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エンジニアが実践する情報活用 ~情報を知識に変え、身につけるには「体験」と「アウトプット」が一番大事|常田 秀明氏@日本情報通信

Watson/ディープ・ラーニングを
初歩から学習中

 日本情報通信でクラウド・エバンジェリストを務める常田秀明氏は、SoftLayerユーザー会やBluemixユーザー会ではよく知られた人である。両ユーザー会の立ち上げ時から中枢メンバーとして関わり、ユーザー会の飛躍的な成長に大きく貢献してきた。
 
 その常田氏の本業のほうでは、最近、「BluemixとWatsonに関する案件が増えています」という。
 
「新規システムをBluemixで構築できないか、データはあるのでWatsonで何かできないか、というお問い合わせから始まることが大半で、お客様の関心の急速な高まりを実感しています。しかし実際の導入となると、その前に整理しておくべきことが少なくなく、またBluemixやWatsonの知識をあまりもっておられないので、お客様の理解を一層促進する取り組みが必要だと痛感しています」
 
 そういう常田氏も、「私自身、クラウドを含めてインフラの構築・運用に長く携わってきたので、Watsonやディープ・ラーニングについては初級者の域を出ません。またPaaSも専門分野とはいえ、変化のスピードがものすごく速いので、どちらも情報の吸収と、知識を力に変えていく日々の努力が欠かせないと思っています」と語る。
 
「実際、Watsonを使うには、それ以外でやるべきことが非常に多く、Watsonやディープ・ラーニングの基礎をしっかり理解していないと使いこなせないことがわかってきました」
 
 常田氏が今、PaaSやWatson、ディープ・ラーニングの情報収集に利用している主なツールは、feedlyとTwitterとFacebookである。feedlyは登録したサイトで情報が更新されると、その情報をフィードするRSSサービスで、常田氏は約40のカテゴリー(フォルダ)を設けて情報を整理している。
 
 そして、それぞれのツールでチェックした情報のうち、興味を引いたり気になったものは、Pocketに保存していく。「Pocketの中身はそれほど頻繁に見返しませんが、後から調べる時に便利なようにPocketに一元化して保存しています」
 
 オンラインでの情報収集に加えて、外部のセミナーや勉強会にも積極的で毎週のように参加している。特にWatsonやディープ・ラーニング関連のセミナーや勉強会には、今年初めから隔週?月1回程度のペースで参加し、知見を広げてきた。
 
 
 

プログラムを動かして
検証する

 こうした情報収集の中で常田氏が重視しているのは、「実際にプログラムを動かして検証すること」である。「そうしないと頭で覚えたことが身につかないからですが、プログラムを動かそうとして動かなかった場合でも、その問題を解くことで知識がつき、動かそうとする過程で得られるものが多いと感じています」。常田氏は、丸山不二夫氏が主宰する「マルレク」の人工知能講座をここ数回、受講してきたが、受講を終えて帰宅すると、講座の中で紹介されたプログラムをすぐにGitHubからダウンロードし試してきたという。「ソフトウェアは、体を使った体験に勝るものはない、という思いがします」と話す。
 
 しかし、情報を知識として身につけていく時に「一番大事なこと」として常田氏が強調するのは、「アウトプット」である。常田氏自身、外部のセミナーや勉強会で講演したり、自社のサイト(NICクラウド)でブログを書いたり、専門誌に寄稿するなど、精力的にアウトプットを実践してきた。
 
「若いスタッフには、どんなテーマでもいいから、人に見せるものとして書き切ることが重要だと伝えています。ブログを書いたり、人前で話す準備をする中で、自分に不足するものが自覚され、それを何とかカバーすることによって知識が力になっていくと思っています」(常田氏)
 
 

常田 秀明氏

日本情報通信株式会社
クラウド・エバンジェリスト
 

エンジニア歴:18年

[IS magazine No.12(2016年7月)掲載]

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