ローコードで業務フォームをすばやく開発 ~Webdocsは業務フローや基幹連携の仕組みも構築、オンプレミスゆえに重要データや機微情報も扱い可能に

フォーム作成・業務フロー
構築に特化したツール

三和コムテックの「Webdocsフォームズマネジメント」(以下、Webdocs)は、企業が社内事務処理で利用する各種フォームの作成と、そのフォームを用いる申請・承認などの業務フローの構築に特化したローコード開発ツールである。Webdocs自体がワークフロー作成、文書管理、外部接続コネクターなどの機能を備えているので、使い方次第では多様な応用も可能である。

社内では、届け出、精算、申請、承認などの事務処理がついてまわる。事務担当者は事務ごとにフォームを作成し、その処理のフローを設定する(システム化されず、手回しのフローであることも少なくない)。その結果、異なる形式のフォームが多数作成され、煩雑なフォーム管理とフォームごとに同じ内容の記入を繰り返す非効率性が問題となる。

Webdocsはそうしたフォームに関わる課題を解決するソリューションである。特徴は、フォーム作成から処理のワークフロー、他システムとの連携、作成された文書の保管までを一貫して処理できるトータルマネジメントにある。

フォームの作成は、GUIベースの「フォームエディター」上の部品リストから必要な部品を選択し、フォームに見立てた画面上にドラッグ&ドロップで配置するだけである。部品は約30種類あり、各種ボタンのほか、日付、署名、メール、金額、テーブル、アップロードなど社内事務処理に必要となるパーツを揃えている(図表1)。そして作成したフォームはレスポンシブル対応で、PC、タブレット、スマホなどの各画面サイズに自動調整する(図表2)

図表1 Webdocsの利用例

・ 注文フォーム/注文プロセス
・ 住所変更
・ 休暇申請・各種届け出
・ 経費精算、休暇申請
・ オンライン採用フォーム
・ 社員入社時の処理フロー
・ 返品交換フォーム
・ 品質に関するお問合せフォーム
・ 取引申請書
・ 価格変更承認プロセス
・ データ収集フォーム
・ 患者向け診察調査フォーム

Webdocsエディター画面
図表2 Webdocsエディター画面

 

ワークフローは、フォームの内容と連動させてきめ細かく設定できる。たとえば、休暇願いの申請が起票されて送信ボタンが押されると、上長へ申請書を送信。上長が署名(画面上で手書きも可能)して承認ボタンを押すと、人事部へ自動的に回送する、という一連の業務フローが、ワークフロー設定画面上のボタンのチェックや項目への入力だけで設定可能である。また、上長が不在だった場合の代替承認(条件分岐)や、不許可・差し戻しなどの機能もある。

フォームへの記入や承認で処理された文書は、標準装備の文書管理システムによりPDF形式でアーカイブできる。アーカイブされた文書はWebブラウザで表示可能だが、利用者・閲覧者を権限設定により細かくコントールできる。また、文書管理システムに世代管理や監査機能もあるので、統合的で一元的な文書管理が可能になる。

権限管理機能としては、「文書の参照のみ」「フローの設定のみ」のほか、「ユーザーごと」「部課・グループごと」などの設定も行える。

Active Directoryとも連携
ユーザー管理情報の活用が可能

Webdocsのもう1つの特徴は、多様な外部接続コネクターを標準装備していることである。以下のようなコネクターがある。

・Active Directoryコネクター
・ファイルシステム・コネクター
・RESTful API
・AutoMate
・データベースコネクター
 - Db2 for i
 - Db2
 - SQL Server
 - My SQL、など
 - その他、ODBC・JDBC対応データベース

これにより、たとえばActive Directoryとの連携が容易になり、Active Directory上のユーザー管理情報を利用してWebdocsのユーザーを管理できる。ユーザーがWebdocsのフォームにログインして起票者情報(名前、部署など)を入力する際に、Active Directoryで管理しているユーザー情報を自動展開することも可能。また、Webdocsで設定する権限管理を、Active Directoryの権限管理に基づき実行することもできる。

IBM iとの連携は
複数の仕組みで実現

IBM iとも容易に連携可能である。三和コムテックでは参考例として、Webdocsのデータベースコネクターを用いる方法(Db2 for iへのSQLアクセス)と、AutoMateを利用する2つの方法を挙げている。

AutoMateの利用では、Webdocsの処理完了時にXMLデータを出力し、それをAutoMateが自動検知して取り込み(「ファイルシステムトリガー」を使用)、IBM iで処理を実行する。IBM iで処理するプログラムはAutoMateで自由に開発できるので、Webdocsのフォームデータを基幹システムに反映したり、フォームデータを起点にIBM i上の別のブログラムを起動して処理することも可能になる。

ビジネスフォームを作成するツールは市場に数多くあるが、三和コムテックの中嶋謙治氏(クラウド&サーバー事業部 副部長)は、「オンプレミスでも使える」点をWebdocsの差別化ポイントとして強調する。

「お客様からは、事務ワークフローでは重要データや機微情報も扱うので社外に出せない、出したくないという声をたくさんお聞きします。このジャンルの他社製品はクラウドサービスが一般的ですが、それだとその不安を解消できません。Webdocsはオンプレミス対応が特徴で、その上に権限管理やセキュリティ機能もあるので、安心してお使いいただけます」(中嶋氏)

価格は買い切り制で約300万円〜500万円(約500万円はユーザー数無制限)。クラウドへの配置も可能である。

図表3 Webdocsの概要
図表3 Webdocsの概要

 

[i Magazine 2021 Summer(2021年7月掲載)]

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