグループ傘下の7つの事業会社
パナソニックグループ傘下の7つの事業会社

 

◎参考
・内閣府「人間中心のAI社会原則」
https://www8.cao.go.jp/cstp/tyousakai/humanai/index.html
・経済産業省「AI原則実践のためのガバナンス・ガイドライン」
https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/ai_shakai_jisso/2021070902_report.html

[i Magazine・IS magazine]

 

 

パナソニックグループ傘下の7つの事業会社
パナソニックグループ傘下の7つの事業会社                     

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