APIの活用、「APIファースト」がさらに拡大、調査レポート「2021 State of the API Report」を米Postmanが発表

APIツールベンダーの米Postmanは10月28日(現地時間)、調査レポート「2021 State of the API Report」を発表した。

2018年から毎年実施している調査で、今回は2021年7月に世界のAPI関係者を対象に実施し、2万8252人が回答した。また今回のレポートには、Postman社のAPIプラットフォーム「Postman API Platform」の利用状況をまとめたデータも加えられている。

◎ご注意
レポート末尾の「調査方法」で、「回答者は、ソーシャルメディア、電子メール、Postmanコミュニティフォーラムなど、主にPostmanが所有するチャネルを通じて募集されたため、Postmanに関心の高いユーザーがアンケートに気づき、回答する可能性が高くなりました」と明記しているように、調査結果に偏りがあると見られる項目がある(「使用中のAPIプラットフォーム/ツール」など)。今回の調査レポートは、API利用に関する最新動向を捉えているが、調査方法の特性を踏まえてデータを読み取る必要がある。

 

調査結果 ~調査から得られた7つの知見  

レポートは、今回の調査で以下の7つの結果が得られたとしている。

(1)パンデミックは世界を変え、世界はAPIで対応した

回答者の2/3弱が、パンデミックが仕事に影響を与えたと回答。その影響を受けたうちの半数以上が、APIがパンデミックへの会社としての対処をサポートした、と回答した。

(2) APIエコシステムはグローバルで成長している

過去1年間で、Postman社の「Postman API Platform」ユーザーは世界234カ国・地域からサインインし、対前年比56%増となる8億5500万回のAPIリクエストを行った。

(3) APIの作業時間が増加

回答者の49%が、開発作業時間の半分以上をAPIに費やしている。

(4) APIへの投資は引き続き堅調

回答者の94%が、今後12カ月間に、APIへの投資(時間およびリソース)を増加させる、または、変わらない、と回答。

(5) 組織にとっての最優先事項は「品質」「俊敏性」「信頼性」の順

組織にとっての最優先事項は、「品質」80%、「俊敏性」(66%)、「信頼性」(65%)との回答結果だった。

(6) 67%の企業が「APIファースト」を取り入れている

「APIファースト」の考え方を受け入れる(回答欄の評価「5」以上)企業が、昨年(2020年)の62%から67%へと増加した。

(7)「APIファースト」は成果を向上させる

「APIファースト」を率先して取り入れる企業は、より迅速にAPIを作成し、より頻繁にデプロイし、失敗が少なく、失敗が起こった場合でもより迅速に回復することがわかった。

 

API関連の作業時間 ~作業別比較

エンジニアが「APIのコーディング/プログラミング」に割く時間は、API関連作業のなかでも最も多いものの1/3未満で、2/3以上をそれ以外に割り当てられている。これに、「デバッグ&手動テスト」「自動テスト」「設計&モックAPI作成」が続く。

API関連の作業時間 ~作業別比較
API関連の作業時間 ~作業別比較

 

「APIファースト」の導入

多くのチームや組織が、「APIファースト」の理念を取り入れている。回答者の67%が「APIファースト」の導入に関して、取り入れるレベルの最高を「10」、最低を「0」とするスケールでを「5」以上の評価をしており、2020年の62%を上回った。レポートは「業界全体がAPIファーストに向かっていることは明らか」だが、「リードしているのは一部の人たち(「9」または「10」と評価した8%)」と指摘している。

 

「APIファースト」の理念をどれくらい取り入れているか 10=最高、0=最低

 

APIの設計

プロジェクトのどの段階でAPI設計を検討するかを尋ねた設問には、50%を超える回答者が「開発が始まる前のプロジェクトの初期段階」と回答した。また約20%の回答者が「ステークホルダーの期待値が設定される前から」、同じく約20%の回答者が「プロジェクトの途中」でAPI設計を検討している。

プロジェクトのどの段階でAPI設計を検討するか
プロジェクトのどの段階でAPI設計を検討するか

 

API統合で考慮する事項

異なるリソースを連携させる「API統合」を行う際に考慮する事項として、回答者の70%以上が「セキュリティ」と「パフォーマンス」を挙げた。次いで「信頼性」「ドキュメント」「スケーラビリティ」「ユーザビリティ」の順だが、「ユーザビリティ」でも50%を超える。

API設計をプロジェクトのどの段階で検討するか
API統合で考慮する事項

 

 

APIの開発で考慮する事項

API開発にあたっては、回答者の67%が「社内のアプリケーション、プログラム、システム間の統合」を第一に挙げた。これと、「外部システムとの統合」「社内システムの機能追加・強化」「顧客向けの機能追加・強化」が上位4項目で、いずれも半数以上の回答者が考慮するとしている。

APIの開発で考慮する事項
APIの開発で考慮する事項

 

使用中のAPIプラットフォーム/ツール

調査結果は下図のとおりだが、前段でも触れたように(「ご注意」参照)、回答者の多くがPostman製品のユーザーであると見られるため、非常に偏った結果になっている。ここでは、ほかにどのようなAPIプラットフォーム/ツールが利用されているかを知るための参考にしていただければと思う。

使用中のAPIプラットフォーム/ツール
使用中のAPIプラットフォーム/ツール

 

単一プラットフォームか、複数ツールの組み合わせか

APIの設計・文書化・テスト・配信を、単一のプラットフォームで行っているか、複数のツールを組み合わせか、を尋ねた設問では、「両方の組み合わせ」が43%と最も多く、次いで「単一のプラットフォーム」が33%を占めた。

単一プラットフォームか、複数ツールの組み合わせか
単一プラットフォームか、複数ツールの組み合わせか

 

 

APIツールと連携させて使用中のDevOpsツール

APIツールと連携させて使用中のDevOpsツールは、「Jenkins」が37%でトップ、次いで「Azure DevOps」(26%)、「GitHub Actions」(25%)、「AWS DevOps」(23%)、「GitLab Pipelines」(22%)の順だった。

APIツールと連携させて使用中のDevOpsツール
APIツールと連携させて使用中のDevOpsツール

 

 

調査レポート「2021 State of the API Report」(英文)はこちらからダウンロードできる。

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