日本IBMは6月24日・25日の2日間、恒例の年次イベント「IBM i World 2025」を東京・港区虎ノ門の日本IBM本社で開催した。IBM i Worldとしては初めて2日間の開催で、来場者数は昨年(約330人)を大きく上回り、定員400名をオーバーする盛況だった。また、ライブビューイング会場の日本IBM 大阪事業所でも2日間で70人を超える来場があった。さらに今回は、イグアス主催の「技術トラック by COMMON」も同時開催された。
セミナーと展示の2つの構成で、セミナーでは、IBM i CTO・技術理事のスティーブ・ウィル氏による「AI時代のIBM i 製品戦略とロードマップ」、日本IBM Powerテクニカルセールス 茂木映典氏による「遂に登場、IBM i 用コードアシスタント最新情報とIBM i 7.6 ハイライト」の2つの講演と、6社のユーザー事例講演があった。ユーザー事例を紹介したのは、小岩井乳業、イーネット(仙水グループ)、アイコム、イチネンホールディングス、尾家産業、エムシーシー食品の6社。
展示会場では、MONO-X、アイエステクノポート、クレスコ・ジェイキューブ、GxP、iWorld、三和コムテック、ソリューション・ラボ・ジャパン、アグレックスの8社が展示を行った。
セミナーの冒頭、日本IBM Power事業部の原寛世 事業部長(理事)は、IBM iを「世界115カ国の全業種のあらゆる規模のお客様」が利用中で、IBM iで稼働するワークロードの総量、ライセンス契約数、サポート契約数とも「すべての観点で成長しています」と述べ、その理由として、日本では「汎用機ユーザーや中小型機ユーザーからIBM iへの切り替え」が進んでいることと、「アプリケーションをモダナイゼーションする動きの中でワークロードが増えている」ことを挙げた。
また原氏は、「AS/400」や「iSeries」という呼び方がユーザーやベンダーの間で今だに根強いことを踏まえて、「今日からはIBM iとお呼びください」と呼びかけた。
理由として2つを挙げ、次のように原氏は説明した。
「IBM iのiは、インテグレーションのi。常に最新のテクノロジーをOSの中に取り入れていくという意味で、IBM iはAS/400やiSeriesから大きく進化を遂げ、今も進化を続けています。もう1つの理由は、IBM iにIBMという文字が入っていることに示されているように、IBM iはIBMのド真ん中の製品。今後も投資を継続し、成長を続けていきます」
その成長の継続について、原氏は、年2回の新機能追加と3年ごとのOSバージョンアップ、Powerプロセッサの技術革新とオンプレミスおよびクラウドへの実装の継続を挙げ、成長が計画に従って進められていることを強調した。「安心してIBM iへの投資を続けてください」(原氏)
そして原氏は最後に、「技術者課題にもお応えします」として、日本IBMが推進中の「IBM i技術者プール」について触れ、次のように語った。
「ユーザーの皆様のご関心の中には、IBM i技術者の課題があると思います。それに関してはインフラはもちろんのことアプリケーション領域においても、人材育成をご支援する取り組みを続けています。パートナー企業様の中にスキルをもった人材を多数準備していただいていますので、人材に関するご要望がありましたら、ぜひお声がけをお願いいたします」
i Magazineサイトでは「IBM i World 2025」と「技術トラック by COMMON」のレポートを下記のように掲載予定です。
・スティーブ・ウィル氏「AI時代のIBM i 製品戦略とロードマップ」(7月1日)
・茂木映典氏「遂に登場、IBM i 用コードアシスタント最新情報」(7月2日)
・肥沼沙織氏「今後の開発環境を考える VS Code/Code for IBM i vs RDi vs SEU機能比較」(7月3日)
・澤田英寿氏「PowerSCとIBM iのセキュリティ」(7月4日)
なお、6月24日・25日開催「IBM i World 2025」のWebリプレイセミナーが7月29日(火)・30日(水)に実施される。
申込URL:https://ibm.biz/iworld2025ibmweb
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