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スティーブ・ウィル氏が「IBM watsonx Code Assistant for i」をブログで解説 ~製品概要、ビジネスメリット、ウェイトリスト公開など

IBM i CTOのスティーブ・ウィル氏が、5月7日に発表された「IBM watsonx Code Assistant for i」についてブログで解説している。そのポイントを紹介しよう。

IBM watsonx Code Assistant for i 製品概要

ウィル氏は次のように記す。

「IBM watsonx Code Assistant for iは、IBM iとRPGコード向けに特化した生成AI活用のコーディング支援ツールです。このツールは、IBMのフラッグシップの大規模言語モデルであるIBM Graniteを基盤に構築されており、多くのコードのリソースとIBM iコミュニティから提供されたコードでトレーニングされています。

また、Visual Studio CodeベースのIDEとシームレスに統合され、開発者のコーディングやメンテナンス中のコードを理解するのを支援し、その作業効率と精度を大幅に向上させます。

ほとんどのお客様は、IBM Cloud経由でRPGでトレーニング済みのGraniteの機能を利用します。しかし一部のお客様は、大規模言語モデルとIBM watsonx Code Assistant for i技術を自社データセンターにインストールすることを好むでしょう。どちらの場合も、IBM watsonx Code Assistant for iと大規模言語モデルの組み合わせがもたらす独自の価値は、数十年にわたるRPGの知識を活かし、現在の開発者の業務を支援し、現在の開発者プールから人材を採用するのを可能にします」

上記をまとめると次のようになる。

対象:IBM iシステム上のRPGコード
利用する生成AI:RPG向けにファインチューニングされたIBM Granite
機能:RPGコードの説明、コード生成、テストコード生成、コード変換
統合:Visual Studio Codeのプラグインとして利用
導入形態:IBM Cloudまたはオンプレミス

IBM watsonx Code Assistant for iを利用するメリット

ビジネスメリットについて、ウィル氏は次のように説明する。

「IBM watsonx Code Assistant for iを開発した最大の要因は、IBM iのお客様の状況です。IBM iのお客様の多くは、長年にわたってRPGで開発してきたアプリケーションを多数保有しています。そしてそれらを開発したプログラマーは、退職間近か既に退職したか、または会社を去った可能性があります。とはいえ、その重要なRPGコードは誰かが維持・強化する必要があるはずです。

企業のシステム部門にこれから入ってくる開発者は、RPGスキルを持っていないことのほうが多いでしょう。それゆえにRPGコードが何を実行しているかを理解するのを助けるツールは、新しい開発者たちが業務に迅速に適応し、ビジネスが求める作業を行ううえで非常に役立つのです。

IBM watsonx Code Assistant for iは、これらの課題を解決するために、新規RPGプログラマーの学習曲線を短縮し、ベテランRPG開発者の生産性をさらに向上させます。IBM watsonx Code Assistant for iは、これらの開発者が見たことのないコードを理解できるようにし、自力で知識を習得するよりも、より迅速かつ完全に理解するのを助けます。それは、経験豊富なプログラマーが彼らを支援しているかのような体験です。

過去数カ月間、RPGの専門家チームはツールとモデルの評価を実施してきました。彼らはプライベートプレビュー期間中に貴重なフィードバックを提供してくれました。私たちはそのフィードバックを反映させながら、同時にRPGの大規模言語モデルのトレーニングを継続しています。数カ月後には、より多くのユーザーからフィードバックを収集できる予定です」

上記をまとめると次のようになる。

・IBM watsonx Code Assistant for iは、IBM i/RPG技術者の要員不足の対策となる
・IBM watsonx Code Assistant for iは、新規RPGプログラマーの学習曲線を短縮する
・現在、RPG専門家チームによるプレビューのフィードバックを参考にしつつ、IBM Graniteのトレーニングを継続中

ウェイトリスト/パブリックプレビュー 

IBM watsonx Code Assistant for iのリリースについて、ウィル氏は次のように語る。
「製品の最初のバージョンでは、RPGで書かれたアプリケーションを迅速かつ効率的に理解し、文書化する機能を提供します。将来的に、この製品は開発者がRPGコードを生成、テスト、変換し、新しいアプリケーションや既存アプリケーションの現代化に高品質なコードを生成する機能を可能にします。

IBM watsonx Code Assistant for iは今年後半に一般提供開始予定です。製品に関する詳細情報や一般提供開始時の通知を受け取るための登録ページを設けています。次の四半期に実施する大規模なパブリックプレビューには、ウェイトリストに登録されたクライアントから抽選で参加者を決定します」

*ウェイトリスト 登録ページ
https://www.ibm.com/account/reg/us-en/signup?formid=urx-53638

上記をまとめると次のようになる。

・リリース時期:2025年後半
・初期の提供機能:RPGコードの説明機能
・情報受信・パブリックプレビュー申込ページの公開

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