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RPGのフリーフォーム化とIBM i資産の見える化を推奨し、要員確保・後継者問題に対処:ベル・データ ~IBM iシステムの「進路」❸

継続中止の技術面の理由は
実はほとんど解決済み

 ベル・データは昨年(2020年)、前年の実績を上回る台数のPower Systemsを出荷した。「2019年にEOS(保守サービス終了)の対象となったお客様が、当社の運用・保守支援サービスへの期待を込めて導入されたと見ています」と、デジタルビジネス&マーケティング推進本部の細越直人氏(ソリューション統括部 統括部長)は話す。

 ユーザーのうちオンプレミスからオンプレミスへ移行したのは90%弱、クラウドへの移行は10%強で、クラウドへはオンプレミスのシステムを丸ごと移行したユーザーが大半だった。またオンプレミスを選択したユーザーの約70%はシステムに変更を加えない単純移行で、約30%が改修や新規アプリケーションの追加を行ったという。

「従来のまま移行したお客様は、現在の仕組みに満足されている方が大半です。しかし詳しく話をうかがうと、要員確保や後継者の問題を抱えている企業が大多数なので、それを踏まえて次のステップをご提案しています」と、細越氏は言う。

 同社はこの1年間、RPGプログラムのフリーフォーム(FF)化を強く推奨してきた。パワーシステム・エバンジェリストの安井賢克氏は、その理由を次のように説明する。

「私は、IBM iをやめようかと悩んでおられるお客様にお会いすることが多いのですが、理由をお聞きすると、要員の確保や今後の保守体制を最大の問題としていることが少なくありません。そこで、FFにすればオープン系技術者もRPGを読めるようになるので保守要員として期待できることと、FFを使って新しいアプリケーションの開発も可能であることをご説明すると、身を乗り出すように話に乗ってこられます。FF化によってお客様の多くの課題を解決できると感じています」

 もう1つ、同社が注力しているのは、IBM i資産の見える化による次への準備である。

「IBM iをやめようというお客様の理由のなかに、システムがブラックボックス化しているので“まさかのトラブル”に対処できないとか、プログラムの中身がわからないので新しいことにチャレンジできない、という声が多くあります。当社が推奨しているX-Analysisを使えば、ブラックボックスを見える化でき、利用中のプログラムをブラックボックス化させない仕組みも作れることをお伝えすると、お客様のほうで問題解決の糸口をつかまれるようです」(安井氏)

 安井氏は、IBM iの継続中止を外観(5250画面など)やテクノロジーを理由に検討しているのならば、「今一度、ビジネス的な必要性があるのか考え直していただきたい」と強調する。

「お客様が理由とされている技術面の問題は、私の経験では、実はほとんど解決済みです。むしろIBM iの安定性や資産継承性など、これまでのご利用のなかで当たり前になっていたことを見直していただきたく思っています。お客様のIBM iの次の姿は、足元の問題を精査してみると見えてくるのではないかと思います」

 

[i Magazine 2021 Spring(2021年4月)掲載]

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