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国内セキュリティソフトウェア市場は拡大の一途、2025年の市場規模は5138億6000万円へ ~IDC Japanの市場予測から

IDC Japanは2022年2月9日、最新の国内情報セキュリティソフトウェア市場予測を発表した。

同社は国内情報セキュリティソフトウェア市場を、以下の5つのソフトウェア群に分類して市場を予測している。

(1)アイデンティティ/デジタルトラストソフトウェア
(2)エンドポイントセキュリティソフトウェア
(3)ネットワークセキュリティソフトウェア
(4)サイバーセキュリティ分析/インテリジェンス/レスポンス/オーケストレーション(CAIRO)
(5)その他のセキュリティソフトウェア

それによると、2021年の国内情報セキュリティソフトウェア市場は前年比成長率14.8%の3585億3800万円になる見込みだ。

この背景には、新型コロナウイルスの感染拡大がもたらす働き方や購買スタイルの変化がある。

2020年以降、ビジネスバイヤーや消費者のデジタルシフトが進み、従業員が利用するクライアントデバイスへのマルウェア感染や企業システムへのセキュリティ侵害などのリスクに警戒感が強まった。

またインターネット経由での企業システム利用やクラウドサービスへのアクセスが増加しており、エンドポイントセキュリティやID管理の厳格化によるアクセスコントロールへのニーズが急速に高まっている。

そのため前述した5つのソフトウェア群のなかでとくに成長性が高いのが、アイデンティティ/デジタルトラストソフトウェア市場で、2021年の前年比成長率19.6%。続いて、エンドポイントセキュリティソフトウェアも同15.9%で、いずれも前年を上回る成長を遂げると予測している。

またIDCは、2021年のSaaS型情報セキュリティソフトウェア市場は前年比成長率21.4%、2236億8800万円と見込んでいる。

新型コロナウイルスの影響によって、企業は自宅/サテライトオフィス/リモートサイトからの業務遂行を可能にし、VPNもしくはインターネット経由で社内システムに接続する際のID確認に2要素認証などを利用することで、セキュリティの確保を図ってきた。

しかしVPNや2要素認証を突破するセキュリティインシデントが発生し、インターネット経由での社内システムへの侵害リスクが拡大している。さらに現在の企業システム環境は複雑さを増しており、複数のクラウド環境に対するセキュリティ対策が求められている。

こうした状況へのリスク軽減対策として、SaaS型情報セキュリティソフトウェアへのニーズが高まっていると指摘している。

IDCでは、DXによるデジタルシフトや、新型コロナ後のハイブリッドワークなどにより、国内情報セキュリティソフトウェア市場の拡大は今後も継続するとし、2020~2025年のCAGR(Compound Average Growth Rate:年間平均成長率)は10.5%、2025年の市場規模は5138億6000万円になると見ている。特に、SaaS型情報セキュリティソフトウェア市場はCAGR 14.4%と、高い成長率を予測している。

国内情報セキュリティソフトウェア市場予測、2019年~2025年(単位:百万円、出典:IDC)

 

ガートナージャパンが世界のCIOとテクノロジ・エグゼクティブを対象に実施し、2022年2月8日に発表した「CIO/テクノロジ・エグゼクティブ・サーベイ」最新版の調査結果では、世界および日本のCIOはともに、IT投資の優先順位が高いテクノロジー分野として「サイバーセキュリティ/情報セキュリティ」をトップに挙げるなど、セキュリティ市場の拡大が今後も継続することを同様に示唆している。

 

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