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サイモン・オサリバン氏|エントリーモデルからハイエンドまでMaxava HAシリーズに4製品をラインナップ 

Interview|サイモン・オサリバン氏

Maximum Availability Limited
シニア・バイスプレジデント

 

 

イグアスとタッグを組み
流通チャネルを拡大

i Magazine(以下、i Mag) ニュージーランドに本社のあるMaximum Availability (以下、MAXAVA)社は、HAソリューションを中心に、世界各国に販売網を拡大していますね。

オサリバン そうです。HAソリューションである「Ma
xava HAシリーズ」をベースに現在、世界40カ国700社以上の導入実績を誇ります。米国ではフィラデルフィアに中核拠点を置き、米国市場をはじめヨーロッパ、そして東南アジアでソリューションビジネスやクラウドサービスを展開しています。とくに東南アジアはとても重要なフォーカスエリアであり、たとえば世界最大のイスラム系銀行であるシンガポールのCIMBや、マレーシア最大の銀行であるMayBankなど、多くの大手金融機関がBCP対策の一環としてMaxava HAシリーズを導入されています。

i Mag 世界各国のIBMとも緊密に連携しているようですね。

オサリバン はい、たとえばパキスタンのIBMと協業して、現地の日系自動車メーカーにMaxava HAシリーズを導入するなど、世界各国のIBMと密にビジネスを展開しています。このように日本以外の東南アジア市場では、金融機関を中心とした多くのお客様にMaxava HAシリーズをお使いいただいています。しかし米国に次いで市場規模の大きい日本では、流通体制の整備やブランドの訴求がまだ不十分だと考え、2017年2月に日本法人を設立しました。発足から約1年半が経過し、おかげさまで人員体制や流通チャネルの拡充も進み、今年度は前々年対比で売上5倍を記録するなど、ビジネスは順調に拡大しています。

i Mag チャネル戦略として、とくに注力していることを教えてください。

オサリバン IBM製品販売を中心としたビジネスパートナー向けの付加価値ディストリビュータ、いわゆるVADであるイグアスと、2018年6月に、Maxava製品に関するディストリビューション契約を締結しました。日本のIBM iは現在、製品流通の80?90%が同社経由であると言われ、この市場で大きな存在感を発揮しています。そのイグアスとともに、日本のIBM i市場に向けた本格展開を開始し、すでにイグアスのビジネスパートナー4社と販売契約を結びました。

 VADとの契約は、ワールドワイドで見ても当社として今までに例がなく、とてもユニークな取り組みだと考えています。現在、当社の国内パートナーは7社ですが、流通体制の整備やブランド訴求に向けたマーケティング施策の展開、トレーニングプログラムの充実など環境を整え、パートナー数を14?15社にまで倍増させていく方針です。イグアスとタッグを組めば、十分に実現可能だと考えています。

 

エントリーからハイエンドまで
Maxava HAシリーズに4製品

i Mag 日本市場に向けて、新製品を投入するようですね。

オサリバン そうです。日本のユーザーの皆様にMaxa
va HAの新製品をご提供できることを、とてもうれしく思っています。まず、主力製品であるMaxava HAシリーズでは、エントリー向けのレプリケーションエンジンとして、遠隔地へのデータバックアップなどを実現する「Maxava HA Data Stream」、中規模ユーザー向けにデータ、オブジェクト、IFSをリアルタイムにレプリケーションする「Maxava HA SMB」、大規模ユーザー向けにフル機能を装備したハイエンドな「Maxava HA Enter
prise +」をご用意しています。この3つのラインナップに加え、さらに小規模な運用を想定して片方向・1区画のレプリケーションを実行する「Maxava HA DR」を投入しました。

 これらのソリューションはすべてオンプレミスでご提供しますが、「Maxava HA Enterprise +」「Maxava HA SMB」「Maxava HA DR」ではクラウドサービスとしてもお使いいただけます。最近は、柔軟な運用が可能なクラウドサービスを望まれるケースが確実に増えています。

i Mag Maxava HAシリーズ以外には、どのようなソリューションを提供しているのですか。

オサリバン 完全クラウド型のモニタリングサービスとして、「Maxava Monitor Mi8」(以下、Mi8)をご提供しています。最近ではオーストラリアにある大手サービスプロバイダーが自社で保有する大規模なデータセンターの監視ツールとして導入されるなど、すでにワールドワイド市場では順調に実績を重ねつつあります。Mi8はIBM iをはじめ、AIX、Linux、Windowsのマルチプラットフォーム環境を対象に、オンプレミス、クラウド、ハイブリッドクラウドなど、あらゆる環境を統合的に監視できる点が最大の特徴です。

 スマートデバイスによる運用監視が可能ですし、小さなエージェントプログラムを監視対象サーバーにインストールするだけなので、専用サーバーやツールの導入も必要ありません。昨年から、日本でも販売を開始しました。IBM iを含めたマルチプラットフォーム環境を運用されているお客様に対しては、運用監視の強化および効率化に大きく寄与するソリューションだと思います。

i Mag MAXAVA社が提供するソリューション領域は、HAとモニタリングを柱にしているのですか。

オサリバン もう1つ、アーカブイブソリューションという柱があります。ワールドワイドでは新製品として最近、「Maxava CPR」をリリースしました。これはバックアップではなく、IBM iの重要データをIFSなど特定のディスク領域へアーカイブすることを目的にしたソリューションです。情報の重要度や保管期間などに応じて、IBM iのデータを別の領域へ移動させて保管します。移動・格納の条件を指定できるので、たとえばユーザーが誤ってファイルを削除した場合などに、作成したバージョンや時間の指定により目的のファイルだけを復元できます。重要なデータを単純にファイルサーバーに保存するのと違って、不正なアクセスや改ざん、不注意によるデータ紛失、悪意によるデータ削除などからIBM iの重要な情報資産を守ります。コンプライアンスとセキュリティの両面でも大変に有効なソリューションで、Maxava HAシリーズとの共存・連携も可能です。日本でもできるだけ早いタイミングで発表したいと準備していますので、まもなく皆さんにそのよさをご理解いただけると思います。

[i Magazine 2018 Winter(2018年11月)掲載]

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